映画「デトロイト」あらすじ・ネタバレ・結末

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簡単なあらすじ

1) 1967年7月23日、デトロイトでは警察隊とそれに抗議するアフリカ系アメリカ人たちを中心に暴動が起こった(12番街暴動)。そんな中、フィリップ・クラウス刑事は非武装状態であった犯人であるレオンをショットガンで射殺してしまう。だが、彼は殺人罪に問われることもなく、暴動が起こっているという混乱の中、刑事として仕事を続けていた。

2) 暴動が続く中、アルジェ・モーテルでカール・クーパーが拳銃を使って悪ふざけをしていた。そして、警官隊に向けて空砲を撃つ。狙撃されたと考えたクラウス刑事率いる警官隊はモーテルへと向かう。そこで、クラウス刑事はカールを射殺し、「ナイフで襲われそうになった」などと嘘をつく。

3) 狙撃犯を探すため、クラウス刑事はモーテルで「容疑者」たちに尋問を行うが、もちろん狙撃銃など出てくるはずもなかった。そんな中、尋問中にクラウス刑事は容疑者たちを虐待する。そして、ついにはオーブリー・ポラード、フレド・テンプルを射殺してしまうのだった。

4) R&Bのバンドグループ「ザ・ドラマティックス」のヴォーカルであるラリー・リードは、目の前で友人のフレドを殺害され、さらには自らも負傷しながらも生き延び、病院へ入院する。暴動は鎮圧され、アルジェ・モーテル事件は明るみに出てクラウス刑事らは逮捕されるのだが、白人ばかりの陪審員による裁判で、無罪となってしまうのだった。ラリーは、事件のトラウマによりザ・ドラマティックスを脱退。聖歌を歌うようになり、彼は今なおデトロイトで暮らしている。

詳細なあらすじ

この映画は、実際に1967年に起きたアルジェ・モーテル事件、12番街暴動に基づいている。

第二次世界大戦後、アフリカ系アメリカ人たちは、デトロイトなどに移り住み、コミュニティを形成していた。そして、そこには白人による警察隊が存在していた。

1967年7月23日。デトロイトでは、ベトナム戦争から帰還した黒人退役軍人を讃える式典が開催されていた。そんな中、デトロイト市警は無許可で経営されている酒場を摘発した。現場近くにいた黒人の人々は、抗議の意味で警察官に投石を始めた。そのことをきっかけに暴動が広まり、近くの店で略奪、火災、銃撃戦が起こり始めるのだった(12番街暴動)。

暴動は拡大し続け、市警では対処しきれなかった。そのため、ミシガン州ジョージ・ロムニー知事は、州軍派遣を決めるのだった。暴動が始まった2日目、2人の警察官が略奪犯を追いかけていた。その中で、フィリップ・クラウス刑事は非武装状態であった犯人であるレオンをショットガンで射殺してしまう。だが、それは規則違反だった。

クラウス刑事は、殺人罪で起訴されるかどうか検討されることとなったのだが、暴動が起きていたこともあり、彼は刑事として現場に職務を続けることとなったのだった。

一方、R&Bのバンドグループである「ザ・ドラマティックス」が、デトロイトを訪れていた。彼らは、会社とレコーディング契約をとりつけようと必死になっていた。彼らが音楽ホールでライブを行おうとしていたところ、警察が通りを封鎖してしまう。そして、バンドメンバーにはデトロイトから退去するよう命じる。

メンバーたちは、バスでデトロイトを離れようとするのだが、暴徒に襲撃されてしまうのだった。仕方なく、ヴォーカルのラリー・リード、その友人であるフレド・テンプルは「アルジェ・モーテル」に宿泊する。

彼らはモーテルで、ジュリー・アンとカレンという2人の白人女性と知り合う。ラリーとジュリーは愛し合った。彼女たちの友人で、カール・クーパー、オーブリー・ポラード、リーという男がいた。

ラリーとフレドが部屋にいると、クーパーがスターターピストルを使って、ジュリーやカレンを慌てさせようといたずらをする。そんなことをするクーパーに呆れ、ジュリーとカレンは、ベトナム戦争の帰還兵・グリーンの部屋に向かう。

民間警備会社勤務のメルヴィン・ディスミュークスは、食料品店で略奪者から店を守ろうと警護に当たっていた。そんな中、クーパーは警官たちのいる方に向かって、数発の空砲を撃つ。クラウス刑事は、狙撃されたと思い、警官隊を引き連れ、アルジェ・モーテルに乗り込む。

クラウス刑事は、逃げようとするクーパーを射殺する。彼は、遺体の近くにナイフを突き立て、メルヴィンに「ナイフで襲われそうになったから、射殺した」と嘘をつく。

警察はホテルを取り囲み、狙撃手を探していた。狙撃銃は発見されなかったにも関わらず、クラウス刑事は「容疑者」を別室に移動させる。そこでクラウス刑事は、取り調べ中に容疑者たちを虐ぶるのだった。クラウス刑事の部下、ガードマンたちは関与したくなく、クラウス刑事を放置していた。

クラウス刑事は、騒ぐジュリー、カレン、グリーンたちを二階に連れて行き、ジュリーの服を引き裂く。そして、ジュリーを売春婦、グリーンをポン引きなどと罵る。メルヴィンらガードマンは、彼女たちをなんとか逃がすことに成功する。一方、ラリーやフレドは、隙をついて逃げようとするが、別の警察官に見つかってしまい、失敗する。

クラウス刑事の部下であるデメンスは、クラウス刑事が行っていた「悪ふざけ」中に、実際にオーブリーを射殺してしまう。クラウス刑事は逮捕を恐れ、「こいつが銃を奪おうとした」と偽証することを提案する。

クラウス刑事は、目撃者たちに「このことを秘密にするならば」と条件付きで、他の人々を解放することを約束する。グリーンとラリーは同意するのだが、フレドは拒否し、彼は殺害されてしまうのだった。ラリーは解放され、別の警官に会うまで走った。そして、その警官は、ラリーを病院へと連れて行くのだった。

メルヴィンは、モーテルの事件の目撃者として名乗りを挙げる。すると、人種差別的な刑事2人に拘束され、証言をでっち上げられ、一時的に投獄されてしまった。

一方、警察官のデメンスやフラインはモーテルに行ったことを認める。だが、クラウス刑事は認めなかった。彼らは殺人罪で逮捕され、裁判にかけられた。

ラリーは、事件のトラウマによりザ・ドラマティックスを脱退。裁判所に証人として出廷した。だが、裁判所は刑事たちの自白を証拠認定しなかった。そして、全員白人の陪審員たちは、メルヴィンやクラウス刑事らを無罪とし、釈放する。メルヴィンは目撃者としてクラウス刑事に対峙するが、弁護士の工作もあり、犠牲者のため、正義を勝ち取るのは困難であると悟るのだった。

メルヴィンは命の危機を感じ、郊外に引っ越して警備員としての仕事を続けていた。クラウス刑事や部下たちは無罪となり、 解雇されることこそなかったが、現場には二度と立てなかった。そして、民事裁判によりオーブリーの家族に5,000ドルを支払うよう命じられた。ジュリーは立ち直って、新たな人生を家族と始めていた。ラリーは聖歌を歌っており、今なおデトロイトで暮らしている。

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