「息づまる食卓」(世にも奇妙な物語 第9話)あらすじ・ネタバレ

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母がベランダから転落死し、1週間経った。文也は、台所に立って夕食を用意するの父(益岡徹)の姿を、「母さんが死んでから別人のように見える」と思って見ていた。

会計士の父は元々、神経質ではあったが、母が亡くなる前から苛立つことが多かった。父が母に強く当たり、争う様子も文也は見ており、「僕は父さんが怖い」と密かに思っていた。

父は文也を呼び、一緒に夕食を摂る。「箸をちゃんと持ちなさい」「まずは味噌汁から」「食べる順番をしっかり覚えなさい」など、マナーに厳しい父親との食事は、文也にとって気詰まりだった。

父は、「お母さんが死んだ夜のことだが…お前は男の子だ。あんまりグズグズ考えるんじゃない」などと言う。庭には野良猫が入り込んでおり、鳴き声に父は「うるさいなぁ…」とつぶやく。

文也は、運動会の記録係になったことを父親に告げる。「計算が得意だからって。お父さんのお仕事と同じみたいだね」などと文也は何気なく言うのだが、父は「お父さんの仕事は、会計士だ。全く違う」と苛立ち始める。

「父さんの会社はな、色んな会社の大切な計算を任されてるんだ。一つのミスも許されない。神経を使う。だから、文也も父さんをあまり苛立たせるんじゃない」と言う。

文也は、サラダへ大量に塩を振る父に、「塩、かけ過ぎじゃない?血圧が高くなっちゃうって、お母さんも言ってたでしょ」と言う。

そんな中、祖父から電話がかかってくる。祖父の家を訪れていたという文也に、父親は「おじいちゃんに、何を話したんだ?」などと訊ねる。

夕食の味が薄い、と文也が言うと、父親はガラステーブルに直接、トマトケチャップを出し始める。その様子に、母が流していた血液を思い出した文也は、「母さんは、父さんが殺したんだ」と思う。

文也は、グラスをテーブルに置き、強く音を立ててしまう。そのことに苛立った父親は、「さっきも言っただろ!お父さんは、数字、数字、数字、数字…数字ばっかり睨んでるんだ。苛立せるんじゃない!…お前は、母親そっくりだな。ガサツで、俺をイライラさせる!」と言う。

文也は、「お母さんは、二階に干してある洗濯物を取り込もうとして、落ちてしまったんだよね?」と父親に訊ねる。すると、父親は「一緒に行こう。…お前の猫だろ?静かにさせるんだよ」と言い、ベランダにいる猫を静かにさせにいこう、と文也を二階へと連れていく。

直後、「お父さん、やめて!」という声が響く。文也は、祖父に電話をかける。「おじいちゃん、あのね…事故が起きたんだ。父さんが母さんと同じように、ベランダから落ちちゃったんだ」と言う。

1990年5月17日放送 脚本:小野沢美暁

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