ミッドナイトDJ(世にも奇妙な物語 1996年3月25日放送)あらすじ[ネタバレあり・結末まで]

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「ミッドナイトDJ」前半部分(ネタバレなし)

深夜ラジオ番組『アブセント・マインドネス(上の空)』のDJ・榊原達彦(石黒賢)は、リスナーからのお悩み相談電話での毒舌が好評を得ていた。リスナーは、榊原に偏見に満ちた言葉で罵倒され、激怒することもしばしばだった。

聴取率は良好だったが、番組プロデューサーは榊原に「やりすぎじゃないか」と過激な言葉を抑えるように忠告する。だが、榊原はその言葉に耳を貸そうとはしない。そんな榊原は、閉所恐怖症でブースの扉を閉めることを極端に嫌がっていた。

番組に、村瀬基美(菅野美穂)という17歳の女子高生からの電話がかかってくる。基美は、つい名乗ってしまい、榊原は「それはルール違反だ。名前も顔も分からない。だから本質に迫った楽しい話ができる」と言う。

基美は、「学校に行きたくないんです」と悩みを打ち明ける。切実なその悩みも、榊原は「砂場あそびは人生の縮図だ。そこで遊ぶことができない人間は立ち去るよりほかはない」と言い、基美は全てを諦めたかのように「…ありがとうございました」と言い、電話を切る。

放送が続く中、別の相談者「星占いの男」(升毅)に電話がつながる。「星占いの男」は、「あなたは他人の人生が手にとるように分かってしまうだな」と言う。さらに、「俺にも人の人生を見る力があるんだ」と言い出す。

「星占いの男」は、なぜか榊原の家の内装や装飾品、寝室の様子をずばり言い当てる。さらに、「台所からガスが漏れている。奥さんは気づいていない。このままでは死んでしまう…タクヤ君も」と不穏なことを言い、榊原はひどく慌てる。子供の名前はどこにも公表していないのに、「星占いの男」はそれすら言い当てたのだった。

「星占いの男」とは何者なのか、そして基美の不安定な様子…不穏な空気や緊迫感が続く中、ラジオ放送は続きます。

「ミッドナイトDJ」後半部分(ネタバレあり、結末まで)

榊原は、曲をかけるとすぐに自宅へ電話をかける。だが、ガスも漏れておらず、妻子は無事だった。

「星占いの男」の電話が切れると、次に女子高生の基美に再びつながる。基美は、「あなたとお話した後、心が軽くなった。気分が楽になって外に出てきちゃいました」と話す。そして、「あなたにご挨拶したい」と言うのだった。

榊原は、再び「星占いの男」に電話をつなぐ。「星占いの男」は、「ゲームをしよう。ファンレターの山の中にオレンジ色の紙に包まった箱があるはずだ…それを開ければとても楽しいことがあるはずだ」と言い出す。榊原はその箱を見つけ、番組スタッフの制止を聞かずに開けてしまう。

中にはケーキが入っていた。榊原はそれを見て笑い出す。「星占いの男」は電話してきた目的を聞かれ、「アンタを救いにきたんだ。アンタは本当は弱い人間さ」と言い放つ。

「星占いの男」の電話が切れ、榊原は再び基美に電話を繋ぐ。基美は「あなたに会うことが全て。もう家には帰らない…放送局の近くまで来ています」と言う。榊原はますます精神的に不安定になりながらも、放送を続ける。

「星占いの男」は、「逃げるなよ、榊原さん。娘はもうすぐやってくる」と言う。その直後、基美の声が直接聞こえる。雨でずぶ濡れになった基美が、ブース内に立っていた。

「私は解放された。もう寂しい人生を送らなくてもいい」と基美はつぶやく。だが、番組スタッフたちには基美の姿が見えないようだった。榊原は番組を続けることができず、エンディングテープが回された。

そんな中、基美は「寒い…」と言い、手首からは血液が流れ出す。基美は自宅で手首を切って自殺していたのだった。

基美は、「星占いの男」のように話し、「ゲームは楽しかったか?お前はお砂場あそびで学んだんじゃなかったか?」と言う。そこで、「星占いの男」の送ったケーキに「motomi(基美)」と書かれていることに気づく。

榊原の番組は、別のDJにとって代わられた。榊原のようにリスナーに決めつけで話をして一方的に電話を切るDJに、榊原は電話をかけていた。「あなたは人生のことをよく心得ているようだ。人の人生が手に取るように分かってしまうんだからな。ところで、俺にも人の人生を見る力があるんだ」と、「星占いの男」のように語り出す。

戸惑うDJに、榊原は「見えてきたぞ。君の人生が」と言う。

基美は最初の電話で亡くなっている中、二度、三度と電話がかかってきていました。番組を降板した榊原は、同じような番組をやっているDJに「星占いの男」のように電話をかける、というオチです。

ちなみに、まだ10代の菅野美穂さんが見られる貴重な回です。

「ミッドナイトDJ」制作情報

・脚本:三上幸四郎、落合正幸

・演出:落合正幸

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