簡単なあらすじ
1) 仮面伯爵は、ルパン三世に挑戦状を届け、「どちらが先にカリオストロ伯爵の遺産を手に入れるか勝負だ」と、勝負を持ちかける。その挑戦をルパンは受けて立つ。
2) ルパンは、ロッセリーニ財閥の会長レベッカ・ロッセリーニと結婚をすることで、カリオストロ伯爵が女性に贈ったという「リベルタスの王冠」を盗み、その後、「マリー・アントワネットの首飾りの欠片」を手に入れる。これらに嵌められた宝石が、未知の物質でできており、カリオストロ伯爵は稀代の錬金術士であるとルパンは考える。
3) ルパンは、カリオストロ伯爵が幽閉された牢獄に向かい、そこで仮面伯爵と対峙する。そこには、カリオストロ伯爵の錬金術のためのアトリエ、そしてカリオストロ伯爵の「至高の宝石」があった。仮面伯爵は、セルジオ警部、パパラッチのサロ、秘書のロブソン・ズッコーリらになりすまし、ルパンたちを操り、カリオストロ伯爵の「至高の宝石」を手に入れようとしていたのだった。
4) 仮面伯爵の正体は、カリオストロ伯爵の末裔であるガスパーレ・バルサモだった。アトリエは、侵入者を防ぐためのトラップで瓦解する。ルパンは、至高の宝石を手に入れ、立ち去る。ガスパーレ・バルサモは逮捕され、レベッカはルパンの「俺は俺、俺のやりたいようにやる」という言葉に触発され、自分らしく生きようと思う。
起:誘拐されたレベッカ
仮面伯爵は、男とチェスを打っていた。「チェスの序盤の定石のことを、イタリアンゲームという」と説明。さらに、男に投資し、「ゲームに買ってキングを得る」と言う。
サンマリノ共和国。イタリア最大手のホテルチェーンを経営するロッセリーニ財閥の会長レベッカ・ロッセリーニが誘拐される。レベッカはスーパーモデルとしても知られ、彼女の熱狂的なファンが犯人(仮面伯爵とチェスを行っていた男)だった。
ルパンは、レベッカを次のターゲットとしており、次元大介からレベッカが誘拐されたことを知り、愛車・フィアット500に乗って列車を追いかける。そんなルパンを銭形警部は追ってきており、手錠をかけるが、ルパンは列車を止めてレベッカを救い出したいのだと告げる。銭形は、ルパンと休戦協定を結び、列車を追いかけることになる。
犯人はレベッカに結婚を迫り、列車を制御不能にし、「断ったら列車を爆破する」と脅す。レベッカは断固拒否し、犯人は「じゃあ、僕と心中だね」などと言い出す。
ルパン三世は、銭形警部とともに列車を追う。だが、列車のスピードは速く、なかなか追いつけない。山火事が起きたエリアでは、石川五右衛門が待機しており、進路を確保した。
手錠の鍵もなくし、ついには拳銃の弾もなくなり、手錠を破壊することもできず、列車に繋がれたまま飛び乗ることにする。ルパンは、「レベッカを返してもらおうか。…俺は、彼女のフィアンセとでも言っておこうか」と犯人に宣言。さらに、犯人の撃った銃弾の跳弾を利用して、犯人を制圧。ルパンは列車のブレーキをかけ、事なきを得る。この事件の背景に、「仮面伯爵」なる黒幕がいた。
承:カリオストロの遺産
仮面伯爵は、「カリオストロ(詐欺師 ジュゼッペ・バルサモ)の遺産」をどちらが早く手に入れるか勝負を挑むため、ルパンに挑戦状を届けていた。ジュゼッペ・バルサモの汚名を晴らすため、ジュゼッペの末裔であるガスパーレ・バルサモも協力することになる。
ルパンは、パーティーでレベッカに近づく。ルパンは、レベッカとの結婚式を挙げる。そこに銭形警部が現れ、「何を企んでいる!」と邪魔立てしようとするが、衛兵に連れ出される。「余生を送る」というルパンに愛想を尽かし、峰不二子や次元、五右衛門たちは式の途中で退席する。だが、不二子はルパンたちの狙いに勘付いていた。
ルパンは、サンマリノの国宝でありカリオストロの遺産である「リベルタスの王冠」を手に入れようと狙っていた。リベルタスの王冠が、レベッカとの翌日の儀式のために用意され、日の目を見ようとしていた。その王冠を手に入れようとして、ルパンはレベッカにプロポーズしたのだった。
銭形警部は、ルパンの予告状が届けられたこともあり、警備に当たる。だが、その予告状は、別人が出したものだった。ルパンをダシに使い、王冠を奪おうとしていたのだった。
銭形は王冠を保管場所に戻そうとするが、監視していたルパンの姿を見つけ、ルパンたちを追いかける。ルパンは王冠を峰不二子から取り返すが、不二子が人質にとられてしまい、王冠を手放してしまう。
王冠は、警備兵・パトリックに化けたレベッカが手に入れる。レベッカが自らルパンを騙って予告状を出していたのだった。レベッカは、「スリルが欲しかっただけ」と言い、王冠をルパンに渡す。だが、ルパンは「この俺様が恵んでもらうわけにはいかない」と、レベッカに王冠を返す。
転:マリー・アントワネットの首飾り
ルパンが冠を渡したのは、計算だった。冠には、未知の宝石が散りばめられており、「カリオストロ伯爵は、錬金術に精通していた。その錬金術の秘密こそ、カリオストロ伯爵の遺産だ」と考えていた。
峰不二子は、仮面伯爵に言われ、マリー・アントワネットの首飾りの欠片を盗むよう依頼する。だが、ルパンは、峰不二子と仮面伯爵が繋がっていると推理し、不二子を尾行。仮面伯爵とモニター越しではあっても、ついに対話をする。
マリー・アントワネットの首飾りをルパンが狙うが、英国王族が興味を示し、MI6による厳重警備が敷かれることになってしまう。ルパンは、首飾りを手に入れようとしていたが、MI6が次元大介を捕らえる。一方、MI6のニクスが、マリー・アントワネットの首飾りを手に入れたルパンを狙っていた。
一方、イタリア警察のセルジオは、銭形警部に峰不二子の潜伏先を教える代わりに、協力することを提案する。
ルパンは、教会でニクスと対峙。ルパンは地下道に逃げるが、その行動すらもニクスは読んでいた。ニクスは、靴音などが周囲に反響する音を捕捉するエコーロケーションを使用し、相手の行く先を予測する能力を持っていた。その能力を逆手に取り、ルパンは次元のもとへ向かう。
だが、そのトリックにもニクスは気づき、ルパンたちのもとへ向かい、ルパンを殺害しようとする。ところが、英国皇太子・ジェームズの近くで打ち上げ花火が上がり、ニクスはその警備に向かうことになってルパンは一命を取り留める。ジェームズを誘導するため、ルパンはレベッカに、ジェームズと一緒に飲むよう差し向けていた。
結:仮面伯爵の正体
ルパンは、マリー・アントワネットの首飾りの欠片を峰不二子に渡す。不二子に迫るルパンだったが、そこに銭形警部が現れ、不二子に逃げられてしまう。
だが、ルパンは「マリー・アントワネットの首飾りの欠片も、未知の物質による宝石だった。その錬金術の秘密は、カリオストロ伯爵がその宝石を製作した、彼自身が幽閉された牢獄にあるはずだ」と、宝石以上の価値のある”宝”がそこにあるはずだ、と推理する。
一方、パパラッチのサロは、レベッカが王冠を盗んだことで脅そうとしていた。そこでサロは、レベッカに”ある提案”をする。その提案とは、ルパンたちに先回りして、宝を手に入れて欲しい、というものだった。
ルパンたちは、カリオストロ伯爵が幽閉された牢獄に向かう。レベッカは、ルパンたちの先回りをして、宝を手に入れようとする。そこに、銭形警部とイタリア警察のセルジオが現れる。
セルジオは、カリオストロ伯爵の牢獄に向かう。その先には、見たことのない輝きを放つ宝石が置かれており、稀代の錬金術士・カリオストロのアトリエがそこにはあった。
セルジオこそが、仮面伯爵の正体であり、かつパパラッチのサロ、秘書のロブソン・ズッコーリにもなりすましていた。そしてその正体は、カリオストロ伯爵の末裔であるガスパーレ・バルサモだった。
カリオストロ伯爵のアトリエは、侵入者を防ぐためのトラップで溶解し始める。瓦解するアトリエの中で、ルパンはカリオストロ伯爵の至高の宝玉を手に入れる。足場を失い、取り残されたガスパーレ・バルサモを、ルパンは救う。呆れる次元に「俺は俺、俺のやりたいようにやる」とつぶやく。
その言葉を聞いていたレベッカは、ロッセリーニ財閥の会長としての立場を足かせに思うのではなく、その中で自分らしくあろうと決意する。そして、ルパンからもらった「今夜、あなたを頂戴します」と書かれたカードを大事に持ち続けていた。