「ドント・ルック・アップ」前半部分(ネタバレなし)
ミシガン州立大学天文学部の大学院生ケイト・ディビアスキーは、巨大彗星を発見する。彼女の指導を行う教授であるランドール・ミンディ博士は、彗星の軌道を計算したところ、約半年後に地球へと衝突し、全ての生命が死滅すると計算する。
NASAの惑星防衛調整室長テディ・オグルソープ博士へそのことを伝えると、テディはケイトとランドールを招集し、ホワイトハウスで調査結果を報告するよう求める。
報告を聞いたアメリカ合衆国大統領であるジェニー・オーリーンとその息子で首席補佐官のジェイソンは国民へ情報を開示することを拒否する。そこで、ランドールとケイトは、ワイドショー番組に出演し、「彗星が地球へ衝突し、人類が死滅する危機にある」という事実を伝える。だが、国民もまた反応に乏しかった。
オーレーン大統領は、自身のスキャンダルの目を逸らすべく、彗星の脅威を発表し、核を搭載した宇宙船をぶつけて衝突を回避する計画を発表し、実行に移す。
だが、オーレーン大統領の大口資金提供者である、スマホ会社を経営する大富豪ピーター・イシャウェルがそれを中止させる。彗星にはレアメタルなどの希少価値の高い鉱物が含まれており、彗星を小さくして回収する計画を立てたのだった。
人類存亡の危機にあっても、どこまでも自分勝手で、醜く争う人々。そのような狂想の中であっても、6ヶ月というタイムリミットは近づいていきます。
「ドント・ルック・アップ」後半部分(ネタバレあり、結末まで)
ケイトはすぐさま反発するが、ランドールは権力に取り込まれてしまい、ピーターら政権の計画の広報活動を担ってしまう。その中で、ワイドショー番組の女性司会者ブリー・エヴァンティーと不倫関係を持つようになってしまう。
そんな中、ランドールは妻に不倫がバレてしまい、帰る家を失ってしまう。その結果、平静ではいられなくなったランドールは、ワイドショーで政権批判をしてしまい、ブリーとの不倫関係も終わる。
国民たちも「彗星の存在を否定する派」「彗星に対してすぐさま対処すべきであると主張する派」などに分かれ、分断されてしまう。ランドールやケイトは、間近に近づきつつある彗星を見て、「ルック・アップ!(空を見上げろ)」とメッセージを打ち出す。一方でオーレーン大統領らは、彗星の存在を否定するかのように、「ドント・ルック・アップ(空を見上げるな)」と喧伝する。
ランドールはケイトと和解し、妻に謝罪をして再び自宅に戻る。ケイトは新しい恋人ユールにプロポーズされ、それを受け入れる。
ランドールは、妻や子供たち、ケイトとユール、テディたちと食事をとる。そんな中、ピーター主導の政府による彗星分割計画は失敗に終わる。オーレーン大統領は、ピーターたちと宇宙船で脱出しようとしており、ランドールも誘うのだが、ランドールは断って再び食事に戻る。オーレーン大統領は、脱出用の宇宙船へと向かうのだが、そこで息子のジェイソンを置き去りにしたことに気づく。
彗星が地球に衝突し、凄まじい衝撃が一家を襲う(ピーターに、「君は孤独に死ぬ」とAIによって予想されていると伝えられていたが、その予想は外れたことになる)。一方、オーレーン大統領らは宇宙船に乗り、コールドスリープに入って地球に似た環境である惑星へと向かう。
たどり着いた惑星で、オーレーン大統領は鳥に似た生物に近づくのだが、その生物に捕食されてしまう。その様子を見たピーターは、AIによる予想通りであると発言する。
ジェイソンは彗星が衝突した地球で生き延びていた。彼は母親を呼んだ後、SNSに現状を投稿しようとする。
コメディでありながら、現実から目を逸して、ついには人類絶滅を招いてしまうという人々の愚かさに薄ら寒さを感じます。
トリビア・映画情報
・ケイト役のジェニファー・ローレンスは、ほとんどのシーンを歯が折れた状態で出演していた。コロナ禍で歯の治療を受けることができなかったためである。そのため、編集で折れた歯は修正されている。
・ランドール役のレオナルド・ディカプリオは、役作りのために半年に渡る天文学の勉強を行っていた。
・画面上にQRコードが表示されるシーンがあり、それを読み取ると、YouTube動画へとアクセスできる。
・監督、脚本、制作:アダム・マッケイ