西尾維新「掟上今日子の備忘録 第2話」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

「紹介します、今日子さん」
1) 作創社の少年漫画雑誌の編集長である紺藤に、”僕”・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は相談を受ける。売れっ子漫画家の里井有次が盗難に遭い、犯人から「お前の100万円は預かった。返して欲しければ、1億円を用意しろ」などという奇妙な脅迫を受ける。
2) 里井は、その脅迫を受け、1億円以上のお金を支払おうとしていた。担当する漫画家を襲った不可解な事態に困惑する様子の紺藤を見かね、隠館は掟上今日子探偵を呼ぶ。
3) 掟上は、「盗まれた紙幣を、ネットバンクや漫画のアイディアを置いているクラウドのパスワードに設定していたのではないか」と推理。そのため、そのことを知り得る長年アシスタント経験のある人物が犯人ではないか、と指摘する。
4) 紺藤の調査により、アシスタントの1人が犯人と判明。100万円は返却され、事件は解決するのだった。

起:盗まれた100万円

作創社に勤務し、漫画雑誌の編集長である紺藤から連絡を受け、”僕”・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は会うことになった。隠館は、アルバイトで作創社に勤めていたが、編集部内で事件が起こり、隠館が犯人として疑われる中、紺藤はそんな彼をかばってくれたのだった。

そんな恩義を感じていることもあり、なおかつ更科研究所をクビになり、仕事を世話してもらいたいということで、隠館は紺藤に会う。そこで、紺藤は奇妙な事件について、知恵を貸して欲しいのだと言い出した。

里井有次という売れっ子漫画家が窃盗の被害に遭ったのだという。里井は、100万円の束を冷蔵庫の中に隠していた。それを盗まれ、さらには犯人から「お前の100万円は預かった。返して欲しければ、1億円を用意しろ」などという奇妙な脅迫電話が掛かってきたのだった。

承:掟上今日子 登場

奇妙な脅迫電話に、耳を疑う隠館であったが、里井は「1億円を用意し、何がなんでも取り戻す」と言って聞かないのだと紺藤は告げる。土曜日の今日、振り込むことはできないが、月曜日には払ってしまうため、止めることができないのだ、と紺藤は言う。

理由を聞こうにも、里井は口を閉ざし、紺藤は、ほとほと困っている様子だった。そこで、隠館は「探偵を呼ばせてくれ」と言い、置手紙探偵事務所・掟上今日子探偵を呼び、事件解決を図ることにした。

隠館は、掟上とともに里井の仕事場へと向かう。里井は、意外にも小柄な女性だった。事情を聴いた掟上は、里井に100万円を取り戻すと約束した。さらに、掟上はアシスタントの中の1人に犯人がいるのではないかと考え、電話をかけてきた金曜日の18時15分のアリバイを調べ始める。

転:紙幣の価値

「アシスタントを調べて欲しい」という掟上の依頼に、紺藤は「身内を真っ先に疑うのはおかしい」と疑問を呈する。そこで、掟上は根拠となる推理を話し始める。

掟上は、銀行が開く月曜まで入金ができなかったことに疑問を抱いていたのだった。インターネットバンクを使用する里井が、なぜ入金しなかったのか。「指定口座へ1億円入金したくても、できなかったのではないか」と掟上は指摘する。

里井は、PCで原稿を描き、最新モバイルも使いこなしている。ネットバンクで入金は容易にできたはずなのに、「パスワードが分からなかったから入金できなかった。奪われた100万円の通し番号をパスワードにしていたのではないか」と掟上は推理したのだった。

ネットバンクのパスワードについては、ワンタイムパスワードもあり、さらには口座凍結をすれば済むが、漫画のアイデア帳もクラウド上に置いており、そのパスワードも、紙幣の通し番号にしていた。ログインができなくなることを非常に恐れていたのではないか、と掟上は指摘する。

このような推理から、「キャリアの長いアシスタントならば、仕事中に里井先生が紙幣を確認してクラウドにアクセスしている可能性が高い。だからアシスタントを疑った」のだと掟上は紺藤に説明し、紺藤は納得してアシスタントを調べることになった。

結:返ってきた100万円

紺藤は、掟上の推理から独自に調査を行い、犯人はベテランアシスタントであることが判明した。100万円は返ってきて、犯人は里井の仕事場を去り、事件は穏便に終結したのだった。

犯人は、「単なる憂さ晴らし。100万円も1億円も返すつもりだった」というが、隠館は疑わしいと考えていた。

掟上は、「里井先生は、紺藤さんのことが好きで、バカだと思われたくなく、100万円を取り返したい理由を言えなかった。アシスタントも女性で、その辺りも犯行の動機に絡んでいるのではないか」と語るのだった。

紺藤は、「掟上さんは海外で過ごしていたことはないか?海外支部で働いていた時にあった、ある人物に似ていると思うんだが…」と言い、隠館は掟上の過去にどのようなことがあったのか、気になるのだった。

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