西尾維新「掟上今日子の備忘録 第3話」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

「お暇ですか、今日子さん」
1) 隠館厄介(かくしだてやくすけ)は、作創社の少年漫画雑誌の編集長である紺藤から、ミステリー作家・須永昼兵衛 本人が出版前の原稿を隠して、「出版したければ、その原稿探しだせ」担当者が困っていると聞かされる。
2) 名探偵である置手紙探偵事務所・掟上今日子に、探すのを手伝って欲しいと言われ、隠館がそのことを言うと、掟上は二つ返事で同行すると言う。
3) だが、須永は”ゲーム”開始前に死去しており、隠館は、須永の大ファンである掟上のため、ショックを与えないように黙っていた。
4) 掟上は、須永のヒントから、カセットテープこそが原稿のデータを入れられた目当ての品であると看破する。そして、隠館が須永のことを過去形で語っていることから、既に須永が亡くなっていることを知っていた。

起:須永昼兵衛の挑戦

“僕”・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は、「百万取引」事件(西尾維新「掟上今日子の備忘録 第2話」あらすじ・ネタバレ)のお礼という形で、作創社の少年漫画雑誌の編集長である紺藤から食事を御馳走してもらう。

隠館は、そのレストランで紺藤から、ミステリー作家・須永昼兵衛についての話を聞かされる。紺藤の同期・小中が、須永を担当しており、「原稿は別荘の中に隠した。見つけ出したら出版を許可する」などと言われ、ほとほと困っているのだという。

そこで、紺藤は、置手紙探偵事務所・掟上今日子探偵に同行してもらえないか、と依頼してきたのだった。

承:須永の死

隠館は、掟上に依頼について話すと、予想に反して掟上は大喜びで別荘に行くと言い切った。掟上は、須永の大ファンであったのだった。

須永の別荘に向かう途中、隠館は紺藤から電話を受ける。「須永先生が心不全で亡くなった」という内容だった。事件性はなく、病死ということであったが、原稿は依然として別荘に隠されたままだった。

そこで、紺藤は隠館に「掟上さんに、原稿を探してもらいたい」と依頼するのだった。隠館は依頼を受ける代わりに、「掟上さんには、須永先生が亡くなったことを伏せ、通常通りのゲームが行われていると思わせて欲しい。ショックを与えたくない。そして、もし原稿を見つけたら、掟上さんに最初に読ませてやって欲しい」と条件をつける。その条件を、紺藤は飲む。

転:ゲームスタート

須永は、4つのヒントとして、
1 作品の原稿枚数は、およそ120分あれば読めるくらい。
2 デリケートな場所に隠してあるので、細心の注意を払って探すこと。
3 あるものではなく、ないものを探せ。
4 (修正テープで消されていたが)鉛筆が必要になるかもしれない。
を出していた。

これらのヒントから、掟上は別部屋や書室を探した上で、AV室が怪しいと睨み、そこを探し始める。そこには、カセットテープが置かれており、「これです」と掟上は、これこそ探していた原稿であると指摘する。

結:遺稿の正体

4つ目のヒントが、修正テープで消されていたことがヒントになっているのだという。修正テープとカセットテープ、構造は同じであると掟上は語った。「鉛筆が必要になるかもしれない」というヒントも、カセットテープを巻き戻すために必要になるかもしれない、という意味であるという。

また、ヒント1の「120分あれば読める」も、カセットテープにプリントされていた「120」の文字を暗示しており、掟上はその点からも、AV室が怪しいと睨んでいたのだと語る。また、120分テープは、1本だけしかなかった。

120分のカセットテープには、デジタルデータも保存でき、500 KBほど、つまりは長編小説1本分のデータが保存できるのだという。

さらに、ヒント3「あるものではなく、ないものを探せ」は、「これが原稿であると証明できるデータレコーダがない」ということであると掟上は解説する。

掟上は、カセットテープを隠館に「これで遺品が見つかりましたね」と言って渡す。実は、隠館が須永のことを過去形で語るため、須永は既に亡くなっているのだと掟上は気づいていたのだった。

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