「アウェイク」前半部分(ネタバレなし)
若き億万長者クレイトンは、子供の頃に亡くなった父の後を引き継いでビジネスに日々打ち込んでいた。だが、クレイトンは「父親のようには偉大になれない」と心のどこかで思い続けていた。
彼は、母リリスの秘書サマンサと恋愛関係にあった。クレイトンはサマンサと結婚したいと考えていたが、リリスに反対されることを恐れたクレイトンはなかなか切り出すことができなかった。
そんなクレイトンは心臓に病気を抱えており、心移植の順番待ちをしていた。発作を起こして救急外来に搬送されたクレイトンを、心臓外科医のジャックが救ったことをきっかけに、クレイトンはジャックと主治医としてだけでなく「親友」として交流をもつようになる。
クレイトンはサマンサに急かされるように、リリスへ「彼女と結婚したい」と申し出る。リリスは予想通り反対し、クレイトンはサマンサと結婚した上で家を出る。そんな中、脳死状態のドナーが現れてクレイトンは心移植することが可能となる。
クレイトンはジャックに執刀を依頼するが、リリスは高名なジョナサン・ナイヤー医師に執刀してもらうべきだと説得する。ジャックは4人の患者から医療訴訟を起こされていた。そのことを指摘されながらも、クレイトンは意に介さずジャックに手術を依頼するのだった。
母リリスの忠告に耳を貸そうとしないクレイトン。そんな彼は手術中、とんでもない事実を知ることになるのです…
「アウェイク」後半部分(ネタバレあり、結末まで)
クレイトンは麻酔をかけられ、心移植手術を受ける。彼は意識を失ったかに思えたが覚醒しており、手術室での会話も聞こえていた。その中で、ジャックがサマンサと共謀し、クレイトンを術中死に見せかけて巨額の遺産を手に入れようと計画していることが明らかとなる。
サマンサはジャックの元同僚である看護師であり、クレイトンが搬送されてきた時にジャックが計画を思いついたのだった。ジャックは4つの医療訴訟で賠償金を支払うに困っていたのだった。
躊躇するジャックの代わりに、サマンサは移植する心臓にアドリアマイシン(心毒性のある抗がん剤)を注射して動かなくする。リリスは、サマンサが病院のことに詳しく、元同僚から声をかけられている様子を不審に思う。さらには、彼女のバッグからサマンサが看護師であることを示す手紙を発見し、ジャックやサマンサたちの計画に気づく。
リリスは信頼するナイヤー医師に連絡し、自ら薬の過剰投与で命を絶つ。そして自分の心臓を息子クレイトンに移植してもらい、彼を生きながらえさせようとするのだった。ナイヤー医師はクレイトンの心移植手術を成功させる。
その手術途中、クレイトンは夢の中で母リリスと再会し、そこでリリスから父が階段から転落死したのではなく、「クレイトンを虐待しようとする父をリリスが刺し、階段から転落して死亡した」という事実を打ち明けられる。そして「お父さんのようになる必要はない。あなたはあなたらしく生きて」とリリスは伝えるのだった。
ナイヤー医師は警察へ通報しており、ジャックやサマンサの仲間たちは次々に逮捕される。サマンサはジャックにすべての罪を着せようとするが、ジャックはサマンサの指紋がついた注射器を持っていると伝える。サマンサはその場から逃げ出そうとするが、すぐに警察官たちに取り押さえられた。
クレイトンは無事に心移植を終え、すべての事実を知った上で再び目覚めるのだった。
リリスの深い愛情を知った上で、目が覚めた時点ではすでに母親はこの世を去っている。さらに、恋人や友人に裏切られている事実を知っているクレイトン…辛い事実をどう受け止めて生きていくのでしょうか。
トリビア・制作情報
・ジャレッド・レトの代わりにヘイデン・クリステンセン、降板したケイト・ボスワースの代わりにジェシカ・アルバが出演している。
・原題の「Awake」は元々、「Autopsy-me(解剖される私)」だった。
・監督、脚本:ジョビー・ハロルド
・製作:ジェイソン・クリオット、ジョン・ペノッティ、フィッシャー・スティーヴンス、ジョアナ・ヴィセンテ