映画『バズ・ライトイヤー』での「同性愛表現」とはどのようなものだったか?

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映画『バズ・ライトイヤー』で、「同性愛表現」が原因で中国、インドネシア、マレーシア、アラブ首長国連邦(UAE)などで上映禁止となりました。

ディズニー側は「カットには応じない」という姿勢を貫いており、プロデューサーのギャリン・サスマンは「バズが自分の選択によって失ったものを示す、愛情のある関係のような重要なシーンをカットなどしない」と発言しています。

では、この「同性愛表現」とはどのようなものだったのかと言うと、次のようなものでした。

バズのパートナー

バズのスペースレンジャー部隊のパートナーである女性隊員アリーシャ・ホーソーンが同性愛者であると描かれています。

アリーシャは、バズがテスト飛行で4年不在だった間、女性科学者と「婚約をした」とバズに告げます。バズはアリーシャに好意を持っていたようで、「婚約をした」という言葉に動揺しますが、「相手が女性」ということには特段、動揺した様子を見せていません。
また、アリーシャは女性と結婚し、息子が誕生します。その息子が結婚することで孫のイジーが誕生します。「同性愛描写」ということで言えば、アリーシャの結婚のみということになります。

「バズが自分の選択によって失ったものを示す」というのは、数年を要するテスト飛行に志願したことによって、アリーシャが他の人と婚約したという意味ですね。

「同性愛」の必然性

映画を見ている側からすると、「同性愛」の表現は本当に自然で「自然と受け入れられている」といった印象です。

ですので、「物議を醸すのを承知で、同性愛の描写を入れる必要性はあるのかな?」と正直思いますが、逆にディズニー側は「同性愛を自然なもの、当たり前なこととして受け入れるべきだ」という意思を持って、あえて表現しているのかな、と思われました。

「クラシカルなプリンスと女性の恋物語」だけでなく、『ズートピア』などで多様性を認めることの重要性を描いているディズニーならではのメッセージとも感じます。

ディズニーの今後

ディズニーと言えば、フロリダ州の差別的な法案、通称「ゲイと言ってはいけない」法案に真っ向から反対していました。また、映画でも上記のような描写に果敢に挑んでいます。

このような姿勢を踏まえると、今後もこうした「自然な同性愛」描写は続けるのではないでしょうか。同性愛の葛藤や、それ自体を中心としたストーリーはなかなか制作も困難ではあると思いますが、少なくとも映画『バズ・ライトイヤー』の描写についてはとても自然で、「受け入れがたい」といった異物感は私自身、感じることはありませんでした。

今後も続くということであれば、次第に「上映禁止の国がある」といったニュース自体があまり大きく取り上げられたり、過剰反応されることも少なくなってくるのではないでしょうか。

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