簡単なあらすじ
1) カワムラメモリアル会長・河村龍太郎(伊東四朗)は、育生(向井理)に養子縁組をして、息子になって欲しいと言い出す。長女・陽子(余貴美子)、次女・月子(室井滋)、三女・凜子(板谷由夏)たちは、遺産の取り分が減ることを危惧し、騒ぎ出す。
2) 恒三は、陽子に「養子縁組を育生君に断るように言って」と頼まれるが、「仕事なら別だが、個人的なことに立ち入るつもりはない」と断る。ところが、内心、苛立っていた。
3) 恒三は、葬儀会場に連れて行き、育生に恥をかかせ、さらには嫌味を言う。だが、帰宅すると、恒三は、龍太郎によって、婚姻届を出していないことが明るみに出されてしまう。
4) 育生は、結婚を認めようとしない恒三たちに、ついに怒りが頂点に達し、「自宅に帰らせていただきます」と恒三の嫌味を引用して河村家を出て行くのだった。
起:養子縁組
育生(向井理)は、遺産狙いで婿入りして来たと疑われ、河村家一同へ「俺は、遺産は1円もりません。みんな、カネに踊らされてバカみたいだ」と思ったことを口にしてしまい、そのことを詫びる。
カワムラメモリアル会長・河村龍太郎(伊東四朗)は、育生の言葉で、さらに遺産を譲ろうという考えを強くした。さらには、育生に「養子縁組して、私の息子にならんか?」と言い出すのだった。
唖然とする娘や恒三たちを尻目に、龍太郎は「別に珍しいことではない。息子を持つのは長年の夢だったのだ」と言って、育生に「息子になってくれ」と言う。そのことにはついに恒三も苛立ちをあらわにした。そして、つい苛立って育生と楓の婚姻届を握りしめてしまい、それでついたシワを伸ばそうとして、婚姻届に切れ目を作ってしまう。
楓は、「私たちは、何があっても揉めないでいようね」と育生とともに微笑み合って、約束する。
承:恒三の苛立ち
育生が養子縁組をした際、育生にも相続権が生じる。そのことで、長女・陽子(余貴美子)、次女・月子(室井滋)、三女・凜子(板谷由夏)たちは、遺産の取り分が減ることを危惧していた。
凜子は、「恒三さんに頼んで、育生君が養子になることを断るように頼んでもらいましょう」と提案する。妻・陽子は、「あなたから養子縁組を断るよう、言ってもらえない?揉めるきっかけになるでしょ」と言う。
だが、恒三は「仕事なら別だが、個人的なことに立ち入るつもりはない」と断る。恒三は、陽子に「何十年もお父さんに尽くしてきたあなたは、1円も貰えないのよ」と言われ、陽子の前では冷静を装ったが、内心は苛立っていた。
転:恒三のたくらみ
月子の息子・正春(鈴木浩介)は楓に会い、「今まで、遺産とかどうでも良いと思ってたけど、赤の他人の育生君にとられるくらいなら、僕がもらいたい」と言って、育生の養子縁組に反対すると言い出した。
恒三は、「今度の休み、私に付き合いなさい」と言われる。恒三は、育生とともに葬儀会場にやってきた。
元タレントの葬儀が行なわれ、そこでは元キャバ嬢の後妻と、娘たちが争っていた。口汚く罵り合い、葬儀の場が騒然とする中、恒三は育生に「この騒ぎをおさめてみたまえ。これが河村家の家業だ。我々は、他人の揉め事をおさめてメシを食っている」と言う。けしかけられた育生は、一歩を踏み出す。
「家族の争いに勝ち負けはない。それでは、誰も幸せにはなりません」と言って、育生はその場をなだめることに成功する。ところが、恒三が「すみません、葬儀屋風情が口出しをしまして」などと割って入り、遺族は再び反目し、育生に怒りを向ける。
恒三は、控室に遺族を呼び、「遺言書が残されております」と伝え、その場を制するのだった。
結:育生の沸点
龍太郎は、金沢弁護士に相談し、育生の養子縁組の話を進めたいと相談する。「あの男は、過去にカネで相当苦労していた経験がある。カネによって、人は変わってしまうと知っている」と言い、そんな育生だからこそ、相続させたいのだと言う。
ところが、その場で龍太郎は「育生さんと楓さんは、まだ婚姻届を出されておりません」と教えられる。
龍太郎は、陽子に「婚姻届を出したのか?」と確認する。陽子は、「恒三さんが出しました」と伝えるが、父の言葉に、本当に出したのかと恒三を疑い、デスクの鍵を開けて、婚姻届が届けられていないことを発見する。陽子は、婚姻届のシワを伸ばそうとするが、切れ目の入っていたところに力を加え、破ってしまう。
育生は恒三に一緒に飲む。そこで、楓が元夫と仕事場の乗馬クラブで会って仲良いことなどを教えられる。言葉を失う育生に、恒三は「どうした?『実家に帰らせてもらいます』とでも言うか?」と挑発する。
育生が帰宅すると、出迎えた楓とともに、龍太郎によって「婚姻届がまだ出されていない」と明かされる。そこで、恒三が婚姻届を出していないと発覚する。「じゃあ、自分で出す。返して」と言われ、渡された婚姻届は、破られていた。
育生と楓は憤り、育生は「なんで破ったんですか…そんなに僕が気に入りませんか?」と口にする。そして、育生は「実家に帰らせてもらいます」と言い、さらに、龍太郎に「養子縁組の話は受けません」と明言する。
「遺産目当てだとか勘ぐっている方もいるみたいですが、好きな女を幸せにしたい、それはそんなに特殊なことではない」と言って育生は河村家を出ていく。そして、その足で破かれた婚姻届を強い意思で提出するのだった。
恒三は、陽子に婚姻届を勝手に見て、さらには破いたことを指摘する。動揺する陽子に、恒三は「下品な女だ。顔も見たくない」と言う。
育生と楓は、とりあえず育生の実家に身を寄せ、一緒に住む家を探そうと言うのだった。育生は、行きつけの飲み屋で、母・華子が龍太郎の遺産相続を当てにしていることを耳にしてしまう。
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