「愛車物語」前半部分(ネタバレなし)
山本伸吾(佐藤寛之)は、恋人の香織が運転する車に乗っていた。香織は、その愛車を運転することが大好きだった。だが、よそ見をしたことで香織は事故を起こし、彼女は命を落としてしまう。
半年後、伸吾はその車を譲り受け、香織手作りのクッションなども載せたままだった。そんな伸吾は、飛び出してきた自転車と事故を起こす。その自転車に乗っていた相手・ノリコを介抱したり、大学に送り届けたことがきっかけで、二人はドライブデートに出かける。
ドライブ中、急に車のエンジンが不調となる。また、急に扉が閉まってノリコは指を挟みそうになったり、クッションやストラップを替えようとしたところワイパーに手を挟まれたりと、不運に見舞われる。
香織の怨念が取り憑き、伸吾の新恋人ノリコに嫉妬する車。果たして伸吾たちの運命は…
「愛車物語」後半部分(ネタバレあり、結末まで)
伸吾がジュースを買いに行くと、急にドアの鍵が閉まり、排気ガスが流れ込んでくる。ノリコは呼吸困難に陥り、必死に助けを求め、伸吾はようやく気づく。伸吾は窓ガラスを割ってノリコを助け出す。
ノリコは、「この車には香織さんの霊が取り憑いているのよ。新しいクルマを買おうよ」と言う。夜道を歩いていると、香織の車がひとりでに走ってひき殺そうとしてくる。伸吾たちは必死に逃げるのだが、その中で伸吾は脚を痛めてしまう。
伸吾はノリコだけを逃がすのだが、車の狙いはノリコだった。命の危険を感じるノリコだったが、車はガス欠で動きを止める。だが、最後の力を振り絞るようにエンジンをかけた車は、ウォッシャー液の噴出孔から、真っ赤な液体を車は噴き出し、完全に停止した。
伸吾は車をスクラップにし、新車に乗り換える。踏切の手前で停車し、二人がキスをしているところ、後ろから香織の車が追突してくる。電車のやってくる踏切へと押し出され、二人は絶叫する。
色々とツッコミどころがあり、なおかつ不死身のジェイソンのような存在が「車」であることに違和感は拭えませんが、カーステレオの演出やウォッシャー液の鮮血など、不気味な演出は十分楽しめます。
ちなみに、脚本を手掛けた両沢和幸さんは、『ナースのお仕事』『お金がない!』などを手掛けるヒットメーカーです。
「愛車物語」制作情報
・脚本:両沢和幸
・監督:伊藤正治