ドラマの登場人物・キャスト
・赤座伊之助(大泉洋):父・忍、母・きく子の長男(原作では伊之)。
・赤座桃子(宮﨑あおい):長女、伊之助の妹(原作ではもん)。
・赤座佐知(瀧本美織):次女、伊之助と桃子の妹(原作ではさん)。
・赤座忍(笹野高史)
・赤座きく子(波乃久里子)
・岡村咲江(西原亜希):花屋の店員。
・三四郎(七五三掛龍也):伊之助の後輩。
・小畑裕樹(太賀):桃子の恋人。
・シマ(一路真輝):飲み屋の女将。
・パティ(シャーロット・ケイト・フォックス):デザイン事務所の社員。
原作のあらすじ
原作では、父・赤座は多摩川で川師をしており、たくましい人夫頭だった。その家の長女・もんは、下谷の寺に奉公しており、そこで知り合った学生の小畑の子をみごもるのだった。
もんが妊娠する一方、小畑は実家に戻ってしまう。もんはそのこともあり、奉公先や酒場で男と奔放に関係を持ってしまう。しばらくしてから、もんは実家に戻る。父親や、その長男で腕のいい石職工の伊之は、もんが妊娠されて捨てられてしまったことに腹を立てていた。
以前は仲のいい兄妹であったのだが、伊之ともんとの間で諍いは絶えなかった。そんな中、小畑が赤座家にやってくる。もんは不在であったが、小畑は謝罪し、子供の出産費用などを負担させてもらいたい、と言う。
母親のりきは、夫が殴りはしないかと冷や冷やする中、赤座は「死産でした」と告げるのだった。それを聞いて小畑はあからさまに安堵の表情を浮かべるのだった。小畑はもんに会って謝罪したいと言うが、赤座を帰らせる。
そこに伊之が帰ってきて、小畑の後を追う。そして、彼にどれほど妹のことを大切に思っているか、と伊之は語って聞かせるのだった。謝罪したいと言う小畑に、伊之は暴行を加える。そして、二度と来るなと捨て台詞を残して帰るのだった。
もんが奉公先から帰ってくると、そこで小畑がやってきたことを知り、父が彼を殴らなかったことにほっとする。だが、伊之が小畑の後を追って話をし、さらには暴行したと知り、もんは驚くとともに怒りがこみ上げる。
もんは、伊之と取っ組み合いのケンカをするのだが、次女のさんが泣き出したためにケンカはそこで終わる。
りきは、もんに小畑の名刺を渡すのだが、破って泣き出す。その後、「ぐれていた」もんは、元のに戻り、実家へと帰ってくるのだった。
2018年度版ドラマのあらすじ
2018年度版ドラマでは、東京の下町で工務店を営む一家となっている。長男の伊之助(大泉洋)は父・忍(笹野高史)の下で大工職人をしており、長女・桃子(宮﨑あおい)はトラック運転手をしている。
ある日、桃子は流産したことを告白。相手の男のことなど、何一つ明かそうとしない桃子に苛立ち、妹を大切に思うがゆえに伊之助は桃子を殴りつけてしまう。取っ組み合いの兄妹喧嘩に発展し、怒った桃子は家を出て行ってしまう。
半年後、未だに帰ってこない桃子を呼び寄せるため、伊之助は父・忍の古希祝いの会を開く。それに招き、桃子を帰宅させようとしていたのだった。ところが、桃子が帰ってくる前に、桃子の恋人で彼女を妊娠させた小畑裕樹(太賀)が赤座家にやってきてしまうのだった…
作品情報
原作者は詩人・小説家の室生犀星。主人公の赤座もんは、養母・赤井ハツがモデルとされている。本作により、1935年 第1回文芸懇話会賞を受賞している。
三度の映画化がなされており、今回で七回目のドラマである。今回のドラマは、山田洋次脚本・石井ふく子プロデューサーのコンビであり、この2人は渥美清・倍賞千恵子によるドラマ化でも携わっている。