前世の恐怖(世にも奇妙な物語 1991年11月21日放送)あらすじ[ネタバレあり・結末まで]

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「前世の恐怖」前半部分(ネタバレなし)

会社員の達彦(近藤正臣)は、夢で女性を殺害したり、満員電車の中で苛立って恐ろしい妄想をしてしまう。彼の自宅近くでは連続殺人が起こっており、山中に埋められていた遺体が次々に発見され、大々的に報じられていた。

達彦は会社の女性社員・マミと不倫関係にあったが、「なぜこの女と関係を持つようになったか、きっかけが思い出せない」と思う。マミに「私のために生命保険に入ってくれない?」と言われ、「この強欲な女め…」と達彦は殺意を抱く。

達彦はつい、マミの首を衝動的に絞めるが、夢で見た女性の首を絞めるシーンを思い出し、はっと我に返る。電車に乗っていて、女の子が人形遊びをしているのを見ても、子供を溺死させたシーンがフラッシュバックする。また、妻の料理する後ろ姿を見ても、包丁で刺すシーンがまざまざと感じられる。

テレビ番組で、「中村茂雄」という昭和20年代の婦女連続殺人犯のことが報じられていた。その事件の内容を知り、自分の夢やフラッシュバックと全く同じであることに衝撃を受ける。

自分と中村茂雄との奇妙な接点を感じつつ、達彦はとある妄想にとりつかれていきます。

「前世の恐怖」後半部分(ネタバレあり、結末まで)

達彦は「中村茂雄」の事件について、過去の新聞記事で調べ始める。さらに、昭和26年9月22日に中村は死刑執行されており、その日に自分が生まれていると気づいてショックを受ける。

達彦は、自分が中村の生まれ変わりなのではないかと疑い始める。バーで酒を飲み、因縁をつけて包丁を手にしたところで我に返り、達彦は愕然とする。

「前世で関わり合いのあった人間は、現世でも不思議と縁で結ばれている」という女性社員の言葉で、ふと達彦は妻や娘が「自分で殺した犠牲者なのでは」という妄想にとりつかれる。

妻は、達彦の「自分は中村の生まれ変わり」という考えについて、「血を見るのも嫌なあなたには、そんなことありえないわ。そんな派手な人生、平凡なあなたには似合わない」と一笑に付す。

そして、妻は野菜ジュースを差し出し、「娘はまだ小さいし、住宅ローンはまだ30年残ってる。あなたには元気でしっかり働いてもらわなきゃね」と言うが、内心「殺したりなんかしない。あなたには生き続けて、前世の罪を償ってもらう。それがあなたの運命…」と思っていた。

達彦は、満員電車に揺られる苦痛を味わいながら、「定年まであと20年か…」と絶望的な気持ちになりながらつぶやく。

なぜか妻は、達彦が自分を殺害した中村茂雄であると知っていたということのようです。達彦は苦痛に感じている「平凡な会社員」としての人生を送っており、その「罰」を妻は達彦が死ぬまで受け続けさせるつもりのようです。

「前世の恐怖」制作情報

・脚本:中山乃莉子

・演出:淡野健

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