簡単なあらすじ
1) 芹沢ひとみ(香里奈)は、同じ病気である脳腫瘍で入院中の桐山徹(柳下大)が心停止を起こした様子を目の当たりにしてし、ショックを受ける。死の恐怖が間近に迫る中、ひとみは芹沢家、鈴木家両家での家族旅行を提案する。
2) ひとみの誘いに、母・可奈子(原田美枝子)は、返事を保留にする。「私がシレっと行ったら、バチが当たりそうで…」「28年間会わなかったから、どうやって接していいのか…」と可奈子は悩んでいた。
3) ひとみは、徹の書いていたエンディングノートを、徹の母・尚美に渡す。だが、尚美は、「もう10年も音信不通だったんです。あの子は、物心ついてから一度だって私のことを『お母さん』とも呼んだことはなかった」と、親子関係は希薄だったのだと知らされる。尚美の言葉に、可奈子は自分を重ねて思い悩む。
4) 可奈子を含め、ひとみたちは横浜旅行に向かう。可奈子とひとみはケンカをしつつも、ひとみの「どうやって向き合っていいか全然分かんなかった。今でも分からないけど、私は多分、あなたとちゃんと家族になりたい。それだけなの」と、母に対する胸の内にある思いを明かし、28年間の空白を越え、ついに親子関係を取り戻そうとしていた。
5) ひとみは倒れ、救急搬送される。寺本医師に「腫瘍内出血を起こしています。非常に危険な手術になりますが、それ以外に助ける手立てはありません」と説明される。手術が始まり、可奈子はお百度参りを開始する。
起:徹の死
芹沢ひとみ(香里奈)は、同じ病気である脳腫瘍で入院中の桐山徹(柳下大)が心停止を起こした様子を目の当たりにしてしまう。徹の死にショックを受けるひとみは、主治医の寺本真理子(戸田菜穂)医師から、徹のエンディングノートを手渡される。
母・可奈子(原田美枝子)とともに、ひとみは徹の死を悼む。可奈子は、「徹君は、勇敢に生き抜いたね」と、徹は最期まで前向きに生き抜いたのだと言う。幼なじみの前原翔太(山本裕典)は、結婚するひとみのことを商店街の仲間とともに祝う。
悠一(鈴木亮平)との結婚を望むがゆえに、可奈子を怪我させてしまった広瀬真菜(真野恵里菜)は、ひとみに謝罪する。そして、留学して自分を見つめなおすと言う。
その晩、ひとみは、婚約者・悠一(鈴木亮平)たちとともに、両家での家族旅行を提案する。だが、突然訪れる激しい頭痛など、死の恐怖にひとみは苛まれる。その一方で、当たり前に朝を迎えられる幸せなど、当たり前に思っていた日常の中に幸せを見出す。
承:家族旅行
ひとみは、徹のエンディングノートに、徹の母親である尚美(佐藤直子)の連絡先が書かれていることを発見する。徹からは、「両親はもういない」と聞かされていたため、ひとみは驚く。
結婚式が2週間に迫る中、ひとみは両方の両親に旅行の話をする。いつもは積極的に行動する可奈子だったが、「私は保留ね」などと返事を濁す。悠一は、「お母さんはお母さんで、距離のとり方を考えているのかもしれない」と可奈子の心境を思う。
横浜に旅行先を決め、ホテル予約などを行う。悠一の両親は旅行に行くことに同意し、心待ちにしている様子だった。可奈子は、「私がシレっと行ったら、バチが当たりそうで…」と友人の北野聡美(藤田弓子)に言うが、聡美は「行くべきよ」と旅行に参加することを促す。
ひとみは、掃除中に激しい頭痛を感じ、倒れてしまう。死の陰が忍び寄っているのを実感し、ひとみは「死にたくない」と心から思う。床でうずくまって少し落ち着いたひとみを、悠一の母・響子(江波杏子)が見舞う。「何かあったら、私に言ってね」という優しい言葉に、ひとみは安心する。
転:徹と母親
可奈子は、「旅行に行けることになったんだ」とひとみに言う。「明日、旅行のプランを練らない?」と言うが、ひとみは徹の母親・尚美に会いに行こうと考えていた。そこで、可奈子はひとみに同行する。
ひとみはノートを渡すため、尚美を訪ねる。だが、尚美は徹の死を知っても驚かず、「もう10年も音信不通だったんです。あの子は、物心ついてから一度だって私のことを『お母さん』とも呼んだことはなかった」と言い、その場を立ち去る。
ひとみは、父・健介(遠藤憲一)に、「この間、あの人(可奈子)が、私に謝ったの。『ごめんなさい、何があっても、あなたのことを置いていくんじゃなかった』って。私、その言葉をずっと待ってたのかもしれない。でも、まだ許せていない自分がいるの」と明かす。ひとみはまだ可奈子に対してわだかまりがあり、可奈子のことを「お母さん」と呼べずにいた。
一方、可奈子もまた、未だにひとみに「お母さん」と呼ばれていないことや、徹の母が言った「あの子は、物心ついてから一度だって私のことを『お母さん』とも呼んだことはなかった」という言葉が心の中に反響し続けていた。
結:28年間の空白
鈴木家、芹沢家両家での横浜旅行は、全員参加することができた。ひとみは、時折感じる頭痛がありながら、心配させまいとそのことを隠す。
可奈子は、ひとみの撮っていた写真を見て、「何のつもり?この旅行も思い出作りなの?明日のことを考えなさいよ」と言い、生きることを諦めたかのような態度に怒り出す。
たしなめる健介に、可奈子は「あの子、この先、生きられないと思ってる。それが耐えきれなかったの」と言う。健介は、「それでもひとみを受け止めてやってくれ。母親だろ?」と反論するが、可奈子は「28年間の時間は、埋められないのよ」と切なくなる。
だが、健介は「これから埋めていけば良い。10年、20年かけて。ひとみは生きる。…ひとみが一番来て欲しかったのは、お前だ。この旅行を楽しい思い出にしてやってくれ」と言う。一方、ひとみも「なんでこんなことになっちゃったのかな…」と、楽しい旅行になるはずだったにも関わらず、上手くいかない現状に悩む。
両家の会食で、悠一は「今回は、ひとみが企画した旅行に参加してくださってありがとうございます。この感謝を胸に、2週間後の結婚式に臨みたいと思います」と言う。ひとみもまた、「こうしてみなさんとお食事できることが夢のようです。…この感謝を込めて、ちょっとしたプレゼントを用意させていただきました」と言い、ひとみは1人1人に書いた、思い出の写真付きの手紙を読む。
可奈子への手紙を読もうとして、ひとみは「…何も書けなかった。分からなかった、自分の気持ちが。だって、ずっといなかったから。どうやって接していいか、どうやって向き合っていいか全然分かんなかった。今でも分からないけど、私は多分、あなたとちゃんと家族になりたい。それだけなの」と、母に対する胸の内にある思いを明かす。
そんな中、ひとみは倒れてしまう。救急搬送され、寺本医師に「腫瘍内出血を起こしています。非常に危険な手術になりますが、それ以外に助ける手立てはありません」と説明される。手術が始まり、可奈子はお百度参りを開始する。
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