簡単なあらすじ
1) 2006年、漫画家の藤沼悟は、出版社に原稿持ち込みを行うも芽が出ず、ピザ屋でバイト生活を続けていた。そんな悟は、「リバイバル」という不思議な現象をたびたび経験していた。
2) リバイバルとは、数分前の過去に戻り、予兆を感じとって、悪いことが起こるのを防ぐことができるという現象だった。悟は、そのリバイバルで幼稚園児がトラックに撥ねられるのを防ぎ、自ら対向車にぶつかってしまい、入院する。
3) 心配した母親が北海道からやってきて、同居することになる。その母親との買い物途中、リバイバルが起こるが、違和感のある場所が見つからなかった。だが、母親は見覚えのある目をした男と目が合い、その男のクルマを写メに撮る。
4) 悟が子供の頃、近所で子供の連続誘拐・殺人事件が起きていた。その犯人は捕まったが、母親は冤罪であると思い、目が合った男こそが犯人であると思い始める。そんな中、母親が腹部を刺されて死亡する。
5) 悟は、母の遺体を発見し、驚く。その現場を隣人に見られ、悟は署に連行されそうになる。悟は逃げ出し、その中でリバイバルが起こる。リバイバルした先は、昭和63年、小学生の自分だった。
起:リバイバル
2006年、漫画家の藤沼悟は、出版社に原稿を持ち込むも掲載には至らず、ピザ屋でアルバイトを続ける日々を送っていた。編集者に「もっと自分の心に踏み込まなきゃ」とアドバイスされるも、悟は、自分の心に踏み込むのが怖かった。
バイト中、ピザをバイクで配達していたところ、青い蝶を見かける。それは、悟には見慣れた光景だった。その蝶が現れると、悟は数分間、過去に戻る。そこで違和感を見つけると、それが悪いことに繋がるという現象を、彼はたびたび経験していた。
今回も、バイクに乗りながら、その現象「リバイバル」を経験した。数分前に戻ると、トラックの運転手が気絶していた。慌てて悟は追いかけ、ハンドルを切る。運転手は心筋梗塞で死亡していたのだった。
悟の行動のお陰で、横断歩道を渡っていた幼稚園児の命が救われた。だが、悟は対向車にぶつかり、2日間後に入院して目を覚ます。病室には、バイト先の同僚である片桐愛梨がいた。愛梨は、悟が目を覚ましたことに安心し、帰って行った。
承:母・佐和子の登場
自宅に悟が戻ると、そこには母親・佐知子がいた。佐知子は、悟を心配して部屋にしばらく泊まると宣言する。悟は断りきれず、佐知子は泊まることになる。
そんな中、買い出しの途中、悟はスーパーの駐車場で「リバイバル」を経験する。だが、違和感のあるところを見つけることができなかった。一方、母親は子供を連れた男性と目が合い、気になる。
男性は、少女を置いてクルマで立ち去った。母親は、そのクルマを携帯電話で撮影した。その帰り、悟たちは愛梨に出会う。佐知子は、愛梨に「一緒にカレー食べる?」と誘う。愛梨は二つ返事で悟の自宅へとやってくる。
転:母の死
翌日、佐知子は昨日の男のことを思い返す。すると、その目に見覚えがあった。その目は、悟が子供の頃に見た男性の目に似ていた。そこで、佐知子は「あの男が、近所で起きた少年・少女連続誘拐殺人事件」の犯人ではないか、と思い始める。
その事件は、白鳥潤が犯人であると警察は判断。白鳥は逮捕された。だが、「彼は犯人ではないのではないか」と佐知子は考え始めていた。事件当時、白鳥と交友のあった悟は、「あの人は犯人じゃない!」と訴え続けていた。そして、事件で殺害された少女・雛月加代と事件の起こった直前、顔を合せていたため、悟は「僕ならあの子を救えた」と自分を攻め続けていた。そのため、佐知子は悟に事件のことを忘れるようにさせていたのだった。
悟の部屋に戻り、「事件のことについて、悟に話をしなければ」と思ったその時、佐知子は男に腹部を刺され、倒れる。死の間際、「悟に電話をかけなければ…戻ってこないように」と思い、携帯電話に手を伸ばすが、佐知子は絶命する。
結:昭和63年へのリバイバル
悟はバイトが終わり、家に戻る。自室への階段の途中、悟は犯人と思しき男と顔を合わせる。そして、自室へ戻ると、悟は佐知子の遺体を見て腰を抜かした。ちょうどその時、隣人がカレーのおすそ分けをもらった鍋を返しにきて、悲鳴を上げる。通報され、悟は署に連行されようとする。
悟は、パニックになって逃げ出すが、その時にちょうど青い蝶が飛び、悟はリバイバルする。昭和63年、小学生の自分に悟は戻っていた。
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