簡単なあらすじ
1) 河村家一族の前で、育生(向井理)は「遺産を相続する」と宣言。さらに、「医者も辞め、カワムラメモリアルを継ぎます」とまで言う。育生の変貌ぶりに、義父・恒三(岸部一徳)や河村家の三姉妹、龍太郎(伊東四朗)の全員が戸惑う。
2) 龍太郎は困り、弁護士・金沢利子(真飛聖)と相談する。金沢弁護士は、「遺産をのこすのではなく、使ってしまっては」と提案され、龍太郎は2億円のタンス預金を使おうとするが、なかなか使うことができない。
3) 恒三は一丸となり、金沢弁護士を介し、遺書の内容に異議を唱え、家族会議を行う。龍太郎は、「誰もかまってくれず、見向きもされず、寂しかった。だから、遺産を譲らないと言って、目を向けて欲しかったんだ」と本心を明かす。
4) 恒三は、育生が憎まれ役を演じて、家族を結託させようとしたのだという意図を見抜く。遺書は破り捨てられ、大団円を迎えたかに見えたが、そんな中、龍太郎の仏壇の火の不始末で火災が発生していた。
起:育生の豹変
河村家一族の前で、育生(向井理)は「遺産を相続する」と宣言。さらに、「医者も辞め、カワムラメモリアルを継ぎます」とまで言う。
育生の変貌ぶりに、一同で驚いてしまう。妻・楓(榮倉奈々)も、育生に同調するかのように、「育生が遺産を相続するなら、2人で一緒に、ありがたくいただいて贅沢して暮らすわ」とまで言い出す。
育生は、「財産はどれくらいあるんですか?」と龍太郎に訊く。答えを渋る龍太郎に、育生は「相続税の問題もある。遺産の全容を掴んでおかなければ」と言う。「2日くれ」と龍太郎は言い、「迅速にお願いします」と育生は言う。そんな育生の変わりように、龍太郎は再び驚く。そして、楓までもが新婚旅行で豪遊する話をしており、陽子たちは唖然とする。
「このままでは、育生に河村家を乗っ取られてしまう」と考え、次女・月子(室井滋)たちは、育生と楓を離婚させようと画策する。今まで遺産をめぐって争っていた河村三姉妹に、長女・陽子(余貴美子)の夫・恒三(岸部一徳)は、「我々で争っている場合ではありません」と、手を結んで対抗しようと言い出す。
承:龍太郎の決意
龍太郎は、弁護士・金沢利子(真飛聖)と相談する。そこで、バブル期に購入した別荘やゴルフ場会員権など、1/5ほどの値打ちになってしまっていたことが判明する。
遺書の書き換えを提案されるが、「男が一度書いた遺書を、何度も書き直せない」と龍太郎は拒否。どうすべきか悩む中、金沢弁護士は、「遺産を使ってしまってはどうですか…叶えたい夢の1つや2つ、あるでしょう」と提案。龍太郎は、実行に移そうとする
恒三は、育生をカワムラメモリアルに呼ぶ。恒三は、部下の吉沢貴志(渡辺いっけい)に命じて、葬儀の仕事を教えるよう指示。渋る吉沢に、「育生君が経営権を握った後、素人考えで経営されては、会社が傾いてしまう、それでは困る」と言い、説得する。
陽子は、龍太郎に「離婚したいと考えている」と明かす。だが、陽子は迷っていた。「今、姉妹がいがみ合っている時間はないと言って、叱ってくれるのは恒三さんだけだから」と言う。
龍太郎は、競走馬を買おうとしていた。そこで、龍太郎は楓に相談し、かつて「いつか本物の金持ちになったら、買う。馬っていうのは、本物しか相手にしない」と言っていたことを思い出す。その言葉がきっかけで、楓は馬の調教師になったのだという。そのことを知り、龍太郎は競走馬を買うのを考えなおす。
転:遺産の使い途
葬儀のいろはを学ぶ育生は、恒三と飲んだ席で、「病院などからそのままご遺体を火葬場へ運ぶ直葬が増えていることから、葬儀の簡略化のニーズに合わせた葬儀を考えるべきでは」と提案。
だが、恒三は「人の死を簡略化するような国になったら、日本は終わりだ」などと言い出し、そんな恒三の言葉に、育生は「おじいちゃんみたいなことを言いますね」と言う。
体調不良を訴える陽子に、育生は「離婚に悩んでいることが原因では。早く決断した方が、健康のためですよ」と言う。三女・凜子(板谷由夏)は、龍太郎の部屋に、大きな金庫があるのを発見する。だが、番号が分からず、開けることはできなかった。
吉沢は、育生を担ぎ上げて、社長にしてはどうかと月子に言う。だが、月子はそのことに反対。さらに、「私のこと、どう思っているの?」と訊いたところ、好意を持っていた吉沢に「上司です。それ以外に、何か?」と言われ、逆上する。
月子は、息子・正春(鈴木浩介)が失踪したことも育生のせいだと責める。だが、育生は「30過ぎているんだから、不思議なことじゃない。むしろ、出て行ったことを褒めてあげては?」と言う。
龍太郎は飲みに行って豪遊しようとするが、昔とは勝手が違い、あまり楽しくはなかった。そんな龍太郎のもとに、「カネは若い内に使わなきゃ」という、他の客の声が聞こえてきた。
結:龍太郎の本音
恒三は、「三姉妹で手を携えてもダメなら、法律の力を借りるしかないだろう」と陽子たちに提案する。金沢弁護士に同席を依頼し、恒三は遺書の内容について異議を唱え、話し合いの場を設ける。
陽子は、「遺産を子供の一銭も遺さないなんて恥ずかしい。どうか書き換えてください」と言う。月子もまた、「これからも河村家を盛り立てていきたいの。育生さんじゃなくて、私たちを頼ってよ」などと言う。その後、凛子、恒三たちも不満を口にする。
楓に「別れなさい」と言う陽子に、楓は「私、幸せよ」と言う。陽子は、「目を覚ましなさい。幸せはお金じゃないのよ」と言うが、育生は、「それなら遺産なんか必要ないじゃないか」と反論。
さらに、恒三の経営についても「この家と同じで、形式ばかりだ。本音を口にしない。結局、何もなしえていない」と厳しい意見を言う。そこで龍太郎は、「そんなことない。恒三君は、大事な婿だ」と反論する。
さらに、遺産を家族に渡さないと言い出したのは、「誰もかまってくれず、見向きもされず、寂しかった。だから、遺産を譲らないと言って、目を向けて欲しかったんだ」と明かす。さらに、遺書を全て破棄する、と言って破り捨てる。
そんな中、恒三は「育生君は、憎まれ役を演じたんだ。敵がいれば、我々は結託するからね」と、育生が意図的に遺産を我が物にしようとしていたと指摘する。
龍太郎の本心も明らかになり、大団円を迎えたかに思われたが、家の中で火災が発生したことが明らかになる。原因は、龍太郎の仏壇の火の不始末だった。
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