一ノ瀬浩一(草彅剛)は、心臓発作を起こした二科興三(市村正親)に、心臓マッサージを行う。「生きてもっと苦しめ!」と叫び、浩一は蘇生措置を施して興三は一命を取り留める。
隆(藤木直人)は、浩一に「父に何をした!」と掴みかかるが、晃(安田顕)は「命の恩人」と浩一のことを考え、そんな隆に「彼に謝れ」と言う。楓(山本美月)も「医者並みに的確な処置だった」と言う。
隆は、興三の手下である六車了二に会い、「監視だけをしてください。手を出さないように」と指示する。だが、六車は「俺に命令できるのは、会長だけだ」と言う。
浩一は、晃に狙いを定め、復讐を果たそうと考える。だが、そんな浩一に六車は監視を続ける。
晃は、工場の改修のため、2千万円を出して欲しい、と隆に掛け合う。隆は、「カネは出す。だが、施工業者などとのやりとり、一ノ瀬とのやりとりなど、全部記録を残して欲しい」と条件を出す。隆は、晃の去った後、「とうとう仕掛けてきたか」とつぶやく。
浩一は、晃に六車の名前を出す。晃は、「暴力団とのトラブルで、六車さんに助けてもらった…俺が学生の頃から、親父の下で働いてたんだって」と明かす。
楓は、父の病室で、兄弟、楓自身と父との間を取り持ってくれたことを、浩一に感謝する。そんな中、興三は意識を取り戻す。興三は、挿管されていて言葉を発することができないが、浩一が自分に復讐を果たそうとしていることを思い出し、一気に心拍数が上がる。
隆は、病室にいた浩一を追い出す。そして、楓に「次は晃兄さんだ。晃兄さんに災難がふりかかる」と言う。
晃は、施工業者にメールを送る。だが、そのメール送信先は、浩一の用意したメールアドレスだった。そして、晃は四方田建設ではなく、浩一の口座に振り込んでしまう。
晃は、四方田建設との打ち合わせの場に、隆を呼ぶ。だが、四方田建設と称して電話をしたのは百田ユウジ(マギー)だった。四方田建設の社員は「別の口座に入金されたのではないですか?その支店にウチの口座はありません」と言い、晃は慌てる。しかも、口座から2千万円はすでに全額引き出されていた。
隆は、「2千万円、騙しとられた。どっかの詐欺師に」と言う。さらに、晃に対し、「クビだ。二科コーポレーションに損害を与えた責任で、二科カテーテルの社長は降りてもらう。本社の役員も解任だ」と言う。
詰め寄る晃に、隆は「2人で話をしたい」と言う。「たった2千万だろ」と言う晃に、隆は「まったく分かってない。親父の体調が悪くなったのは、経営悪化のためだ。手術ロボットが最後の頼みだ」と言う。二科コーポレーションは、利益水増し、粉飾決算が常態的に行われているのだった。
隆は、「本当は経営なんかしたくない。開発だけしていたかった」と本音を明かす。晃は「悪かったな」と言い、二科カテーテルを去る。「今日から無職だよ…ついてない。本当についてない。昔からトラブルに巻き込まれたり。俺は悪くないのに」と言う。
浩一は、「そうですね。晃さんは、今日、ついてなかっただけだ。…そばにいながら、こんな詐欺も防げなかった。経営コンサル失格です。もうあなたの力にはなれない」と言って、晃のもとを去ろうとする。「君にまで捨てられたら…」と情けなく言う晃に、浩一は小声で「…地獄へ落ちろ」とつぶやく。
自暴自棄となった晃の前に、十倉ハルカ(水原希子)が現れる。晃は、「会社をクビになった。まさか、ウチの会社が粉飾決算するほど苦しかったなんて…」と泣きながら愚痴る。ハルカは、晃を慰め、仕事、家族の話を聞き出す。
楓は、晃が詐欺にあったことを知り、「浩一さん…何か知ってる?私、本当のことが知りたい。隠してることがあるなら、話して。何もかも」と言う。浩一は、「隠してることなんて何もないよ。楓に隠し事なんて、何一つしてないよ」と言う。
隆は、晃、そして自分自身のPCにウィルスに感染し、監視されていたことに気づく。そして、その感染源が浩一の用意した資料の入ったUSBであると突き止める。隆は、浩一の詐欺を立件するまでの間、晃をクビにしたままにする、と言う。
浩一は、六車こそが家族を皆殺しにした実行犯ではないか、と考える。浩一は、盗聴器が仕掛けられていることを見越した上で、事務所にトラップを仕掛ける。麻酔により眠らせ、30年前のことを聞き出そうと浩一は考えていた。
ハルカは、六車に危険を感じ、浩一に「もう十分でしょ…戻ろうよ、タイに」と提案する。だが、浩一は「危ないな…ハルカは戻った方がいい」と言うが、ハルカは「1人じゃ意味がない。好きだから、浩一のことが」と泣きながら言う。
そんな中、六車が事務所に現れる。防犯カメラで監視する浩一は、六車の顔を確認するのだった。
フジテレビオンデマンドならすぐに放送済みエピソードが観られます。
前話:「嘘の戦争 第6話」あらすじ・ネタバレ