映画『呪詛』でなぜルオナンは娘・ドゥオドゥオを里子に出し、再び一緒に暮らすことにしたのか?

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ルオナンは6年前、恋人であるアードン、そして友人のアーユエンとともに「踏み入れてはならぬ場所」での儀式を撮影すべく、アードンの故郷を訪れます。結果、アードンとアーユエンは禁忌を破って死亡し、ルオナンもまた呪われてしまいます。

ルオナンは妊娠しており、アードンの死後、娘のドゥオドゥオを後に出産するわけですが、里子に出してしまいます。なぜルオナンは娘・ドゥオドゥオを里子に出したのでしょうか?

出産後の心境

ドゥオドゥオを出産した時の心境を、ルオナンは、「母親の自覚は生まれた我が子を見た瞬間に芽生えるもの。でも私は違う。ただ怖かった、今でも怖い」と独白しており、呪いによってドゥオドゥオの身に危険が及ぶことを恐れていたことが明らかとなります。

しかしながら、新東病院の精神科医・ウーの治療を受ける中で、ようやくドゥオドゥオを迎え入れる心構えや準備ができたものと思われます。

ドゥオドゥオを迎え入れた結果

ルオナンはドゥオドゥオを自宅へと迎え入れるのですが、次々と怪奇現象に見舞われ、ついにはドゥオドゥオも意識不明の衰弱状態へと陥ってしまいます。

ルオナンは「目を覚ましたら約束してくれる?自分の名前やママを忘れて。これからうれしい時は大声で笑い外では胸を張って歩いてほしい」と記録を残し、再び距離をとり、そして自らも「踏み入れてはならぬ場所」へと赴くことでドゥオドゥオの呪いを解こうとします。

しかしながら結果、ルオナンもアードンたちと同様の末路をたどることとなってしまうわけです。

親権喪失の決定

途中、ドゥオドゥオの健康状態悪化を懸念したソーシャルワーカーが、裁判所からの「親権喪失」の命令書を持って現れ、ルオナンからドゥオドゥオを取り上げようとする。

この通報は、元養父であるシエ・チーミンが行ったものであり、死の間際、「君は親として不適格だと通報した。信じてなかったし、君に嫉妬してた。申し訳ない。私の身に何かあったら、あの子に伝えてほしい。私は医学的に自分の子供を作れないんだ。パパと呼ばれ、本当に嬉しかった」と告白している。

ルオナンが公開した「動画」と呪い

ルオナンは、娘・ドゥオドゥオのため、動画を公開します。その中で、「ホーホッシオンイー シーセンウーマ」を呪いを解くための言葉として説明していますが、実際は違ったと釈明します。

雲南の和尚は、「これは祈りの言葉ではない”禍福倚伏 死生有命”それが なまった発音だ。唱えるとこういう意味を示す”自らの名前を捧げて 共に呪いを受ける”。あの符号は仏母の呪いを他人に分けるのだ。呪いを受ける人が多いほどその影響力は弱まるが、凝視すれば影響は強くなる」とあり、より多くの人に「呪い」をかけ、ドゥオドゥオに対する呪いの影響を弱めようとしていたものと思われます。

また、「チェン氏宗族の手のサインは、密宗にいる八方天の手振りをアレンジしたもの。だが、チェン氏宗族では最後が異なる。八方天の手ぶりの意味は幸福と功徳を集めることだが、チェン氏宗族では最後が違う。…逆にばらまいてるのか」とも言及しています。

私としては、チェン氏宗族の呪いが、自らを複製してばらまかれるのを望むウイルスのような存在とも解釈できるようにも思いました。ルオナンとドゥオドゥオを引き合わせることで、呪いは急速に拡散していく…これも呪いによって仕組まれたことのようにも感じました。

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