簡単なあらすじ
1) 『蕎麦 いわし丸』の店主・根岸昇(六平直政)と妻・三佐江(千賀由紀子)は、行き詰まった経営について咲坂健人(竹野内豊)に相談する。
2) 財務に強いという赤星元(山崎育三郎)のサポート受けるが、赤星は借入金額が3億円を超えていることから、「再建は難しい。店を畳むことを提案した方が良い」と言い、咲坂と対立する。
3) 咲坂は、銀行の融資担当者に再建案をプレゼンするが、理解は得られなかった。赤星は、なおも倒産以外の道はない、と言う。だが、咲坂は「君の言葉は、弁護士バッジが話をしているようだ。根岸夫妻は納得しない」と言う。
4) 咲坂は、根岸夫妻を招いて話をする。そこで、赤星は自身の父親も事業を行っており、自転車操業で働き通しの上、倒れて亡くなってしまったのだと明かす。その身の上話に共感した根岸は、店よりも命を大事にし、思い入れの大きい1店舗目である新橋店も畳み、浅草店を残すことに同意する。
起:不可能な事業再建
咲坂健人(竹野内豊)に、『蕎麦 いわし丸』の店主・根岸昇(六平直政)と妻・三佐江(千賀由紀子)が相談にやってくる。『蕎麦 いわし丸』は、5店舗まで拡大したが、競合チェーンなどの出現で、5~6年前から経営に行き詰まり、借入金額が3億円を超えてしまったのだという。
銀行から融資は受けられないが、従業員や取引先に迷惑をかけられず、「店を畳むわけにはいかない」と根岸は涙ぐんで訴える。咲坂は、『蕎麦 いわし丸』の事業再生計画を練ることになる。
咲坂は、夏目佳恵(松雪泰子)に頼んで、財務関係に強いという、赤星元(山崎育三郎)の手を借りる。だが、赤星は『蕎麦 いわし丸』の財務表を見るなり、「借り入れ金は3億1千2百万。再建は無理です。傷が浅い内に、早い段階で清算をしたほうがいいです。回復する見込みはありません。どうやったって無理です」と断言する。
赤星の判断に対し、咲坂は「じゃあ、現場を見てから、決めようじゃないか。倒産を勧めるか、再建策を考えるか」と提案する。熱海は、赤星が咲坂にムキになって反論していることに驚く。
承:クライアントの願い
朝5時から、根岸は魚市場で仕入れを行っていた。咲坂は企業努力を認めるが、赤星は「ランチ時で満席にならなきゃダメでしょ」「誠実さだけでは経営は成り立たない」などと反論する。
反抗的な態度に、「下りたっていいんだぞ」と言うが、赤星は案件から下りようとしない。その様子を不思議に思う熱海に、赤星は「案件が案件だからな…」と意味深な言葉をつぶやく。
神宮寺一彦(國村隼)は、「まずはクライアントの要望を聞くべきだ。頭から倒産を検討すべきではない。アソシエイト弁護士からパートナー弁護士になる条件は、不可能を可能にすることだ」と赤星に言う。赤星は、神宮寺に反抗的な態度を言いつけたことに怒る。
赤星は、リストラなどの抜本的な案を提案する。咲坂は「俺をそこらの弁護士と一緒にするな。お前は、財務に詳しいかもしれないが、当たり前のことしか言っていない。一流の弁護士は、クライアントの希望を叶える弁護士だ」と言う。
転:再建案
咲坂は、東京よつば銀行に出向き、事業再建案をプレゼンする。新規顧客獲得や、店舗削減が概要だった。ところが、融資担当者はそれでは納得しない。赤星は、「銀行は、もう試合放棄しろって言ってるんですよ。倒産を根岸さんに納得させなきゃ」と言う。
だが、咲坂は「君には、根岸さんを納得させられない。さっきから君の言葉は、君ではなく、弁護士バッジが喋っているようだ」と言う。
そんな中、咲坂は根岸三佐江から「さっき、主人に『どうにもならなくなったら、俺が死ねばなんとかなる』と言われました…」という電話を受ける。
咲坂は、根岸夫妻を呼んで話す。そこで、「あの再建案は受け入れられないということでした。返済時期の延期も認められないと言われました」と告げる。
赤星は、「新橋店も畳みませんか。利益率の高い浅草店だけを残しましょう」と提案する。だが、思い入れの深い1号店を畳むことはできない、と根岸は泣き出してしまう。
結:赤星の身の上
赤星は、咲坂の「君ではなく、弁護士バッジが喋っているようだ」という言葉を思い出す。そこで、「僕の親父も店をやってたんです。サウナや色んな店を次々に広げていきました。子供の頃は分かりませんでしたが、今なら分かります。あれは儲かっていたわけではなく、利益率が低いからこそ、手を広げていったんです」と、身の上話を行う。
「完全に自転車操業になっていて、僕が大学生の時に倒れていました。死んだ父について、母は『お父さん、あんなに頑張ることはなかった。全てを諦めてしまえば』と言っていました。結局、自己破産して、僕はアルバイトをしてやっと学費を捻出しました。遊ぶこともなく、弁護士になりました」と言う。
さらに、「このままでは、あなたもウチの親父のようになる。そうはなって欲しくないんです!」と訴える。その言葉に呼応するかのように、咲坂は「これからは、他人に気を遣うことのないようにしてください。あなた自身の命と、いわし丸の看板以外」と言い、ついに根岸は、浅草の店舗だけを残すという咲坂たちの事業再建案を受け入れる。
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