「相棒 season15 第18話 悪魔の証明(最終回)」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 広報課長・社美彌子(仲間由紀恵)の私物のパソコンに何者かが侵入したと騒ぎになる。間もなくして、週刊誌にはハーフっぽい顔立ちの娘の写真とともに、「警視庁美人広報課長は国際派シングルマザーだった!?」という記事が掲載されてしまう。

2) 杉下右京(水谷豊)は、その写真に娘が「ロシア人とのハーフ」と示すかのような形跡が残されていたことから、それは写真を週刊誌へと渡した人物からの「謎を解いてみろ」というような挑戦状であるかのように感じ、調査を始める。さらに、美彌子の父親を突き止めることで、元内閣情報調査室の室長・天野(羽場裕一)に下山議員を殺害した真相を語らせることができるのではないか、と考えていた。

3) 右京は、写真週刊誌に娘の写真を渡したのは、美彌子自身ではないか、と考える。美彌子の娘の父親は、ロシアのスパイであるヤロポロク・アレンスキーだった。そのため、パソコンへの侵入者に秘密を握らせたままにしておけば、それはウィークポイントとなり得てしまう。そのため、美彌子は自らリークして、秘密を秘密ではなくそうとしたのでは、とと右京は推理する。

4) 美彌子がヤロポロクと深い関係にあったのではないか、ということで、警察幹部は美彌子を査問にかける。だが、美彌子は父親が「ヤロポロク・アレンスキー」と認めた一方で、「深い関係などではなく、襲われてできた子供」であると証言するのだった。その証言について甲斐峯秋(石坂浩二)は裏付け、警察幹部たちはこの事実を黙殺するより他はなくなったのだった。

詳細なあらすじ

青木年男(浅利陽介)は、広報課長・社美彌子(仲間由紀恵)の私物のパソコンに侵入し、ハーフっぽい顔立ちの美彌子の娘と思しき少女が映った写真や動画を覗き見る。美彌子は、アイコンの位置が入れ替わっていることに異変を感じ、サイバーセキュリティ課の捜査官に調査を依頼する。

青木は、美彌子のパソコンに侵入された可能性がある、と杉下右京(水谷豊)や冠城亘(反町隆史)に話をする。右京は、「クラッカーなら、わざわざ痕跡を残すなんてことはしないでしょう」などと言う。

美彌子のパソコンには、バックドアが仕掛けられており、首席監察官の大河内春樹(神保悟志)が調査に乗り出す。大河内は、サイバーセキュリティの捜査官・谷崎荘司を連れ立って、冠城亘(反町隆史)に「パソコンを改めさせてもらう」と言う。

右京は、「冠城君には、他人のパソコンへ侵入するなんてスキルはないと思いますが、ないことを証明するのは、あることを証明する以上に難しい…いわゆる、悪魔の証明です」と言う。

亘のパソコンのログ解析で、美彌子のパソコンへ侵入していたことが明らかとなる。さらに、亘は美彌子にメールを送っていた。右京は、「冠城君のパソコンが”踏み台”になっている可能性がある」と、亘のパソコンが乗っ取られている可能性を指摘する。

青木は、亘のパソコンにバックドアは仕掛けられていない、と指摘する。だが、右京は「侵入者は、バックドアを既に消去した可能性があるのでは?」と言う。

右京は、美彌子がよく拡張子を確認せずに添付ファイルを開いてしまったことを「不用意でしたね」と言う。そして、「あるいは、『記念写真』というファイルを、どうしても開きたいと思ったのか」と言う。亘は、その言葉に思い当たる節があった。亘は美彌子に親子の写真を見せていたのだった。

週刊誌『週間フォトス』の記者・風間楓子(芦名星)は、美彌子に電話をかける。風間は美彌子の娘の写真を速達で送っており、「取材させてもらいたい」と言う。美彌子は、取材を拒否する。

『週間フォトス』には、「警視庁美人広報課長は国際派シングルマザーだった!?」という記事が掲載されてしまう。亘は、大河内に呼び出されるが、亘は「僕じゃありません」と嫌疑を否定する。

右京は、記事に掲載された娘の写真を見て、クリスマスにも関わらず、カレンダーの日付が異なっていることに着目する。結果、カレンダーは1月のものではないか、と考える。ロシアでは、正月にもツリーを飾っている(ヨールカ)ため、クリスマスではなく正月の飾りではないか、と右京は推理する。

亘は、日下部彌彦(榎木孝明)に呼び出され、「やり方が荒っぽすぎるぞ」と言われる。亘は、自らの行いではないと主張した上で、「社課長の何を調べているんですか?」と問う。

右京は、東京拘置所に拘禁されている元内閣情報調査室の室長・天野(羽場裕一)に面会を行う。右京は、「写真週刊誌に、社美彌子がシングルマザーであるという記事が掲載されましてね」と言う。そして、その娘の父親は、アメリカに亡命したロシアの元スパイ ヤロポロク・アレンスキーの可能性があるのではないか、という推理を右京はぶつける。

下山秀和議員は、「内調の人間がロシアのスパイと繋がっているとまずいことになる」と美彌子をを脅していた。そんな下山を、天野は殺害したのだった。

伊丹憲一(川原和久)と芹沢慶二(山中崇史)は、記者・風間に写真の出処を訊ねる。当然、風間は答えることを拒否する。

右京は、ヤロポロクについて調べていた亘に、ヤロポロクについて話をする。汚職事件の濡れ衣を着せられたヤロポロクは、アメリカへと亡命したのだった。それに端を発する連続殺人事件が起こったのだった。

ヤロポロクの亡命後、国を裏切ってロシアに情報を流していた4名の日本人を、天野は殺害したのだった。

美彌子は大河内ら警視庁の上層部に呼び出され、記事について質問される。そこで、「記事の内容は概ね正しいです。このまま黙っていれば、事態は沈静化すると考えています」と言う。

そこで、美彌子は娘の名前は「マリア」であることを明かす。父親について訊ねられるが、「プライベートなので言いたくありません」と言う。

亘は美彌子に、「杉下右京が動き出しました。課長のお嬢さんの父親が、ヤロポロク・アレンスキーじゃないかと睨んでいます」と報告する。そして亘は、「課長が愛に溺れて、国を裏切るような人には思えません」と言う。美彌子もまた、「写真週刊誌の件、あなたの仕業じゃないと思う。そういう卑劣な男じゃないと思うから」と言う。

伊丹たちは、右京に「記事を書いた記者に会ってきました。…でも、部下の仕業ではないと証明するのは、警部殿の仕事ではないですか?」と言い、バトンタッチする。

右京は、記者・風間に会いに行く。そこで、「内密でお話したいことが…情報源は絶対に明かさないでいただきたい。社美彌子の父親のことをお教えしましょうか?」と言う。

亘は、天野が引き起こした事件について伊丹たちに話を訊く。そして、甲斐享(成宮寛貴)とともに、右京が事件を解決したのだと明かす。

右京は、天野が計画を破綻させてまで下山議員を殺害したのは、美彌子がヤロポロクと深い関係であったことを秘密にするためではなかったか、と伊丹たちに話す。

右京はさらに、天野が美彌子とヤロポロクとの間に娘がいることまでは知らず、美彌子への信頼が揺らいでいたことを伝え、美彌子の娘の父親のことを突破口に、「天野に事件の真相を喋らせることができるのでは。そのために、父親のことを突き止める必要がある」と亘や伊丹たちに話す。右京は、伊丹たちに風間のことを調べるように依頼する。

内村完爾(片桐竜次)は、衣笠に「社の娘の父親は、ヤロポロクの可能性があります。内閣情報調査室時代に、ロシアのスパイと関係をもっていたとなれば、大問題です」と報告する。

風間は、亘に右京がやってきた理由を明かす。亘はそのことを聞き、右京に「結構な乱暴狼藉を働きますね。リークなんて真似を」と言う。右京は、「利用できるものは利用しようとして。ですが、こうも情報源をやすやすと明かされるとは、相手にされていない証拠です」と言う。

「リークは方便であり、想像が及ばないことが狙いでは。だが、もし記事になったりすれば、娘に被害が及ぶ。あなたが弄んでいるのは、それくらいの爆弾だ」と、亘は右京を非難する。だが、右京は「想像が及ばないのならば…黙っていろ!」と一喝する。

美彌子は、「娘の父親の件で、11階に激震が走っているようです。…震源地はここかと」と、右京たちに言う。そこで右京は、「この記事を見せられて、『この謎が解けるか?』と言われているかのように感じました」と言う。

右京は、美彌子に「冠城君がここへ異動となったのは、どうしてですか?あまりに唐突だったので、気になりました」と言う。そこで美彌子は、「彼がめそめそしていたので。あまりに特命係や杉下右京が恋しいと言うので追い出しました」と煙に巻く。

亘は、右京に「これが仕掛けられた謎なら、誰が仕掛けたか教えてください」と言う。すると右京は、「社美彌子だと思っています。社さん本人が出版社に写真を持ち込んだのでは?」と言う。

パソコンへの侵入を察知したため、秘密を侵入者に握られたままではウィークポイントになってしまう。「この際、公にしてしまおう」と美彌子は考えたのだった。そして、美彌子はあえて娘の父親の手がかりとなる写真を選んだ、と右京は指摘する。

衣笠は、「確証を得るにはどうしたらいいか…口を割らせる以外には方法はない」と考える。

風間の恋人は、軍司森一という漫画雑誌の編集者であった。軍司は、美彌子と同じく東大将棋部のOBだった。そこで、伊丹たちは「軍司を中継して風間に写真を渡した」と考える。

右京は、ヤロポロクの名前を出した時、風間が間髪をいれず「確証はあるんですか?」と訊ねたため、風間は「父親が誰なのかに興味はないのでは?」と右京は考えたのだった。
右京は、美彌子が衣笠らに吊るし上げにされそうになっていると聞き、「寄ってたかって、返り討ちに遭うかもしれませんね」と言う。

美彌子は、再び警視庁の上層部に呼び出される。だが、そこに中園照生(小野了)が現れ、「自作自演の可能性がある」と情報を衣笠らに伝える。衣笠は、慎重にしながらも、「お嬢ちゃんの父親は誰だ?」と訊ねる。美彌子は、「ヤロポロク・アレンスキーです」と答える。

警察上層部は、「この件について、以後触れるな」と言い出す。騒ぎは沈静化したかに思われ、亘は「土壇場で彼女、何を繰り出したんでしょうか?」と疑問に思う。

天野からの手紙が届き、美彌子は面会に行く。天野は、「僕も君への信頼が揺らぐ。…国を裏切ってないだろうね?」と訊ねる。だが、美彌子は「裏切ってません」と答える。

美彌子は、「襲われたんです。乱暴され、それでできた子供です」と説明し、幹部たちを黙らせたのだった。「今となっては証明することはできませんが、証言をしてもらうことはできます」と言い、美彌子は甲斐峯秋を呼び出し、証言をしてもらうのだった。「宿った子には罪はありませんから」と、美彌子は中絶せずに産んだのだという。

訴えることをしなかったのは、せっかく関係を築いたヤロポロクが帰国してしまうのを避けるべきであると考えたためだ、と美彌子は言う。

甲斐はさらに、「この件で彼女のキャリアを侵害することは厳に慎むべきであると思う」と言い、美彌子は「私は国を裏切ってなどいません」と言う。

亘は、パソコンへの侵入の罪で減給されることとなった。「穏便に済ませて欲しい」という美彌子の口添えがあったと聞き、亘は「食えねぇ女」とつぶやく。

右京は、天野に下山殺しの真相を聞く。

亘は、美彌子のもとを訪れ、「また揺れるかもしれない…今度の震源地は、内部じゃない」と言う。美彌子は、「揺れたらまた、杉下さん、絡んでくるかしら?」と言う。

右京は、甲斐のもとを訪れ、「3月20日の警視庁の入構記録を見せていただきたい…あなたが警視庁舎で会っていた人物を知りたい」と言う。甲斐は観念し、美彌子のために証言を行ったことを白状する。甲斐は、「これで潰すには惜しい人材だ…僕は、このままでは終わらないよ」と言う。

前話:「相棒 season15 第17話 ラストワーク」あらすじ・ネタバレ

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