簡単なあらすじ
1) 1954年、レイ・クロック(マイケル・キートン)は、自作のミルクシェーキ用ミキサーを販売していたが、思うように売り上げは上がらなかった。そんな中、大量のミキサーを発注したことから、マクドナルド兄弟であるディック(ニック・オファーマン)とマック(ジョン・キャロル・リンチ)の店にレイは注目する。
2) ハンバーガーを注文してから、出てくるまでに20分以上かかっていた時代、マクドナルド兄弟の店は、数十秒で注文した商品が受け取れるのだった。しかも、使い捨てできる包装紙を用いているため、どこでも食べることができた。レイは、マクドナルド兄弟の店をフランチャイズ化することを提案し、2人を説得するのだった。
3) 資産家ではなく、労働者階級の人々にフランチャイズ店を経営させ、さらには店舗開設のため、積極的に不動産業に関わらせるようにした結果、多くの投資家たちが集まり、出資するようになっていった。だが、このような経営方針の変更は、マクドナルド兄弟との間に、軋轢を生じさせた。
4) マックが糖尿病を悪化させて入院したことをきっかけに、レイはマクドナルド兄弟に経営権を譲り渡すよう迫る。結果、「兄弟にそれぞれ270万ドルを渡し、さらには利益の1%を渡す」という契約で、マクドナルド兄弟は経営から退く。
5) マックたちは、最初に経営していた店を続けていたが、マクドナルドの人気に押され、閉店に追い込まれた。さらには、「利益の1%を渡す」という契約も無視し、それぞれ兄弟に1%の利益が支払われていれば、年間2億ドルにもおよぶ。
詳細なあらすじ
1954年、レイ・クロック(マイケル・キートン)は、自作のミルクシェーキ用ミキサーを販売していたが、思うように売り上げは上がらなかった。
そんな中、サンバーナーディーノのドライブインから、8つものミキサーの発注が舞い込む。彼らは「6つ」のミキサーを注文していたが、「それは間違いで、8つだった」と、さらに数を増やしたのだった。
興味を持った例は、そのレストランを訪れる。その店は、マクドナルド兄弟であるディック(ニック・オファーマン)とマック(ジョン・キャロル・リンチ)が経営していた。ハンバーガー一つ注文しただけでも、20分以上かかった時代にも関わらず、たった数十秒でハンバーガー、ポテト、ソーダが出てくることにレイは驚く。
マクドナルド兄弟は、迅速に注文された商品を用意するシステムを生み出しており、さらには「テイクアウト」できるよう、使い捨ての包装紙で商品を用意していたのだった。
レイは、マクドナルド兄弟に話を聞く。兄弟は、ハリウッドで映画館を開いたが、不景気のために売り上げが落ちた。そこで彼らは、ホットドッグやハンバーガー、オレンジジュースなどを売る食べ物やを開くようになり、さらには徹底的に合理化したハンバーガー屋を経営するようになった、と明かす。
レイは、マクドナルド兄弟にレストランをフランチャイズ化することを提案する。だが、兄弟はすでに挑戦しており、失敗していた。レイは説得を続け、兄弟の目の届く範囲である、イリノイ州でフランチャイズ店を開くことを条件に、契約にこぎつける。
レイはまず資金を集める必要があったが、銀行は資金を貸す代わりに、家を抵当に入れることを求める。レイは、マクドナルド兄弟に「経営方針を変えるなら、必ず自分たちに許可をとる」と約束してしまったため、レストラン建設などについても、承認を得る必要があった。
レイは、カントリークラブなどで資産家にフランチャイズ店経営を持ち掛けるが、彼らは大量に売れ残りを出し、廃棄していた。そこで、レイは労働者階級の人々にフランチャイズ店の経営を持ち掛けることにしたのだった。
レイは、利益の1.4%を得るだけであったため、収入は低いままだった。そこで、マクドナルド兄弟に5%の利益を受け取れるようにしてほしい、と提案する。だが、マクドナルド兄弟は0.5%の利益しか受け取っていなかった。ディックは、強欲なレイについて、「ニワトリ小屋にオオカミを入れてしまった」などと言う。
レイは、借金がかさみ、さらにはローンの支払いが遅れ始めていた。ミルクシェーキ用のアイスクリームを仕入れ・冷蔵しておくコストもかさみ、レイは「粉ミルクを使用してはどうか」とマクドナルド兄弟に提案するが、「味を損なう」と拒否されてしまった。自宅が差し押さえられそうになっている頃、有名な財務コンサルタントである、ハリー・J・ソネンボーン(B・J・ノヴァク)と知り合い、協力してくれることになった。
ハリーは、レイにフランチャイズオペレーターを介してフランチャイズ店を建設していることについて、「もっと不動産事業に携わるべきだと」指摘する。レイは、新店舗開設のため、土地を購入するたびに支払いに追われていたのだった。そこで、レイは新会社である金融・不動産会社を介入させ、新たな投資家たちが集まった。
この方針転換にマクドナルド兄弟は反発する。さらにレイは、ミルクシェーキ作りに、粉ミルクを使用するようになるのだった。マックは激怒し、レイに「契約違反だ」と責めるが、レイは「契約は破るためにあるもんだ」などと意に介さない。
レイは、妻・エセルに離婚を申し出る。彼は、家、車、保険などを妻に譲渡するが、マクドナルド株は渡さなかった。ディックは、簡素な手紙でマクドナルドコーポレーションが上場し、「レイ・クロック」が社長として登録されていると知る。
マックとディックは、レイを会社から追い出したいと考える。だが、レイは「訴訟費用もないだろう」と高を括っていた。さらには、マックは糖尿病を悪化させて倒れ、病院に入院していた。そこでレイは入院しているマックに会い、白紙の小切手を渡し、「会社を買おう」と言う。そこで、マクドナルド兄弟は裁判で勝つことはできず、決して社外に追い出すことはできない、と悟るのだった。
ハリーが電話で交渉し、兄弟はそれぞれ270万ドル、そして会社の利益の1%を求めた。そして、サンバーナーディーノ店の経営は続けたい、と言うのだった。レイはそれを認めてやりたいと考えるが、ハリーは「弁護士は交渉不可能だと言っている」と言う。
マックは、レイに「どうして初めて会った日、アイデアを盗んで自分でレストラン経営をしなかったんだ?」と訊ねる。レイは、「それならば失敗していただろう。システムではなく、名前が成功に導いたんだ。『クロック』なんていうレストランでは食事をしない。『マクドナルド』という名前だからこそ、成功したんだ」と語る。
マクドナルド兄弟は、レストランの名前を変更せざるをえなかった。なぜならば、知的財産権を侵害することになってしまったからだ。そのレストランは、「THE Big M」と呼ばれた。通りを挟んで、新たなマクドナルドが開店した。
そこにレイはいた。レポーターが、「100店目の店で、話を訊かせてもらえませんか?」と訊ね、レイは名刺を渡す。そこには、「マクドナルド創設者」と書かれていた。
サンバーナーディーノのマクドナルドは、とても人気があり、マクドナルド兄弟の店は、閉店に追い込まれた。レイは契約を破棄し、マクドナルド兄弟は約束の利益の1%を支払うことはなかった。それぞれ兄弟に1%の利益が支払われていれば、年間2億ドルにもおよぶ。