鮫島ホテルズの社長・鮫島零治(大野智)は、和田英雄(北村一輝)が社長を勤めるステイゴールドホテルにライバル心を燃やしているが、大きな差をつけられてしまっていた。
零治は、箱根の自社ホテルを訪れ、視察を行う。勤務中に携帯を見ていたドアマン、掃除に手を抜いていた清掃員をクビにする。ドアマンは、「妊娠中の妻の容態が不安で、つい見てしまっていました」と、なんとか解雇にはしないで欲しいと願い出るが、零治は聞く耳を持たない。
零治は、大浴場で掃除をする女性・柴山美咲(波留)と出会う。社長室 企画戦略部に中途採用で配属された彼女は、研修のために各地のホテルを回っていたのだった。
零治に「何か気づいた点はありますか?」と意見を求められ、美咲は、「ホテルのどこにも、牛乳が売っていません。お客様は、風呂上がりに牛乳を飲みたいのでは?」言う。零治は、牛乳が嫌いであったため、牛乳を置いていなかったのだった。繰り返し牛乳の話をする零治に、「置く必要はない」とはねつける。
零治は、今まで拒んできた見合いの話を受けるようになっていた。どうして縁談に乗り気になったのかと言うと、ステイゴールドホテルの和田社長が、華やかな男で女性といつも一緒にいるからだった。
寂しい独り身であり、和田とパーティーで会うたびにバカにされ続けてきたため、悔しくなった零治は、「次の2ヶ月後のパーティーまでに婚約者を見せつける」と決意したのだった。
零治は、社長令嬢の志乃と見合いをする。出会ったばかりで、「俺のことをどう思う?」「君は、見合い写真をイジってないようだな」「前の見合い相手と、この店のこの席で会った」などと口走る零治に、彼女は戸惑う。
連絡先を訊く零治に、彼女は「携帯電話を持っていない」と言う。「古風な女だな。次のデートの予定を…」などと考えていたが、秘書の舞子(小池栄子)に「断られました」と正直に答える。さらに、志乃が電話で「史上最低な男。あんな男、この世にいるんだね」などと話しているのを聞いてしまう。
自宅に戻った零治は、これまでの見合いが、すべて相手から断られていると舞子に聞かされる。さらに舞子は、「社長は正直過ぎます。嘘がつけない男性は、モテません。恋愛に必要なのは、正直さではなく心地よさなんです」とアドバイする。
堀まひろ(清水富美加)と美咲は、社長室に配属される。一方、零治は箱根のホテルで客離れが起きている原因が、「ステイゴールドホテルに魅力を感じるから」と明かされ、頭を悩まされる。
零治は、次の見合い相手に対して、ズバズバとした物言いをやめたが、あまりに無口で「うん、そうだね」しか言わないことで不気味がられて縁談を断られてしまう。
零治は、休日に1人でメダカを見たりキノコの写真を見て過ごしていた。月曜日、新聞で海外有名アーティストがステイゴールドホテルに泊まっていたことに気づき、零治は「どうすれば海外の連中を取り込めるんだ…」と秘書に愚痴る。
美咲は、社長室に置かれた水槽のメダカにエサをあげているのを見かける。激怒した零治は、クビを言い渡そうとするが、美咲だと分かると「クビアカトラカミキリ…」などと誤魔化す。メダカにエサをあげられるのは、零治だけと決められていた。
零治は、どうして美咲をクビにできなかったのか、と舞子に問いかける。舞子は、「彼女のことを好きなんでしょう」と指摘する。零治は、「アイツは、パーティーに連れていくのにちょうど良い。美人すぎず、見苦し過ぎもしない。ちょうど良いんだ」と言い訳をする。
美咲たちの歓迎会の話を聞き、零治は「俺も参加する。費用は俺が全額出す。無礼講だと伝えてくれ」と言う。社長に気を遣い、固くなっている社員たちの中、零治は「お前たち、歓迎されていないようだな」などと美咲に言う。だが、美咲は「歓迎されていないのは社長です。…クビにした松田さんたちを会社に戻してあげてください」と直訴する。
社員にも嫌われていることを自覚し、零治は落ち込んで早々に帰宅する。零治は、「俺のことを嫌いなら、なぜ社員は辞めないんだ?」と問いかけ、舞子は「給料が抜群に良いからです…それと、敵がいると集団は結束するものです」と言われ、さらに落ち込む。
翌日、零治は美咲を社長室に呼び出す。謝罪する美咲に、零治は「昨日は酷く酔っていて、記憶がない」と言う。さらに、メダカのエサを購入してくるように、と依頼する。モテるためのウソがつけるようになった、と舞子は零治の進歩を嬉しく思う。
美咲は、フランスにいた恋人と遠距離恋愛が上手くいかず、悩んでいた。ストレスを発散するように、美咲はジムで汗を流す。鉄アレイを落としてしまった美咲に、零治は「自分を追い込むのは、ほどほどにしておけ」と声をかけるが、彼女が泣いていたことに動揺する。
零治は、運転手の石神剋則(杉本哲太)に電話し、牛乳を購入させる。そして、美咲の前でこれ見よがしに飲むが、美咲は運動に夢中でそんな零治の姿を見ようともしない。1本を飲みきってなお、零治の姿は眼中にないようだった。
仕方なく、もう一本の牛乳を手に零治はリトライする。ようやく気づいた美咲に、「社員からの貴重な意見は、試してみるのが俺のポリシーだ」と言う。「でも、ここの自販機、牛乳売ってませんよね?」と疑問に思った美咲に、零治は「エレベーターで拾ったんだ」と下手なウソをつく。そんな零治の様子に、思わず美咲は笑ってしまう。その笑顔に、ますます零治は好意を募らせる。
翌朝、零治は社員から挨拶され、挨拶を返す。その変わりように、社員たちは驚く。一方、和田は、鮫島ホテルズの元従業員・松田が入社を希望しているということが伝えられる。
舞子は、零治に「残念なお知らせが…美咲さんには、彼氏がいるそうです。しかも、ベルギー人のガブリエル」と伝え、零治は愕然とする。
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