「アメリカン・ビューティー」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 42歳の広告代理店に勤めるレスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)は、仕事にも熱を入れられず、妻や娘との関係に問題を抱えていた。そんな中、娘・ジェーンの友達・アンジェラ(ミーナ・スバーリ)に恋をしてしまう。
2) アンジェラに恋をし、彼女の「マッチョになった彼と寝たい」という言葉で、レスターの心は変わってしまう。仕事を辞め、好きなクルマを買い、ドラッグを始める。そして、アンジェラと寝るために筋トレを始めるのだった。
3) 隣の家に引っ越してきた元海兵大佐のフランク・フィッツ(クリス・クーパー)の一家。フランクは、息子・リッキーがレスターと同性愛の関係にあるのではないかと疑い、リッキーを殴って家から追い出す。だがその後、フランクはレスターに会いに行ってキスをするも、拒まれる。
4) 家にやってきていたアンジェラと、レスターは寝ようとするが、実はアンジェラは経験がないことを知り、冷静になって寝ることをやめる。そんな彼が、父親としての自覚を取り戻しつつあった時、フランクがレスターの頭を撃ち、レスターは死亡する。

ここがポイント

冒頭で、「私は1年経たぬ内に死ぬ。だが、今はそんなことは知らない」という、グッとストーリーに引き込まれるナレーションで物語は始まる。

42歳の広告代理店に勤めるレスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)の一家が、徐々に崩壊していく。「アメリカ的な美」とされるものが、いかにその実情がバカバカしく、脆く儚いものなのか、ブラックユーモアたっぷりに描かれている。

そして冒頭で予言しているかのように、レスターは隣人に射殺されるが、どのようにしてそうなるのか、結末で明らかとなる。

起:アンジェラとの出会い

シカゴ郊外の新興住宅地にバーナム一家は住んでいた。42歳の広告代理店に勤めるレスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)は、野心的な不動産ブローカーの妻・キャロリン(アネット・ベニング)、反抗期を迎えた高校生の娘ジェーン(ソーラ・バーチ)の3人暮らし。

妻とはしばらく寝ておらず、娘もろくに口をきかない。そしてレスター自身も、会社では窓際族であり、中年の危機を感じていた。そんなある日、レスターは妻のキャロリンとともに、娘・ジェーンのチアガールでの応援姿を見に行く。気が進まず、渋々見に行ったレスターだったが、彼はジェーンの友人の美少女アンジェラ(ミーナ・スバーリ)に恋をしてしまう。

隣家に、元海兵大佐のフランク・フィッツ(クリス・クーパー)たち一家が引っ越してくる。長男のリッキー(ウェス・ベントレー)は、常にビデオを手放さず、強迫観念的に記録をし続けるという、陰気な青年であった。そんな彼に、ジェーンは惹かれて付き合い始める。

承:レスターの変化

レスターは、不動山王バディ(ピーター・ギャラガー)のパーティーに妻の付き添いで出席させられる。そこでボーイとしてバイトをしていたリッキーに声をかけ、実はドラッグの売人をしていると打ち明けられ、リッキーからブツを手に入れる。

帰宅すると、アンジェラが泊まりに来ていた。ジェーンの部屋の会話を盗み聞きしていたレスターは、「マッチョになったら、レスターと寝たい」と言っているのを聞く。興奮したレスターは、素っ裸になって筋トレを行う。その様子を、リッキーが撮影していた。

レスターは、アンジェラのことを想い、ベッドで自慰にふける。だが、横で寝ていた妻・キャロリンに気づかれ、「離婚よ!」と騒ぎ立てられ、逆ギレする。そこから、レスター自身、何かが変わったのを自覚する。

転:フィッツ家の問題

レスターは、家族に相談もなしに会社に辞表を提出し、上司を不倫をバラすぞと脅して多額の退職金を得る。憧れのクルマを購入し、学生時代にバイトしていたハンバーガーショップで、アルバイトを始める。そして、アンジェラと寝るために、筋トレを行う。キャロリンは、そんな夫に嫌気がさして、不動山王・バディと不倫を行って鬱憤を晴らす。

一方、リッキーは、ジェーンと順調に交際を続けていた。リッキーには、ドラッグをやっていることを父親に見つかってしまい、陸軍学校に入れられた過去があった。

今もそんな息子を疑うフランクは、外出するリッキーの姿を追うと、レスターと一緒にいる姿を見かける。息子とレスターが、男性同士で”行為”に及んでいるように思ったフランクは愕然とし、さらにはリッキーが撮影していたレスターの裸での筋トレ動画を見て、リッキーが同性愛者であると誤解する。

ゲイの息子など勘当する、と激昂して殴りつけてきたフランクにリッキーも怒り、家を出て行く。その後、雨の降る中、呆然とした様子のフランクは、レスターのところに行く。そして、フランクはレスターにキスをする。それを拒絶するレスターの様子にフランクは驚き、肩を落としながら帰って行く。

結:レスターの最期

キャロリンは、バディとの情事の最中、レスターに知られてしまい、動揺する。そして、夫を憎み、銃をカバンに入れて自宅へと向かう。

父親に殴られたリッキーは、ジェーンと駆け落ちをしようとしていた。アンジェラは、そんな彼女たちを止めようとするが、ジェーンは耳を貸さなかった。逆に、その偽善的な言葉にジェーンは怒り、アンジェラは泣き出してしまう。

そんなアンジェラを慰め、レスターはついにアンジェラと寝ることに成功するかに見えたが、アンジェラが急に不安な表情で「処女なの…」と告白。レスターは急に冷めたように抱くことを諦める。そして、「ジェーンは好きな人ができたみたい」というアンジェラの言葉に、まるで、熱に浮かされていたかのような日々から解放され、ようやく父親としての自覚を取り戻す。

家族の写真を見るレスターの頭を、けたたましい銃声を鳴り響き、一発の銃弾が撃ち抜いた。レスターに拒絶されたフランクが、レスターを撃ったのだった。死ぬまでの短い間、好きなことができたレスターの表情は、幸せそうに微笑んでいた。

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