医師の尚人(関根勤)は、女性を救えなかったことを後悔し、悪夢を見るようになっていた。そんな尚人は、婚約者・今村美子(高樹澪)との結婚を控えており、中古ながら新居に引っ越していた。
入居後まもなく、尚人は家に異臭を感じるようになる。「くさい、くさい」と言いながら、尚人は消臭スプレーを撒き、さらには芳香剤をいくつも置くようになるのだった。その様子を見た美子は、「疲れているのよ」と言う。
美子は、新居の中で指輪を発見する。自分のものではないことから、尚人の浮気を疑うが、尚人は否定する。尚人にも、その指輪は誰のものか分からず、前の住人のものだろう、と考えていた。
そんなある日、尚人は家の庭先に犬が迷い込んでいるのを発見する。近隣住民から、「それは飯島さんの家の犬よ」と教えられる。飯島というのは、尚人が買った家の前の住民なのだという。そして、奇妙なことに飯島は、目と鼻の先に引っ越したことを明かされる。さらには、飯島夫妻は仲が悪く、ケンカばかりしていたこと、妻が失踪してしまったことを尚人は知るのだった。
尚人は、飯島茂雄(ルー大柴)に、家で拾った指輪を見せる。すると、飯島はあわててその指輪を奪い、家の中に入ってしまうのだった。
尚人は、「飯島が妻を殺し、家のどこかに妻の遺体を隠している」と考えるようになる。そして、床板を外して土を掘り返し始める。美子は、そんな尚人を止め、「そんなマネまでして、私と結婚したくないの?」などと言う。
そんな中、下水道サービスの業者がやってきて、配水管を調べ始める。「すみません、実は、入居前にやるよう言われていたのですが」と言い、修繕をするよう言われていたことを明かす。業者は「うわ、生臭いな」と言い、尚人は異臭の原因が死体などではなく、下水のニオイが上がってきているせいであると知り、ほっと胸をなでおろす。
尚人と美子は、新婚旅行でカリブ海へ行くことを楽しげに話し始める。だが、庭では以前に迷い込んできた犬が、床下へと入り込んで穴を掘り始める。そこには、飯島が殺害した妻の遺体が埋められていた。
1990年5月17日放送 脚本:小野沢美暁