簡単なあらすじ
1) 美のカリスマ「四葉姉妹」の妹・四葉美音(小林きな子)が、減量治療のために東帝大病院に入院してくる。副院長・久保東子(泉ピン子)は、胃バンディング手術を提案し、執刀医に外科医・原守(鈴木浩介)を指名する。
2) だが、大門未知子(米倉涼子)は、美音が単なる肥満ではなく、脳下垂体腫瘍によるクッシング病で肥満となっていたことに気づく。さらに、姉・美麗は、進行性大腸癌(stage IIIB)であると判明する。
3) 未知子は、両者の執刀医を行うと名乗り出るが、蛭間重勝(西田敏行)は、美音の手術を北野亨(滝藤賢一)に指名。そして、美麗は原が執刀医を行うと名乗り出るのだった。そして、蛭間の指示により、姉妹は「強い絆」を尊重するため、同時に手術を行うことになる。
4) 未知子は、経鼻・開頭複合手術に切り替えることにより、美音の手術を短時間化する。そして、すぐさま美麗の手術に入り、姉妹を両方とも救うことになる。金沢に送り返されそうになる原を不憫に思い、加地秀樹(藤村正信)は裏で手を回し、東帝大病院に残れるようにしてやるのだった。
詳細なあらすじ
大門未知子(米倉涼子)は、神原晶(岸部一徳)によって、美のカリスマ「四葉姉妹」のマッサージを伝授される。だが、未知子は信用しない。
その四葉姉妹の妹・四葉美音(小林きな子)が、姉・四葉美麗(高岡早紀)の付き添いで極秘入院する。だが、その噂は瞬く間に広まってしまう。副院長・久保東子(泉ピン子)が入院させたのだが、蛭間重勝(西田敏行)は「聞いてない」と言い、難癖をつける。
未知子は、神原に言われ、書籍にサインをするよう命令されてしまう。彼女が病室に入ると太った女性がおり、「病室を間違えた」と思う。だが、そこに美麗がやってきて、彼女こそが美音であると気づくのだった。
美音は、肥満治療に訪れてきたのだった。未知子は、「外科に関係なさそうなんで」と言い、カンファレンスから立ち去ろうとする。
だが、久保は「減量治療のため、手術で治療を行う」と言う。そして、執刀医に外科医・原守(鈴木浩介)を指名する。原は、「この手術を皮切りに、ブランド力向上を行います」と宣言する。原は、「このチャンスを活かして、東帝大病院で地位を確立するんだ」と意気込んでいた。
美音は昔、ぽっちゃり体型であったが、姉・美麗に憧れてダイエットをしたのだという。美音は、原に腹腔鏡下胃バンディング術(胃の上部をバンドで締め、食欲を低下させる手術)を提案される。手術に尻込みをする美音に、美麗は「私たちは、美しさを失えば四葉姉妹は価値がない」と言う。
未知子は、美音の血液検査データを見て、本来検査すべき検査をしていないことに気づく。一方、美音は、人知れず姿を消して屋上にいた。柵を乗り越え、飛び降りようとするが、そこで未知子に声をかけられる。そこで、未知子の頬ばるコロッケパンを見て、美音は近づく。
「私は、何をしても痩せない。手術も怖くて」と言う。そんな美音に、未知子は「ちょっと見せて」と診察しようとする。
未知子は、頭部MRIの検査をオーダーし、脳下垂体腫瘍を見つける。クッシング病が肥満の原因であった。血中コルチゾールとACTHの検査がなされておらず、さらには体幹の肥満に比べ、両下肢の太さが目立たないことでクッシング病を疑ったのだった。
未知子は執刀を申し出るが、美麗は「アメリカ帰りの医者に執刀させて」と言う。だがそこで、美麗が腹部に痛みを感じている様子を見て、「すぐに検査を受けて」と言う。腹部CT検査を行うと、大腸癌が発見された。診断では、リンパ節転移が見られ、stageIIIBであると考えられた。
すでに診断はなされており、美麗は「手術できない。余命半年」と言われていたため、「この美を最後まで保って死ぬ」と考え、治療を拒否していたのだった。さらに美麗は、「私が死ぬ前に、あの子に一人前になってもらわなければ」と考えていたのだという。そこで未知子は、「あんたが死ななければ良いだけの話じゃない。私の手術を受ければいいのよ」と言う。
「妹には私の病気のことを伝えないで」と言われており、未知子はそのことに了承する。姉妹ともに手術をすぐに行う必要があった。
西園寺猛司(吉田鋼太郎)は、「蛭間院長のご指示で、姉妹の絆のため、同時に手術を行う」と言う。そして、美音の執刀医は北野、そして美麗の手術の執刀医は加地秀樹(藤村正信)に指名される。だが、美麗の手術に原が執刀医を行うと名乗り出るのだった。
美音は、美麗の病気のことを知っていた。未知子は、「大腸癌、stageIIIB。あなたと一緒に手術します」と言う。
美音は北野の執刀で左前頭側頭開頭術による脳下垂体腫瘍切除、美麗は原の執刀で腹腔鏡下横行結腸切除術が開始される。
美麗は、大網と腸管の癒着が激しく、原は焦り始める。「やっぱり無理か…」と諦めようとしていたところ、加地が手術に入る。
未知子は、経鼻からの手術を追加し、開頭・ハーディー複合手術により、手術時間を短くしようと提案。北野は挑発され、未知子の案を認める。
未知子は美音の手術を終え、難渋している美麗の手術に入る。未知子は、手術室に入るなり、「術式チェンジ、開腹する。開腹による右半結腸切除術を行う」と言う。癒着が激しいため、「開腹ではないと手術できない」と言う。美麗は腹腔鏡での手術創を小さくすることを希望していたが、「もっと大事な約束がある」と言い、美音のためにも美麗を救うという約束を果たすため、開腹手術に切り替える。
未知子は、両者の手術を終え、2人とも命を救うことに成功するのだった。四葉姉妹は同じ病室で過ごし、ともに笑い合う。
神原は、蛭間院長に2,700万円を請求するのだった。蛭間は、四葉姉妹の治療成功について記者会見を行う。加地は、金沢に送り返されそうになっていた原を不憫に思い、美麗に「一つお願いがあります。マスコミに向けて、主治医・原医師は素晴らしい医師と言ってはもらえませんか」と頼む。そのこともあり、原は東帝大病院に残れることになったのだった。