「IT界の風雲児」と呼ばれた社長・藤田吾郎(ムロツヨシ)は、宇宙旅行を夢見ていた。だが、そんな彼は脳腫瘍と宣告され、未来での治療に期待し、コールドスリープで眠りにつくこととなった。
息子の恭平、そして会社を副社長の大岩(桜井聖)に託し、コールドスリープに入る。コールドスリープでは、「最大で50年」冷凍保存でき、途中で4回まで覚醒できるのだという。
目覚めた藤田は、目の前に恭平が現れ、すでに成人していた。2032年9月25日になっていたが、まだ治療法は確立していなかった。恭平は結婚することとなっており、両家の顔合わせに出席して欲しい、と申し出るが、藤田は「そんなことで目覚めさせたのか」と冷たく言い放つ。
だが、相手が総務大臣の娘だと知り、藤田は態度を変える。だが、手切れ金を渡されて激怒した恭平の恋人・絵里香(柳ゆり菜)が現れ、場は騒然とする。破断となり、藤田は激怒する。そんな中、リミットの12時間が目前となり、恭平に「大臣の娘と関係を修復しろ。俺の喜ぶ未来を見せてくれ」と言いおいて、再び藤田はコールドスリープすることになるのだった。
二回目の覚醒は、2042年5月23日だった。その時点でも治療法は見つかっていなかった。目覚めさせたのは絵里香だった。恭平は絵里香と結婚しており、子供が生まれていた。だが、恭平は粉飾決算で拘置所にいた。
藤田は「あの女と結婚したからだ」と言うが、恭平は「俺が選んだ女だ」と言って反論する。さらに、藤田は恭平の裁判に出廷し、証言をすることになった。そこで、絵里香に「副社長の大岩が独立し、ノウハウや社員を奪ったために会社が傾いた」と明かされる。藤田は大岩に文句を言いに行くが、興奮して倒れてしまう。
再びコールドスリープすることになり、次に目覚めたのは2052年10月17日だった。治療薬が発明されたと聞いて藤田は喜ぶが、最終治験段階で完成は6年後と知り、「なぜ6年後に起こさなかったんだ」と藤田は呆れる。
恭平は「俺、今日が誕生日なんだ。父さんと同じ年になった」と言う。恭平は家族3人で安アパートながら、楽しく暮らしていた。恭平の45歳の誕生日会が行われ、藤田は恭平と星を観に行く。
そこで恭平は、「父さんに謝ってばかりだった…でも、本当に言いたかったのはありがとうだったんだ」と言う。コールドスリープに戻るリミットを知らせるアラームが鳴る中、藤田は「もういい」と言い、監視装置を踏み潰す。
恭平は藤田と同じ病に侵されていた。同じ薬を飲んでいたことで、藤田は気づいたのだった。「もう長くないのか、だから俺を…」と言い、恭平も認めて「結局、親孝行なんて一つもできなかった…ごめん」と謝る。
藤田は、「6年後、治療薬が完成したらお前が治療を受けろ」と言い、コールドスリープを代わりに受けろと言うのだった。亡くなって星になることで、「これで夢だった宇宙に行ける」と藤田は恭平に言う。