簡単なあらすじ
1) 三枝尚彦(平田満)を暴行したとして、谷繁直樹(千葉雄大)は逮捕された。谷繁は、三枝に「お前が殺したんだ!」と言って殴りかかっていたのだという。谷繁は、三枝を追いかける際に、頭を打って頭蓋内出血を起こし、結果、意識不明の重体に陥ってしまう。
2) 谷繁の弁護を担当する深山大翔(松本潤)は、三枝がなんらかの事件に関与しているのではないかと考える。調査の中で、谷繁の父親・利明は、会社の屋上から転落死していたことが判明する。自殺として処理したが、谷繁直樹は三枝が殺害したのだと考え、三枝を暴行していたのだった。
3) 谷繁利明の手帳から、三枝が会社の屋上で会っていたことを深山は突き止める。だが、三枝には確固たるアリバイがあるのだという。
4) 三枝は、同時間帯に別の事件を目撃したのだと証言していた。その事件とは、「杉並区資産家令嬢殺人事件」であり、何度となく再審請求が行われていた。そして、その事件を担当していたのは、検事時代の佐田篤弘(香川照之)だった。
起承転結:
深山大翔(松本潤)は、明石達也(片桐仁)の司法試験合格発表に付き合う。明石は、20回目の不合格を喫してしまっていた。
佐田篤弘(香川照之)は、留学先のアメリカから一時帰国してきた娘を迎えにくる。そこで、娘にボーイフレンドがいることを知って驚く。
丸川貴久(青木崇高)は、検事正・大友修一(奥田瑛二)に呼び出され、「杉並区資産家令嬢殺人事件」という再審請求のあった案件を任される。その事件は以前、大友が担当して起訴したものだった。
三枝尚彦(平田満)を暴行したとして、谷繁直樹(千葉雄大)は逮捕された。谷繁は、三枝を追い、転倒して頭部を打ってしまっていた。深山は、谷繁の弁護を担当することになる。深山は、立花彩乃(榮倉奈々)とともに接見を行う。その最中、谷繁は、見るからに体調が悪そうであり、「アイツが殺したんだ」 とつぶやき、倒れてしまう。
谷繁は、頭蓋内出血で、意識不明の重体となってしまう。深山は、目撃者に証言を聞き、谷繁が「お前が殺したんだ」と叫んでいたことを知る。さらに、防犯カメラ映像を深山は調べ、そこで実際に「お前が殺したんだ」と言っており、谷繁が事件を起こした可能性を探る。
深山は、被害者である三枝に会う。三枝は、谷繁と面識はなく、谷繁の親類や知人も知らないという。「お前が殺したんだ」という言葉にも、覚えがないという。
谷繁は人工呼吸器に繋がれて入院していた。見舞いにきていた妹に、深山は話を聞く。「実は、私たちの父親は、自殺してるんです。でも、母は『お父さんは、本当は殺されたんだ』と言っていたんです」と彼女は明かす。谷繁の父・利明は、「PM10 バー山本 12」と手帳に記していたのだという。深山は、谷繁の父親の手帳を預かる。さらに、利明の経営していた会社・朱蓮フーズについて調査を行う。
深山は、朱蓮フーズを買収した五車製粉で、利明社長が屋上から落下した日の状況を知る朱蓮フーズの元社員に話を聞く。利明社長は、子供の誕生日ケーキを買っており、元社員は「社長が自殺するわけがない」と考えていた。さらに、利明社長はタバコを吸わないが、吸いかけのタバコが屋上にあったことが判明する。
さらに、手帳にあったバー山本に話を聞きにいく。そこで、利明社長が会社の屋上で誰かと会う約束をしていたことや、担当した刑事の名刺を谷繁直樹に渡したことを聞く。さらに、朱蓮フーズが、三枝の会社である理白冷蔵が取引を行っていたことが判明する。
担当していた刑事に話を聞くと、「三枝の会社は経営難に陥っていた。そこで、谷繁社長に融資を頼んでいたが、断られていた。三枝の目撃証言や、屋上のタバコには、三枝の唾液成分も発見された」と明かす。
だが、「杉並区資産家令嬢殺人事件」が起こり、人員が割けない警察は谷繁の屋上からの落下死を自殺と判断したのだった。
深山は、「PM10 バー山本 12」の意味に気づく。深山は翌日、三枝に会う。三枝は、谷繁という名前や、朱蓮フーズという会社にも覚えがないという。「谷繁社長は、あなたと会っていた」と言うが、三枝は認めない。
そこで、深山は「12さん」と呼びかける。谷繁は、「三枝(さえぐさ)」を「さんし」と読み、「3×4=12」として手帳に記していたのだった。「あの日、谷繁社長と待ち合わせしていたのは、あなただ」と言うが、三枝は「あの日、私は屋上にいられなかったんだ」と言う。
深山は、再捜査について話をするが、三枝は「警察や検察は、再捜査などしない。あの日のことについて、私は公明正大な場所で証言したんだ」と言う。「杉並区資産家令嬢殺人事件」で、三枝の証言が決定的な証拠となっていたのだった。
三枝の証言が裁判で採用されたため、アリバイが成立してしまっていた。無関係かと思われた二つの事件が繋がろうとしていた。そして、「杉並区資産家令嬢殺人事件」を検事として担当していたのが佐田であったことが判明する。