簡単なあらすじ
1) 千葉陽一(草なぎ剛)は、9歳の時に何者かに父親、母親、弟を殺害された。父親は殺害されたのだと主張したが、刑事たちは「父親が一家心中をしようとしていたんだ」と断定し、そう思うように陽一へ繰り返し言うのだった。
2) 誰にも信じてもらえず、陽一は嘘をつくことを選ぶより他はなかった。結果、陽一は「嘘だらけの世界なら、俺は騙す側に回ってやる」と思い、詐欺師になることを選んだのだった。そんな陽一は、タイで父親を殺害し、自分も刺した男・五十嵐久司(甲本雅弘)と再会する。
3) 陽一は日本に戻り、五十嵐の弱みを掴み、過去の罪を認めさせる。さらに、陽一は「一ノ瀬浩一」と名乗り、五十嵐に父の殺害を命じた二科興三(市村正親)に近づこうとする。浩一は、父殺害を命じた理由を話させ、さらには「俺が見た地獄を見せてやる」と誓う。
4) 興三の誕生パーティーで、浩一は興三に初めて出会う。そこに、「興三に全ての罪を着せられ、切られる」と思い込んだ五十嵐が現れ、興三をナイフで刺そうとする。そこで、浩一は身を挺してそのナイフを腹部で受け止める。興三は、「あの男は、私を守ろうとしたのか…」と驚く。
詳細なあらすじ
一ノ瀬浩一(草なぎ剛)は、二科興三(市村正親)に近づき、名刺を渡す。二科晃(安田顕)に紹介され、「経営コンサルタント」であると言う。そんな中、ナイフを持った男がおもむろに興三へと近づく。すると、浩一は身を挺して守るのだった。
その1ヶ月前、浩一はタイ・バンコクにいた。三枝晴男という男をゴーゴーバーに案内し、「今日からここがあなたの店です」と言う。三枝は、その店に投資することを決める。だが、そこに警察が乗り込んでくる。
浩一は、三枝を連れ出す。「あなたを刑務所に入れるわけにはいかない…入金の記録を消す」と言う。浩一が取り押さえられる中、三枝は「カネなんかどうでもいい」と言い、逃げ出す。
十倉ハルカ(水原希子)は、三枝に「詐欺かもしれません。最近、日本人がタイで日本人をカモにする日日詐欺が増えています」と言う。三枝は、浩一のことを信用しており、「彼はそんな人ではない」と言う。
ハルカと浩一はグルであった。警察もニセモノであり、浩一は彼らにギャラを支払う。仕事を成功させた後、浩一は再びカモを探しに行く。
浩一は、幼い頃に父親が殺害された現場を目撃していた。そして、自身もまた左胸を刺され、傷を負っていた。
浩一はホテルのラウンジで、父親を殺害し、自分を刺した男と同じ傷跡を左腕にもつ男に出会う。そのことをきっかけに、浩一は日本へと帰ることを決意する。浩一は、「借りを返すよ。30年分の利息をつけて。アイツらにも地獄を見せてやる」とハルカに言う。
バー「800」のオーナー・百田ユウジ(マギー)のもとを、浩一は訪れる。浩一は、百田に「身元を洗いたい人間がいる」と言う。百田は、甥・八尋カズキ(菊池風磨)にタイで会った男の身元を調べさせる。
男は、慶明大学医学部附属病院に勤務する外科准教授・五十嵐久司(甲本雅弘)だった。五十嵐は、次期教授候補なのだという。浩一は、五十嵐のオフィスに侵入し、PCにウィルスを仕込み、盗聴器を仕掛ける。
浩一は、児童養護施設で育った。その施設長・三瓶守(大杉漣)に、浩一は会いに行く。浩一は、三瓶に恩義を感じており、「ありがとうございました」と礼を言う。一方、三瓶は浩一の父親を救えなかったことを後悔していた。
五十嵐の自宅に、FAXが届く。そこには、「五十嵐准教授、タイで未成年の少女を買春」と書かれていた。五十嵐は、「教授選が近いから、嫌がらせを受けているんだ」と言う。その後、五十嵐の前に浩一が現れる。そして、「30年前、父親を殺された少年のことを覚えてますか?」と言う。
「なんで、父は殺されたんです?なんで、母も弟も…弟はまだ5歳だったんだぞ」と言う。五十嵐は、「君…まだそんな嘘を。君はつらすぎる現実を前に、嘘をつくようになった。お父さんは、一家心中をしたんだ。真犯人なんか存在しない」と言う。
浩一は、「30年経っても、まだそんな嘘を…俺は今もはっきり覚えてる。俺を掴むあんたの腕の感触も、そのあざも…あんたらの嘘、必ず暴いてやるよ」と宣言する。
五十嵐は、一家殺害を命じた男「仁科」に電話をかける。その様子を、盗聴器で浩一は聞いていた。
五十嵐は、闇金からカネを借りていた。夫婦そろって株で大損していたのだという。さらに、五十嵐は月に一度、タイに買春ツアーに行っていたことが、PCのデータで明らかになる。
浩一は、カズキに仁科のことを調べさせる。さらに、慶明大病院の院内新聞で、二科興三(市村正親)の名前を見つける。医療機器を扱う大企業・仁科コーポレーションが、家族殺害に関与していることを考える。
浩一は、ハルカをタイから呼び出す。そして、二科興三に近づくよう言う。ハルカは情報を収集し、興三、長男・次男に近づくのは困難だが、長女の二科楓(山本美月)ならば会うことができるのではないか、と言う。
浩一は、自転車に当て逃げされた、と嘘をついてハルカに近づく。浩一は、名刺を渡して「近々、お礼に伺います」と言う。
浩一は、本名である千葉陽一でブログを開設。オーストラリアで暮らしているとそこに書いていた。そのため、興三の秘書・七尾伸二(姜暢雄)は、五十嵐に対して「昔のネタで強請ろうというのですか」などと言う。
浩一は、五十嵐がタイの買春で撮った写真を五十嵐のオフィスに多数貼った。その上で、「とりあえず、会って話しましょうか」と言う。
浩一は、「あなたのPC、ハッキングされてますよ。業者からの不正入金の記録、未成年を買っている証拠がある」と言う。その上で、「罪を認めろ。そして、俺の家族に謝れ」という。五十嵐は、仁科興三が「借金をチャラにしてくれるということで、殺した」と認める。家族を殺害した理由については、「君のお父さんが、気づいてはいけないことに気づいてしまったんだ」と言う。
本来なら、父親一人殺害する予定だったが、家族が旅行から早く帰ってきてしまったため、皆殺しにする必要があった、と五十嵐は語る。その上で、土下座して謝罪するが、浩一は「もう遅いよ。業者からの不正入金の記録、病院と税務署に送った」と言う。
「俺は、繰り返し、繰り返し嘘をつくよう言われた。家族を刺したのが父だと、嘘をつかなければ、病院を出ることすらできなかった」と言う。「どうせ嘘ばかりの世界なら、騙す側に回ってやろうと思った。騙して、騙して、徹底的に騙し抜く」と言う。
「お前は、教授にはなれない。それどころか、病院をクビになる…必ず聞き出す。仁科から殺した理由を聞き出す。そして、俺が味わった地獄を、お前らに見せてやる」と言い、五十嵐のもとから立ち去る。
仁科の長男・顕は、子会社社長に左遷されていた。隆は、「余裕がない今、肉親でも取り立てることはできない」と言う。そのことを知った浩一は、顕に近づくことはできないか、と考える。
浩一は、SNSで情報収集し、大学の後輩を装って顕に近づく。カテーテルを扱う子会社にいる顕に、浩一は「新規メーカーでも、東南アジアなら入り込める余地がある」と、力になると言う。
まず、浩一は200万円の利益を上げさせ、顕に信用させる。浩一は、カズキに「大事なのは、リアリティとユーティリティ。現実味があると思わせ、役に立つ人間だと思わせるんだ」と言う。
浩一は、顕に興三と会う手はずを整えさせる。だが、そこにいたのは興三ではなく隆だった。隆は、浩一のことを疑っていた。そして、「兄に近づくのは、やめていただけませんか。世間知らずで、すぐ調子に乗る」と言う。
さらに、ハーバード大卒であるという浩一の経歴を調べると言う。実際、その名前はあった。浩一は、その名前を卒業アルバムで見ており、その名前を名乗っていたのだった。顕は、誕生パーティーで父親に会わせると言う。
浩一は、再び楓に近づく。そこで、「願い事が叶う、ゾウの尻尾の毛が入ったリング」を渡す。
五十嵐は、酒浸りとなり、死を考える。そこで、ハルカが弁護士と偽って近づく。「あなたは、大きな力に飲み込まれただけ」などと言い、信用させる。そして「直接会って、頼んでみてはどうですか?」と言う。
浩一は興三の誕生パーティーで、隆に追い出されそうになる。だが、そこで楓が浩一のことを引き止める。隆は、「いつかお前の嘘を暴く」と耳打ちして立ち去る。
浩一は、顕に呼ばれて興三に引き合わせてもらう。一方、ハルカは五十嵐に「あの人(興三)、全ての罪をあなたに着せようとしている。なんとかしないと、このままでは破滅する」と吹き込む。五十嵐は、近くにあったフルーツナイフを手に取り、「悪魔をこの世から消し去る…」とつぶやく。
浩一が興三と話をする中、五十嵐が近づく。ナイフを持つ五十嵐の前に、浩一が立ちはだかり、ナイフを腹部で受け止める。浩一は、そのままプールに落ちる。水中の浩一は、「俺が見た地獄を…俺の嘘でお前らに地獄を見せてやる」と言う。
救命救急医であるハルカが動き、引き上げられた浩一の処置を行う。一方、興三は「あの男は、私を庇ったのか」とつぶやく。一方、薄っすらと笑みを浮かべる浩一を見た隆は、「なぜ笑うんだ」と疑問に思う。
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