簡単なあらすじ
1) 2027年、女性の不妊が全世界的に進み、急激な出生率の低下がみられたいたが、ついに人類は繁殖能力を完全に喪失していた。イギリスエネルギー省の官僚であるセオ・ファロン(クライヴ・オーウェン)は、武装集団に拉致され、そこで、反政府組織・FISHのリーダーとして活動する元妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)と再会する。
2) ジュリアンは、セオに「キー(クレア=ホープ・アシティ)という移民女性に通行書を与え、検問所を通させて欲しい」と依頼する。検問所の前で、ジュリアンは暴徒の銃弾を受けて死亡してしまう。逃亡先でセオは、キーが妊娠していると知って驚く。ジュリアンは、キーをヒューマン・プロジェクトに届けようとしていたのだった。
3) セオは、FISHの新リーダーが、キーから子供を奪おうとしていると知り、キーとともに逃げ出す。移民収容所に潜り込んで、その先にあるヒューマン・プロジェクトの船に届けようとするが、そこでFISHにキーと子供を拉致されてしまう。
4) キーと子供を救い出したセオは、ボートでヒューマン・プロジェクトの船を待っていた。だが、セオはキーを救い出す際、腹部に銃弾を受けて出血しており、死亡する。ボートで待っていたキーと子供は、ヒューマン・プロジェクトの船に乗ることができたのだった。
起:セオとジュリアン
2027年、女性の不妊が全世界的に進み、急激な出生率の低下がみられたいたが、ついに人類は繁殖能力を完全に喪失していた。
イギリスでは、世界中から大量の不法移民が押し寄せ、日に日に治安は悪化していた。政府は、軍事力を使った徹底的な抑圧や、自らテロを起こすといった自作自演まで行い、どうにか国家機能を維持していた。世界最年少の18歳の青年がアルゼンチンで刺殺され、絶望に包まれたこの日、イギリスエネルギー省の官僚であるセオ(クライヴ・オーウェン)は、武装集団に拉致される。
アジトに連行された彼は、反政府組織・FISHのリーダーとして活動する元妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)と出会う。セオも、かつては平和活動の闘士だったが、我が子を流行したインフルエンザで失ったことで、生きる意味を見失い、希望を捨てた男だった。
承:ジュリアンの依頼
ジュリアンはセオに、「移民の1人のため、政府の検問を通過できる通行証を入手してもらいたい」と依頼してきた。セオは、あまりにも無謀なその依頼を一度は断るが、ジュリアンが政府の目を逃れ、接触してきた理由が気になった以上に、今もジュリアンへの想いを断ち切れないでいた。
協力を決心したセオは、通行証を手に入れると、再びFISHと接触を図る。そこで彼は、彼らの計画の全貌を知らされる。それは、彼らが保護している、人類の未来を変える存在であるキーという名の少女(クレア=ホープ・アシティ)を安全に、そして極秘裏に”ヒューマン・プロジェクト”に届けるというものだった。
ヒューマン・プロジェクトとは、世界中の優秀な頭脳が結集し、新しい社会を作るために活動する国境のない組織であるという。しかし、その存在を確認したものは、皆無に等しかった。
海岸沿いの検問所に向かう途中、セオたちの車は暴徒の襲撃に遭う。その中で、ジュリアンは頸部を撃たれ、死亡してしまう。ジュリアンの死を悲しみながらも、組織のアジトに逃げ込んだセオは、キーから「妊娠している」ということを告げられる。キーは、ジュリアン亡き今、FISHが信用できず、ジュリアンに言われた通り、セオを頼ろうとして打ち明けたのだった。
転:キーとの逃亡
ジュリアンが死亡し、FISHのリーダーはルーク(キウェテル・イジョフォー)となった。セオは、ルークが「ジュリアンを殺害させたのは自分だ」「キーが産んだ子供をFISHで奪う」とジュリアンに反旗を翻したのだと明かしているところを盗み聞きし、キーを連れ、命がけの逃避行を試みる。
セオたちは、仲間であるジャスパー・パルマー(マイケル・ケイン)を頼って身を隠すが、そんなジャスパーのところにもFISHの手は伸びてきた。ジャスパーは自ら囮となってセオたちの逃亡を手助けするのだった。
ヒューマン・プロジェクトの合流地は、移民収容所の先にあった。そこで、移民収容所に勤める不良警官シド(ピーター・マラン)の手引で移民収容所に入る。キーは産気づき、収容所内で女児を出産する。赤ん坊が生まれたことや、セオらが政府に賞金首がかけられていることを知ったシドは、セオを政府に引き渡そうとする。
だが、移民収容所にいる女性マリカに助けられ、シドの銃撃から辛くも逃げ出す。ミリアムにボートを用意してもらうが、乗る前にジャスパーらFISHにキーと子供を拉致されてしまう。
結:ヒューマン・プロジェクト
収容所内では移民たちの武装蜂起が起こり、政府軍による鎮圧が行われていた。政府軍と戦うFISHメンバーたちの目を掻い潜り、セオはキーと子供を救い出す。だが、その中でセオは腹部に銃弾を受けていたのだった。
ボートに乗り、セオとキー、子供はヒューマン・プロジェクトの合流地に向かう。だが、そのボートの上でセオは失血死する。キーと子供は生き残り、ヒューマン・プロジェクトの船に乗ることができたのだった。