簡単なあらすじ
1) 2017年1月、シングルマザーの七草ゆず子(小雪)は、勤務していた人材派遣会社DOH(ディメンションズ・オブ・ヒューマニティ)が倒産してしまう。さらには、洗濯機が壊れてしまい、アパートを浸水させてしまい、結果、貯金も底をつく。
2) そんな中、同級生の柿原新一(伊藤淳史)が声をかける。ゆず子は、柿原のことを全く覚えていなかったが、柿原はゆず子に憧れており、初恋相手であった。ゆず子の力になろうとするが、ゆず子は子供や自分の生活を成り立たせるだけで手いっぱいの状態で、柿原の声は耳に届かなかった。
3) 柿原は、DOHの倒産に、何か裏があると考えていた。ゆず子の元同僚・加瀬春木(成田凌)から、会計帳簿などのデータを買い取り、柿原は「何者かが、会社のカネ30億円を不正にプールしている」と指摘する。そのカネを奪い返せば、ゆず子の社内預金312万円が戻ってくる、と柿原は言う。
4) ゆず子は、経理部の野村梨沙(仲里依紗)から、「不正送金の証拠となるファイルを渡したい」と言われる。だが、野村は駅のホームで何者かに背中を押され、「ファイルは渡せません。忘れてください」とメールをゆず子に送る。ファイルは、経理部長の浅岡礼司(滝藤賢一)が奪い去った。
詳細なあらすじ
2017年元日、シングルマザーの七草ゆず子(小雪)は、長男・翔太(今井暖大)、長女・実結(野澤しおり)と、近所の神社に初詣に行く。おみくじも大吉で、「今年はいいことありそう」と思う。
高校の同窓会への出席ハガキをポストに投函し、アパートに帰る。すると、自宅から大量の水が溢れ出て、階下の住人の部屋まで浸水してしまったことを気づき、呆然とする。翔太の靴下が洗濯機の下にもぐりこんでおり、排水口を塞いでしまっていたのだった。保険による補償だけでは足りず、貯金は底をついてしまう。
さらには、勤務していた会社・人材派遣会社DOH(ディメンションズ・オブ・ヒューマニティ)が倒産してしまう。子供もおり、残業などもできないため、なかなか再就職もできない。
同窓会に参加し、就職を斡旋してもらえないか、と相談するが、それも上手くいかなかった。一方、その同窓会に、大手弁護士事務所の代表・柿原新一(伊藤淳史)がいた。柿原は、ゆず子に高校時代から憧れを抱いていた。ところが、声をかけようとするも、無視されてしまった。
柿原は、DOHの倒産について調べ始める。DOHは、情報漏洩により顧客に賠償金250億円を支払うよう迫られ、資金繰りが悪化。結果、倒産してしまったのだった。
代表取締役社長・天満利章(奥田瑛二)は、社員たちに倒産についての説明を行う。そこで、社内預金も支払うことができないと言い、謝罪する。ゆず子は、毎月2万ずつ貯めていた社内預金合計312万が、返ってこないことに愕然とする。
全財産は3千円。しかも、無職となってしまっており、ゆず子はどう生活していけばいいか、と途方にくれる。
柿原は、ゆず子に「弁護士事務所として、相談に乗ることができるかもしれません」と言うが、ゆず子は詐欺かと思って怪しむ。
柿原は、ゆず子をレストランに誘って相談を受けると言う。だが、そこに翔太たちもおり、柿原は回りくどい話をするのを諦める。同級生であることを柿原は打ち明ける。だが、ゆず子は柿原のことを全く覚えてなかった。
柿原は、ゆず子に「憧れていた」と意を決して言おうとするが、彼女は聞いていなかった。誤ってシャンパンを飲んでしまったゆず子は、「弁護士ってなんであんなに儲かるの?悪いことしてるんでしょ…ゴージャスなあの事務所、見せてよ」と言う。
ゆず子は、「柿原君のこと、全然覚えてない」と言って帰る。その後も、柿原はゆず子のことを食事にしつこく誘う。一方、元同僚の加瀬春木(成田凌)が、顧客名簿データを盗み出そうとしていた。元経理部長・浅岡礼司(滝藤賢一)に疑われ、加瀬はゆず子を使って逃げ出す。
ゆず子は、柿原から逃れるため、加瀬春木(成田凌)のことを「彼氏です」と紹介し、「お付き合いすることはできません」と言う。そこで柿原は、「いやだなぁ。勘違いしないでよ。君に話をしてるのは、ビジネスのニオイがしたからだよ。君の会社の破産申請には、裏がある」と言う。
柿原は、「この破産には、疑問点が多い。まず、250億もの賠償金を一括で精算するのはおかしい。本来なら、分割するんだ」と言う。情報を集めたい、と柿原は言うが、ゆず子は「私は、子供たちにまともに生活にさせる必要があるの。私みたいな末端の人間が、どうこうできる問題じゃない」と言う。
柿原は、「誰が君を、末端の人間って決めつけたの?まっとうな生活を送るための、仕事が奪われたんだよ。…子供たちを守るべき立場にありながら、君は愚か過ぎる」と言い、ゆず子は怒ってその場を立ち去る。
子供たちに、食事を満足に食べさせることもできず、ゆず子は自己嫌悪に陥る。その時、柿原の言葉が脳裏をよぎった。
翔太は、「サッカーをやめる」と言い出す。自分の洗濯物が原因で、洗濯機を故障させてしまい、大きな迷惑をかけてしまったことを、翔太は後悔していた。子供たちを心配させまい、とゆず子は真剣になって仕事を探し始める。ゆず子は、弁当屋でバイトを始める。
一方、柿原は加瀬からDOHの15年分の会計帳簿や社員データなどを買い取り、膨大な書類に目を通す。そこで、テナント料が相場より高く計上されており、何者かがその差額30億円を不正にプールしている可能性がある、と指摘する。
柿原は、バイト中のゆず子に電話し、「元経理の君にしか、証拠を集めることができない」と言う。ゆず子は、バイトで行けないと言うが、柿原は秘書を代わりにバイトさせ、ゆず子を会社へと向かわせる。
鍵のかかった書棚に、「Bファイル」がなくなっているとゆず子は気づく。関係者にあたったものの、全員、そのファイルのことを知らないという。
ゆず子は、約束したサッカーシューズを用意できずに、翔太は落胆する。だが、柿原がそのシューズを用意しており、ゆず子は感謝する。
経理部の野村梨沙(仲里依紗)は、ゆず子に電話をかける。野村が、Bファイルを持っているのだという。「どうしたらいいのか…」と悩む野村に、ゆず子は「私ね、子供がいるの。子供たちを守るために、戦うって決めたの。何かを知っているのなら、教えて欲しいの」と言う。
野村は、「私は、不正なお金を送金していた可能性があります。あなたに、このファイルを預けます」と言う。ゆず子は、野村のいる南大森駅へと向かう。そこで、野村は何者かに背中を押される。
野村は無事であったが、何者かがBファイルを奪い去る。ゆず子には、野村から「あなたにはファイルは渡せません。忘れてください」というメールが届く。ファイルを奪ったのは、元経理部長・浅岡礼司(滝藤賢一)だった。
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