簡単なあらすじ
1) 帝国重工の財前道生(吉川晃司)は、佃製作所とのバルブシステムの特許使用契約を結ぼうと考えていた。だが、佃航平(阿部寛)は「ウチで、部品供給できないだろうか?」と提案する。
2) 自社製品のみでロケットを飛ばすという「スターダスト計画」を進行させていることもあり、財前は「佃製作所からの部品供給など受けることはできない」と考えていた。一方、佃製作所内でも、社員たちは部品供給に反対する声が上がっていた。
3) 開発部の社員に、引き抜きの話が持ち上げる。その混乱の中、財前は佃にもう一度、特許使用契約の話を進めようとするが、佃は「ウチの開発部を見てください」と、研究施設を見せようとする。
4) “町工場”とは思えないクリーンルームや、職人たちの手作業で試作品を作り上げる高い技術力を目の当たりにして、財前は佃製作所からの部品供給を検討し始めていた。
起:佃の提案
ナカシマ工業の特許をめぐる訴訟で、勝訴に等しい和解勧告を受け、佃製作所は56億円もの和解金が手に入った。一方、帝国重工の財前道生(吉川晃司)は、和解金が入った今、特許を買い叩くことができず、一刻も早く特許の使用契約を結ぼうと考えていた。
特許使用契約の話をまとめようとする財前に、佃航平(阿部寛)は「ウチで、部品供給できないだろうか?」と提案する。同席していた帝国重工の富山敬治(新井浩文)は、「あなたのところで、ウチの求める水準のものが作れるとは思えない」と言うが、佃は「お忘れなく。ウチは、あなたのところよりも先に特許申請を行っている」と言い返す。
意見を曲げない佃に、財前は「検討します」と言い、一度帰る。財前は富山に、「検討したがダメだったと言うんだ。それでも特許使用許可を出さないなら、佃の弱みを握って認めさせるしかない」と言う。
財前の実家は、町工場を営んでいた。財前は、できもしないことを大企業から請け負い、結局は対応することができず、そのしわ寄せを社員や家族に負わせる父親の経営に反発していたのだった。
承:社員の反発
特許使用許可ならば、リスクもなく多額の許可料が得られると思っていた営業第二部部長・唐木田篤(谷田歩)は、佃の意見に反対する。だが、経理部長の殿村直弘(立川談春)は、「リスクがないところに、ビジネスがありますか?」と言い、部品供給を目指すことになる。
一方、営業第一部係長・江原春樹(和田聰宏)や経理部係長・迫田滋(今野浩喜)、技術開発部・真野賢作(山崎育三郎)ら若手社員は、特許使用許可で手を打つべきだと迫る。さらに、「自分の夢のために、会社を私物化して良いんですか?」言われるが、佃は「そんなつもりはない。ウチは特許で食っている会社ではなく、製作所だ。部品を作ってナンボの会社ではないのか」と反論し、あくまで部品供給をすべきと考えていると告げる。
佃は、娘の利菜(土屋太鳳)から「1億円、貸してください」と頼まれ、驚く。利菜は、会社が負債を抱え、転校をせざるを得ない同級生のために、貸してやって欲しいと言う。だが、佃は「会社を経営している以上、恵んでもらっているようなカネで上手くいっても、嬉しくないんじゃないかな。ウチも、倒産の危機だったんだ」と言い、利菜は「綺麗事だよ。お母さんと一緒」と反発する。
転:開発部の混乱
開発部部長である山崎光彦(安田顕)は、バルブシステムの開発を手伝って欲しいと真野に言うが、真野は「今のステラの開発だけで手いっぱいです」と言って断る。さらに、埜村耕助(阿部進之介)らに引き抜きの話が舞い込んで、山崎は頭を悩ませる。
山崎は、佃社長に誘われて大手企業から引き抜かれた理由を、「『夢』だったんだ」と真野や埜村たちに語る。佃社長の「君には夢があるか?俺にはある。今はボートエンジンだけど、いつかはロケットエンジンを作って飛ばしたいんだ」という言葉があったからこそ、大手企業の安定的な生活を捨てて、モノ作りをしたいと思ってこの会社に来たのだと切々と語って、真野たちを説得する。
財前は、富山の「佃の開発部は、部品供給に反対意見もあり、引き抜きの話もある。部品開発などできるはずがありません」という発言を受け、佃製作所に向かう。そこで、佃は社員の紹介や、技術開発の研究施設を財前に見せる。
結:財前の決断
実家の工場ではなかった、社長と社員の良好な関係や、町工場と思えぬクリーンルームなどハイレベルな研究施設、試作品を手作業で作る職人の技術力を目の当たりにする。手作業の試作品と機械で作った試作品の違いを見せようとするが、担当の技術者が体調不良でいなかった。そこで、佃は真野に頼み、手作業での試作品を完成させる。
「素晴らしい技術力だ」との財前の言葉に、佃や社員たちは喜ぶ。そして、佃製作所で開発したバルブは、帝国重工のものよりも優れていることがデータで示され、財前は驚く。
「なぜ、ロケットエンジンの開発などに着手したんですか?」と質問する財前に、佃は「難問だからです。高い水準が求められ、壁にぶち当たるからこそ、それが普段の仕事にも活かされるのです」と答える。
佃製作所が、単なる町工場ではないと実感できた財前は、佃製作所からの部品供給を考え始める。そして、水原重治(木下ほうか)宇宙航空部本部長に「佃製作所からの部品供給を検討させてください」と進言するのだった。
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