藤原丈人(板尾創路)は、忙しい日々の中で大きな仕事を終えた後、ソロキャンプに行くのを趣味にしていた。誰もいない山奥、スマホが鳴っても電源をオフにした。
そんな中、足音が聞こえる。藤原はライトを照らし、その先にはスーツ姿の中年男性がいた。不審に思う藤原に、男は「こんばんは、焚き火にビールですか、最高ですね」と話しかける。
勝手に焚き火の前に座った男は、「私、5歳の娘がいるんですよ。これが可愛くてね」などと話し始める。「あなたは、こんな山奥で一人キャンプですか?寂しくないですか?」と問いかける。
藤原は「一人で自由に振る舞える贅沢がある」と言う。男は「こんな山奥にいたら、怖くて仕方ないでしょうね」と言うが、藤原は「怖いことなんかない、雨が降ろうが、嵐になろうが、自分を試されることに楽しみを感じる」と言う。
男は「怖いことなんかないか…」と言い、藤原の調理用ナイフを手に取り、闇の中へと消えてしまう。あっけにとられる藤原の前に、制服姿の女子高生が現れる。先程の男のことを話そうと思うが、「そんなことはどうでもいいじゃないですか。それより話しましょう」と藤原に座るように促す。
吹奏楽部所属だという女子高生は、音大に行こうと思っているなどと話す。そんな中、声が聞こえた藤原は、森の中へと入っていく。すると、先程の男がナイフで自らの腹を刺しており、死亡してしまう。
女子高生は、救急箱を持ってきたのだが、男が死亡していると知ると、包帯を飲み込みはじめ、窒息死する。
藤原は外科医であり、さきほど死亡した男は、過去にオペ中のミスで死亡させてしまった患者だった。女子高生は、オペ中にガーゼの置き忘れをして、さらには告知をせずに敗血症で亡くなった患者だった。
次々と自らの過失などで死なせた患者の声を聞き、藤原は崖から転落する。目覚めると、手術室だった。執刀している医師たちは「無理だ、閉じちゃおう」などと話しており、藤原は「死ぬなと言ってくれ、どうして真剣に向き合ってくれない…」と思うが、挿管されていて声を発することもできなかった。