シンガーソングライターの村瀬志保(斉藤由貴)は、ライブレストランで歌うも、誰も聴いていない、誰の心に響いていない現状に落ち込む。さらには曲作りも上手くできず、新曲披露もできずにいた。ツイッターにも批判的なコメントばかりが並んでいた。
志保は曲作りをしながら眠ってしまうと、不思議な夢を見る。その夢の中に流れていたメロディーを思い出しつつ、彼女は新曲を作る。その曲『恋の記憶』を披露したところ、急に客たちは耳を傾けるようになる。
配信ランキングでも4位にランクインし、ツイッター上での評価も上々だった。だが、家で過去の自分が出演した番組のビデオを見ていると、「地酒琴條」のCMで『恋の記憶』が流れ出して驚く。そのCM映像も、夢の中で見たものとそっくりであり、宮島素子という歌手が歌っていた。
自分が盗作してしまったことに気づき、志保は青ざめる。青森のローカルCMであり、志保はネット検索を行う。すると、都市伝説のサイトの中で、「青森で一度だけ放送された地酒のCMであり、歌手が休止したため、すぐに放送中止となった」「呪われたCMソングと言われている」「映像も音源も残っていない」と書かれていた。
志保はラジオ番組に出演するが、ヘッドホンでハウリング音がしたり、宮島素子の声で曲が聴こえたりと、志保は取り乱す。その後、『恋の記憶』がエステのCMに起用され、志保自ら出演することが決定する。
志保は宮島の死亡記事を書いた記者に問い合わせ、死因について訊ねる。「死因は不明だが、病気であったんじゃないかな。彼女、周りに迷惑をかけたと、謝りながら亡くなったみたい」と志保は記者に告げられる。
歌番組出演が決まり、志保はますます社長に言いだせなくなる。そこで志保は、地酒CMを録画されたビデオテープを切り刻む。そして、志保のエステCM撮影が行われることとなったのだった。
撮影されたものを確認している中、志保は宮島の出演CMがモニター上に映し出されたと思い込み、取り乱す。スタジオを走り出した志保は、霊体に襲われたように感じる。
自宅に戻った志保は、自分の出演したCMを見ていると、そこで宮島のCMに切り替わり、「この曲、盗らないで」聞こえる。さらには宮島が「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝りながら死亡したことを思い出し、志保は「宮島もこの曲を盗んだ」と気づく。
志保は、耳元で「私の曲、盗らないで」と女がささやくのを感じる。その後、彼女は部屋で一人笑い出すのだった。
志保もまた、急死してCMは一度きりで放送中止となる。