簡単なあらすじ
1) 河野悦子(石原さとみ)は、『Lassy』編集長の亀井さやか(芳本美代子)から、念願の『Lassy』編集部への異動のチャンスを与えられる。「期日までに、巻頭特集の企画をプレゼンして。あなたの本気を見せてちょうだい」と言われ、悦子はやる気になる。ところが、そこで本郷大作(鹿賀丈史)に盗作疑惑が持ち上がってしまう。
2) 悦子は、本郷の濡れ衣を晴らすため、調査を開始する。結果、本郷が大学の同期のゼミ生との旅行に原稿を持っていったものが、盗まれている可能性が高いと考える。本郷は、岩崎正という同窓生が犯人であると気づき、話をしに行く。
3) 岩崎は、「小説家になる夢を叶えられなかった悔しさと、成功したお前が妬ましくて、汚点をつけるために、盗作されたなどと騒いだ」と言う。悦子はそこで、「まだ小説、書いてるんですよね?夢を諦めるべきではないです」と言う。
4) 悦子は、本郷の騒ぎで、校閲部の仕事にかかりきりになってしまい、企画を考えることができなかった。チャンスを逃してしまったのだが、悦子は諦めることはせず、校閲部で働きつつ、『Lassy』編集部の編集者として働くことを目指すのだった。
詳細なあらすじ
河野悦子(石原さとみ)は、『Lassy』編集長の亀井さやか(芳本美代子)から、念願の『Lassy』編集部への異動のチャンスを与えられる。「期日までに、巻頭特集の企画をプレゼンして。あなたの本気を見せてちょうだい」と言われ、悦子はやる気になる。
だが、そんな中、悦子は貝塚八郎(青木崇高)から折原幸人(菅田将暉)を連れてきてほしい、と頼まれる。本郷大作(鹿賀丈史)に関する緊急事態があるのだが、本郷がいないのだという。
本郷の盗作を訴える告発文が送り付けられており、告発文の送り主は「直木龍之介」なるweb小説家であるという。直木は、11月8日にweb上で発表した作品と、11月30日に発売された本郷の最新作が酷似している、と主張しているのだった。だが、本郷の原稿は10月5日に校閲部へと回されていた。
校閲部のメンバーで原稿を見比べていくと、初校、再校、念校と校閲が行われる中、再校閲と念校の間で原稿が盗まれていることが判明する。さらに、原稿がどのように持ち出されたか確認するため、防犯カメラ映像を観るのだが、そこに犯人の姿はなかった。
本郷は、元妻・折原亮子の家にいた。悦子がきっかけで、本郷と亮子はちょくちょく会うようになったのだという。
原稿が盗まれたのは、本郷の手元にあった10月27日から30日の間だと考えられた。その間に、本郷は同窓会に参加し、温泉地にいた。貝塚は、犯人探しを行おうとして、同窓生の名前・住所リストを求めるが、本郷は「皆、40年来の友人だ。断る」と言う。貝塚は、本郷が犯人の目星を既につけているのではないか、と悦子に言う。
尾田大将(田口浩正)は帰り道、元銀行員であると明かす。そして、尾田の銀行員時代の上司が、悦子の父親だった。脱サラを考えたところ、悦子の父親だけが勧めてくれたため、恩義を感じていた。そのこともあり、悦子が上京する際、「悦子を頼む」と言われて、尾田は二つ返事で了承したのだった。
本郷は、別荘から東京に向かう。貝塚、幸人、悦子は本郷を尾行する。本郷は、ゼミ仲間・岩崎正に会いに向かった。彼こそが盗作の犯人であり、「なんで分かった?」と言い、「順風満帆のお前の人生に、汚点を残してやりたかったんだ」と動機について語る。
さらに、「人生の終わりを迎えつつあり、そこで夢も叶えられなかったのに死んでいくと思ったら、お前のことを妬ましくなってな」と言う。そこで悦子は、「なんで過去形なんですか?まだ、夢を叶えられるかもしれないじゃないですか!」と言う。
本郷は、「夢はいくつあってもいい。だが、どれも叶えようとするのは虫が良すぎる。俺は、家族を犠牲にして…それを今、必死に取り戻そうとしている」と言う。だからこそ、夢を叶えるためには、諦めずに一つのことに集中して努力し続ける必要がある、と言う。その言葉は、悦子の心にも刺さり、自分も夢を叶えようと決意する。
悦子は、校閲の仕事にかかりきりとなり、『Lassy』の企画に全く手をつけられずにいた。森尾は、「私が次の企画会議で発表しようと思ってた企画、これを送って」と言い、編集長に送らせる。
悦子は、編集長に会い、プレゼンするよう言われる。「『Lassy』は、私のバイブルでした。…今回の企画は、森尾が考えたものです。他人の考えた企画で夢を叶えても意味がないんです。校閲の仕事で企画を考える時間がとれず、申し訳ございませんでした。せっかく異動のチャンスをいただいたのに、本当に申し訳ありませんでした」と頭を下げる。
編集長は、「異動?そんなつもりではなかったけど。どれくらいあなたが本気かを見るだけだったんだけどね…でも、チャンスが転がってるのに、自分で潰してしまうようではダメね。他人の手柄も自分のものにするようなところがなくてはね…もう少し、校閲で頑張りなさい」と言う。
悦子は森尾に、「あれが採用の決め手になったら、自分が許せない」と言い、不正をすることはできない、と言うのだった。
幸人は、撮影時間に大幅に遅刻してしまう。徹夜で原稿を書いていて、寝落ちしてしまったのだった。森尾は、「中途半端な気持ちなら、モデルやめて。モデルも作家も無理して頑張って、その先に何が残るの?」と言い、幸人に作家として専念するよう言う。
本郷の盗作騒動については、「愉快犯」として処理される。そのことを報告にきた貝塚に、悦子は「本郷先生のことで頭がいっぱいになって、企画のことを考えられなかった自分に、ガッカリした。なんて中途半端なんだろう」と言って落ち込む。
だが、貝塚は「お前は、目の前の仕事に全力になった。決して中途半端なんかじゃない。俺は、お前のことを全力で応援してやる」と励ます。
幸人は、本郷の家に岩崎一家がやってきてしまい、執筆に集中できない、と悦子の部屋を借りにきた。原稿を完成させた幸人の作品を、悦子は初めての読者として目にするのだった。
悦子は読み終わり、「凄い面白かった」と言うが、幸人は疲れて眠ってしまっていた。悦子は顔を近づけようとするが、幸人は目をさましてしまう。悦子の「本当に面白かった」という感想に、幸人はほっと胸をなでおろす。
悦子は、「悩んで、ここにたどり着いた幸人君は本当に凄いと思う。私は、せっかく夢に近づけるチャンス、みすみす見逃した。本当に悔しい」と本音を口にする。「幸人君のように、本当に納得できるように、それまでこの関係でいさせてほしい。ここで幸人君の胸に飛び込んだら、そのまま安心してしまうような気がするから」と言い、恋人になるのを待ってほしい、と提案する。幸人もまた、「まだ俺も書きたいことあるから…俺も頑張るだから、えっちゃんも頑張って」と言う。
茸原渚音(岸谷五朗)は、校閲部のメンバーに「作家を支える大事な仕事をしていることに、皆さんは気づいてくれました。我々は、本の間違いを見つける仕事をしていますが、メンバーに関しては、良いところを見つけ、認め合える。そんなあなたたちは、私たちの自慢です」と言う。そして、校閲部のプレートを派手に飾ったのは自分であると言うのだった。
貝塚は、是永是之の完成した本を持ってくる。その本には、ノンフィクション作を書くきっかけとなったのは、悦子との出会いであり、「いつか彼女の夢が叶うといいな、と思う。それまでエールを送り続けたい」と書かれていた。
Huluならすぐに放送済みエピソードが観られます。
前話:ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子 第9話」あらすじ・ネタバレ