望月真理亜(木村佳乃)は、林の中で発見された後に保護され、病室で夫・幸平(伊藤英明)がやってくるのを待っていた。彼女が本当に誘拐され、無事に発見されたことを信じているのかどうか、自分への愛情を取り戻したのかどうか、その結果が出ようとしていた。
真理亜は、幸平が北里杏南(相武紗季)と浮気していることを知り、なおかつ自分を殺そうとしていることをLINEのやりとりで知った。その後、彼女は自宅や杏南の家に盗聴器を仕掛け、情報を集めていた。
後輩・緒方彰吾(眞島秀和)を協力者として利用し、2人の監視を行った。その中で、ついに杏南がアドキシンを幸平に手渡したことで、真理亜は自作自演の誘拐事件を実行に移した。
血液を自ら採取し、床に撒いて幸平の靴で足跡をつけた。だが、その時点で幸平の愛情をまだ信じていた真理亜は、自宅の外から幸平を見ていた。「警察には知らせるな」と書かれた脅迫状を見て、幸平は笑い出した後にすぐさま警察に通報した。その様子を見て、真理亜は何のためらいもなく計画を遂行することにしたのだった。
車庫で自ら、左手薬指の爪をペンチで剥がし、薬指から流れる血液を、幸平が疑われるようにクルマのトランクに垂らした。さらには、爪を脅迫状に入れて隣人の郵便受けに入れたのだった。
その後は、まだ自分が生きている様子をDVDに録画し、姿を見られぬよう、身を潜めていたのだった。また、警察の動きなどは、自宅の盗聴器で緒方に探らせていた。
幸平が2億円を持って球場などを訪れた際、真理亜は監視していた。2億円の入った袋をすり替えた際、ついに幸平は愛情を取り戻したのだ、と嬉しくなる。カネを手に入れた後、真理亜は林の中で倒れていたのだった。
真理亜はこのような自作自演の誘拐事件を見事遂行し、警察や幸平も騙された。幸平は、真理亜の病室を訪れ、心の底から喜んでいるようであり、真理亜も笑みを浮かべる。その後、相馬誠一郎(佐藤隆太)刑事がやってきて、まだ幸平を疑っているようだが、「アドキシンがワインから検出されなかった」と判明し、相馬刑事は悔しがる。
自宅で、真理亜の退院準備をする幸平のもとに、元義兄である探偵・横路正道(宮迫博之)がやってくる。警察の動きが筒抜けであったことから、自宅に盗聴器があると睨んだ横路は、家の中を調べ、コンセント内部から盗聴器を発見する。
退院した真理亜は、帰宅して驚く。幸平は家を飾り付け、食事の用意までしてくれていたのだった。「料理ができるまで、寝室で休んでいて」と言う優しさまで見せ、真理亜は喜びを隠し切れない。
幸平が部屋を出たのを見計らい、真理亜は盗聴器を外そうとする。だが、その様子を幸平が見ており、「お前だったのか」と、誘拐は自作自演だったと気づく。「だったらどうだって言うの?」という真理亜に、幸平は「警察に通報する」と言う。
そこで真理亜は、「アドキシン!なんで検出されなかったと思う?私がワインをすり替えたからよ」と明かす。証拠のワインボトルは、隠してあると言い、「お互い、秘密を守りましょう」と言う。
幸平は、怒りや戸惑いなど、様々な感情に襲われるが、そこで横路から「緒方彰吾が消された」との電話を受けて驚く。
緒方は、真理亜に病院で会っており、「警察が来ました。もう、限界かもしれません…一緒に逃げませんか?」と漏らしていた。
「緒方は口封じのため、消されたんじゃないか?」との言葉に、幸平は「まさか、お前が…」と真理亜がやったのではないか、と疑うが、真理亜は曖昧に笑うだけだった。