簡単なあらすじ
1) 沖田一光(木村拓哉)は、壇上壮大(浅野忠信)に妻・深冬(竹内結子)の脳手術を頼まれ、壇上記念病院に残ることになった。深冬は、脳幹の深部に腫瘍があり、困難な手術になることが考えられた。
2) 森本洋造(平泉成)という、院長と親しいという和菓子職人の患者が入院してくる。井川颯太(松山ケンイチ)は、主治医になると名乗りを上げる。森本は、大動脈弓部に巨大な動脈瘤があり、カテーテル治療であるTEVAR(ステントグラフト内挿術)で手術を行う。
3) 手術は無事に終わったと思われたが、本来ならば起こり得ない、右手のしびれが生じて和菓子を作れなくなってしまう。悲観した森本は、自殺未遂を起こしてしまい、その医療過誤が大々的に報道されてしまう。
4) 沖田は、森本には鎖骨下動脈に先天的な起始異常があり、そのため、一見問題なく行われた手術により、右手への血流が乏しくなってしまったのだと指摘する。沖田は、再手術を提案するが、壮大はリスキーな手術を避け、医療ミスを示談で解決しようとしていた。院長の許可により、沖田は再手術を行う。結果、森本は右手を動かせるようになったのだった。
詳細なあらすじ
沖田一光(木村拓哉)は、壇上壮大(浅野忠信)に妻・深冬(竹内結子)の脳手術を頼まれ、壇上記念病院に残ることになった。
井川颯太(松山ケンイチ)は、沖田に「なぜ論文を書かないんですか?」と訊くが、沖田は興味なさそうだった。
深冬は、脳幹の深部に腫瘍があり、困難な手術になることが考えられた。沖田は、壮大に「どれくらいだと思う?」と言われ、「何もしなければ半年」と言う。壮大は、「深冬には、お前から話してくれないか。俺からは言えそうにない」と頼む。
森本洋造(平泉成)という、院長と親しいという和菓子職人の患者が入院してくる。VIP患者ということもあり、井川は自ら主治医となることに名乗りを挙げる。
医師のミーティングで、整形外科で医療過誤があったことが明らかになる。そして、その後、壇上記念病院で勤務することとなった沖田が紹介された。
森本は、巨大な大動脈瘤遠位・弓部に存在していた。カンファレンスで井川は、高齢ということもあり、開胸手術を避け、カテーテル治療であるTEVAR(ステントグラフト内挿術)で手術を行うと説明する。
井川は、森本に手術の説明を行い、「後遺症の恐れは?」と訊かれる。井川は、「左鎖骨下動脈の虚血により、左手にしびれが生じることがある」と説明する。「右手の後遺症は?」と訊かれ、森本は「医学的にはありえません」と言う。
沖田は、夜に森本が起きていたため、病室を訪れる。森本は、「なんで寿司屋のせがれが医者なんかやってるんだ」と言い、沖田は退散する。
遠位弓部大動脈瘤に対するTEVARが開始される。沖田は途中まで井川の手術を見ており、「カテーテルが曲がっている」と指摘していた。そんな中、深冬に呼ばれて、別室へと向かう。そのまま、深冬の助手として手術の前立ちを行う。
手術は無事に終了し、深冬は沖田に感謝する。その後、経営のためには小児科をなくした方がいいと言われていることについて触れ、深冬は「沖田先生がいてくれれば、小児外科も看板にできる」と言う。その様子を、壮大はこっそりと見ていた。深冬の去り際、沖田は「あんまり頑張り過ぎないように」と言う。
術後、森本は仕事に戻ると、右手に痛みが生じていた。井川は、「手術とは関係ありません。出るとすれば、左手です」と説明する。筋電図などの検査を行ったが、原因ははっきりとしなかった。
話を聞いていた沖田は、「検査データや、手術ビデオを見せて欲しい」と言う。反発する井川に、「右手の痛みは消えてない」と言う。井川は、「心因性です」と言い、さらには「いつまでクレーマーの相手をするんですか」と言う。そんな井川に、沖田は「医者、失格だな」と言う。
カンファレンスで、沖田は井川に森本の子供の頃の既往歴を訊く。だが、井川は「もう、診察に来ていないんです。今頃、元気に和菓子作ってますよ」と言う。そんな中、森本が安定剤を大量に服用して救急搬送してくる。
森本の息子は、「親父が自殺したんだ。お前を訴えてやる!」と井川に詰め寄る。森本は、一命を取り留めた。壮大は、「これは院長の責任だ!」と言い、院長に責任を押し付けて辞任させようと考える。
沖田は、森本の胸部CT検査をオーダする。そこで、原因が判明するのだった。一方、森本の一大事を聞いた壇上院長は、すぐに駆けつけようとするが、壮大に「病院としての責任問題になる」と、謝罪することを押しとどめる。
沖田は、サジタール(矢状断面)画像を撮影し、血管の起始異常を発見する。その先天異常により、一見、問題なく見えていた手術により左鎖骨下動脈が遮断されてしまい、右手のしびれが生じていたのだった。沖田は、井川のミスであると指摘し、羽村圭吾(及川光博)部長に「手術をします」と言うが、「それでは医療過誤を認めることになる」と反対される。
森本の自殺未遂は、ネットニュース記事になっていた。壮大は、「今、この件をなんとかすることに集中している」と深冬に説明する。ミスが公となり、井川の評判は失墜する。
壮大は、森本の息子と話し合いを行い、「1億円で和解していただけないでしょうか」と提案する。
沖田は、森本に「手術をすれば治ります。必ず治しますから」と言う。森本は疑うが、沖田は「準備は全てできてます」と言い、手術の説明を図解しつつ懇切丁寧に行う。森本は、「助けてくれ」と言い、手術に同意する。
壮大は、院長に「この病院に、最善の方法をとってください」と、辞任を突きつける。そんな中、沖田が手術を行おうとしていると聞きつけ、壮大は「副院長として、このオペは却下だ」と言う。だが、沖田は「俺の大丈夫には根拠がある。俺には切れる。森本さんにとって、右手は命なんだ。絶対に救う」と言う。
壮大は、なおも却下するが、院長により手術は許可される。沖田は、再手術を行い、無事に右手が動くようになったのだった。
井川は、沖田に「すみませんでした。命さえ救えば、それで救った気になってました…でも、俺、沖田先生超えますから」と言う。
院長は、壮大を誘って「快気祝い」を行うこととなった。そこに、沖田が呼ばれていた。院長は、「沖田先生には、何かを考えなきゃいけないね…外科部長か。それとも、院長か?」と言う。