長田遥子(吉田羊)は、夫と別居しており、実家に息子を連れて帰っていた。そんな中、息子の尚之(髙橋來)が行方不明になってしまう。警察に通報し、担当した刑事は「しらず森か…」とつぶやく。
3時間前、尚之と一緒に遥子は同窓会に参加していた。そこで遥子は、夫・昭彦(長谷川朝晴)が仕事ばかりで家庭を顧みないことに嫌気がさしていたと話す。
遥子たちは、30年前に埋めたタイムカプセルを掘り起こす。その帰り道、遥子は尚之を連れて神社を訪れる。そこには不審な男がいた。遥子は、嫌がる尚之を「不知ノ森(しらずもり)」につれていく。
その途中、尚之は道を外れ、積み上げられた石に足をとられて崩してしまう。遥子はあとを追うが尚之の姿はなく、そこには帽子とタイムカプセルで埋めた缶が落ちていた。
遥子は神社を再び訪れ、そこで不審者の男が「それじゃあダメだ、それでは子供は帰ってこん。しらず森は神隠しの森」などとつぶやいているのを聞く。
そんな中、昭彦が駆けつけてくるが、遥子と口論になる。一方、尚之は森の中で少女に出会う。少女は「ついてきて。私が見つけてあげる」と言い、森の中を案内する。
遥子は、「30年前に、私…」と、ふとタイムカプセルで埋めた缶を開ける。そこには、尚之がしらず森で見せてきた探偵バッジが入っていた。そして、同封された手紙を見て、遥子は驚く。
尚之は、少女に連れられて、彼女の家に行く。すると、そこは遥子の実家と同じ団地だった。尚之を連れてきた少女は、30年前の遥子であった。手紙には「森の奥に行ってください。神隠しにあった子供は、『もういいかい、もういいかい』と言って探さないと出てきません」と書かれていた。そして、両親が仲が悪いことで尚之は傷ついている、と最後に記されていた。
遥子は、昭彦とともにしらず森へと尚之を探しに行く。そこで昭彦は、「探偵バッジは、遊園地の帰りに俺が買ったんだよな」とつぶやく。昭彦と遥子は互いに謝罪し、関係は修復され始めるのだった。
昭彦と遥子は「もういいかい、もういいかい」と呼びかける。尚之は両親たちのもとに姿を現す。親子は再会し、遥子は3人で暮らす東京の家へと戻ろうと言う。その帰り道、遥子は30年前の自分の姿を見た気がした。