エボシ御前は、『もののけ姫』の終盤、部下を引き連れて、シシ神狩りに向かいます。そこでシシ神を倒すも、モロの君に右腕を食い千切られてしまいます。
痛手を負うも、エボシは命を取り留めます。その後、生き残った者たちとともに、新しい村作りを行うわけですが、このエボシのラストを巡っては、宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの間に意見対立があったそうです。
鈴木プロデューサーとしては、「絶対、壮烈に死んでもらわなけりゃ困る」「革命家は死んでもらわないと困る」と主張していたそうです。サンたちと対立する、いわば敵役として死亡するラストを想定していたようです。
しかし、映画のラストとしては、エボシは生き残る。その意味を問われた宮崎駿監督は、「でも生き残るんです。生き残る方が大変だと思っているもんですから。死ぬならもっと壮烈に闘ってくれなきゃ困るんだけど、壮烈に闘う基盤がないんですよ。映画の中で出来なかったんです」(TECH WIN 10月号別冊/VIDEO DOO! vol.1)と語っています。
なお、片腕を失いつつ生き残ったエボシについて、宮崎駿監督は「エボシは革命家ですからねぇ、何とかするでしょう」(雑誌同上)と語っています。情勢は大変になりつつも、今後も変わらず村の再建に尽力することが想定されているようです。