映画「ジョーカー」あらすじ・ネタバレ・結末

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起:アーサー・フレックという男

大道芸人のアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は、母・ペニー(フランセス・コンロイ)の介護をしながら、安アパートに二人で暮らしていた。アーサーは、ピエロの格好で閉店セールの呼び込みをしていたが、少年たちに看板を奪われ、さらには狭い路地におびき寄せられ、暴行されてしまう。

そんな彼に、同僚のランドル(グレン・フレシュラー)は身を守るため、と拳銃を渡す。アーサーは断ろうとするが、ランドルは「お礼は後でいい」と、アーサーに渡すのだった。

アーサーは精神疾患を患っており、さらには発作的に笑いだしてしまうという障害を負っており、市の福祉センターでカウンセリングと薬の処方を受けていた。スタンダップコメディアンを目指しながらも報われず、さらには仕事も上手くいかず、家には年老いた母親が待っていた。そんな彼は福祉センターで「さらに薬を増やして欲しい」と願い出る。

承:証券マン殺害事件

アーサーは、小児病棟でピエロの格好をして子供たちを笑わせようとする。だが、ダンスしている最中に拳銃を落としてしまい、アーサーは解雇されてしまうのだった。その帰り道、ピエロの格好のまま地下鉄に乗るアーサーは、女性に絡む酔っ払いを前に発作で笑いだしてしまい、3人をランドルにもらった拳銃で射殺する。

3人はウェイン産業の証券マンだった。市議会議員のトーマス・ウェイン(ブレット・カレン)は自社の社員を射殺されたことから、犯人に向けて強い口調で非難する。だが、そのれが引き金となり、貧困層は市長になろうとしていたトーマスへの批判へと繋がり、ピエロの格好でのデモなどが行われるようになっていった。

市の財政悪化に伴い、福祉センターは閉鎖されることとなった。結果、アーサーは向精神薬を入手することができなくなり、内服しないようになっていく。

転:アーサー、出自の秘密

アーサーは同じアパートのシングルマザーであるソフィー・デュモンド(ザジー・ビーツ)と親しくなっていく。ソフィーは彼にとっての支えとなるのだが、そんな中、母・ペニーがトーマス宛に書いていた手紙を読んでしまい、自分がトーマスの隠し子だと知る。ペニーがトーマスに手紙を頻繁に書いており、自分たちの窮状を伝えていることは知っていたアーサーだったが、隠し子であることは初めて知り、アーサーは動揺する。

アーサーはウェイン邸を訪れ、そこでトーマスの息子ブルースに出会う。それを見かけた執事のアルフレッドは、ブルースに近づかないようアーサーに忠告し、さらには「ペニーの言っていることは妄想だ」と否定する。

その頃ペニーは、アーサーに地下鉄での射殺事件について事情聴取するため、訪れてきていた警察官の話に卒倒し、転倒。さらには脳卒中を起こして救急搬送される。病院で話を訊かれたアーサーは、犯行を否定する。

その晩、マレー・フランクリンの番組で、アーサーの舞台映像が流される。笑いどころの分からない、理解不能なアーサーのジョークを皮肉り、マレーは「ジョーカー」とアーサーのことを呼ぶ。

アーサーは、トーマス・ウェインに近づき、ペニーとの関係を問いただすが、トーマスはやはり「妄想だ」と否定する。さらには、アーサーはペニーの養子であり、ペニーは精神科病棟に入院していたことも明かす。アーサーは母を侮辱されたことに怒り、「父親としての愛情を求めているだけだ、ハグしてくれるだけでいい」と言うのだが、トーマスはブルースに近づいたアーサーに怒り、彼を殴りつけるのだった。

アーサーはそのことを病院に行って確認をしようとする。カルテを盗み、そこにはペニーの恋人がアーサーを虐待し、それを見て見ぬ振りをしたためペニーが逮捕され、さらには精神疾患により病院へ入院させられていたことが書かれていた。アーサーが発作的に笑い出す障害を負ったのは、虐待による頭部外傷によるものだった。

結:ジョーカー誕生

帰り道、雨に打たれたアーサーは支えであるソフィーのもとを訪れる。だが、ソフィーとの交際もアーサーの妄想だと判明する。事実を知ったアーサーは、母のもとを訪れ、ペニーの顔に枕を押し当て、窒息死させる。

アーサーが自宅にいると、マレーの番組スタッフから、次のゲスト候補に指名されていることが明かされる。アーサーはオファーを受け入れる。出演当日、アーサーは髪を緑に染め、ピエロメイクをして準備をするのだった。

そんな中、自宅にランドルと小人症のゲイリー(リー・ギル)が訪れてくる。ランドルは、自分の拳銃が証券マン射殺事件に使われたのではないか、とアーサーに問いただす。そんなランドルをアーサーはハサミで殺害する。だが、アーサーはゲイリーに「君だけは僕に優しかった」と言い、見逃すのだった。

刑事に追われつつも、アーサーは地下鉄の車内で、ピエロの仮装をしたデモ参加者たちに紛れ、逃走することに成功する。マレーの番組に出演するため、メイク室にいた。そこで、アーサーはマレーに「ジョーカーと紹介してほしい」と言い、マレーは快諾する。

アーサーは登場し、女性共演者にキスをしてマレーに呆れられる。さらにはジョークで滑った後、証券マンを殺害したピエロは自分だと告白するのだった。笑い出すアーサーに、マレーは「笑えない」と冷たく言うが、そこでアーサーは自分を笑い者にするつもりで呼んだ、とマレーを非難し、射殺するのだった。

スタジオはパニックとなり、アーサーがさらにジョークを言おうとしたところで画面は放送事故の画像に差し替えられる。アーサーは逮捕され、パトカーで移送される中、ジョーカーの信奉者である暴徒がそのパトカーに救急車で突っ込み、アーサーは助け出される。
一方、ウェイン夫婦はブルースと観劇に来ており、劇場を出たところで暴徒によって夫婦は射殺される。ブルースは母親の血液を浴び、呆然と立ち尽くす。

アーサーは事故後に意識を取り戻し、パトカーの上で踊り狂う。流れ出た鼻血を口元に広げ、さらに異様なメイクでアーサーは踊り、群衆は歓声を上げる。

アーサーは精神病院に収容される。笑い出し、精神科医に「ジョークを思いついた」と言うが、「理解できない」と、その内容は言わずに歌い出す。その後、アーサーは廊下へと飛び出す。その足元は血液で汚れていた。病院スタッフが彼を取り押さえようとするが、アーサーは振り切って逃げ出すのだった。

トリビア

・劇中に登場する時計は、すべて「11:11」を示している。

・ホアキン・フェニックスはアーサー(ジョーカー)を演じる上で、24 kgもの減量を行っている。

・『ジョーカー』で監督・脚本・製作を務めたトッド・フィリップスは、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の監督として知られている。

・ホアキン・フェニックスは、同じくジョーカーを演じたヒース・レジャーと親友である。

・アーサーは左利きであるが、ホアキン・フェニックスは右利き。

・アーサーは、「ポゴのコメディクラブ」の舞台に立つが、ピエロの連続殺人犯ジョン・・ウェイン・ゲイシーの舞台名が「ポゴ・ザ・クラウン」だった。

・アーサーがパトカーから外を眺めるシーンは、『ダークナイト』のオマージュと考えられる。

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