簡単なあらすじ
1) 高田優(山田涼介)は、兄・隆一(桐谷健太)がバンコクの提携企業での債務が膨れ上がっており、破綻回避のために100億円を用立てる必要があったことを知る。優は、隆一のため、黒沢幸助(竹中直人)に融資を依頼する。隆一は、優が水面下で動いていたとも知らず、「俺は奇跡を起こした」などと悦に浸っていた。その様子を見た矢作梓(倉科カナ)に、優が融資話を取り付けたと知らされて激怒し、優を殴りつける。
2) 隆一は、優と仲違いする。一方、高田貴行(高嶋政伸)は、堅実に育ったという隆一について話すと、父・宗一郎(寺尾聰)から「リスクを回避し続ける経営者に未来はない」と言われる。そんな中、貴行は姉・桃子(南果歩)から「融資をとりつけたのは、優」と知らされる。
3) 貴行は、優に「どうして黒沢から融資を受けようと思ったんだ?」と訊く。優は、「他に100億作る方法はあったんですか?リスクを背負うなら今だと思ったんです」と言う。その返答に、貴行は新規事業である、ドレイモンドホテルのリゾート計画を優に一任することを決める。優は、梓をプロジェクトのメンバーに招く。
4) 父・貴行の決定に、隆一は激しく動揺する。そして、優への敵意やライバル心を燃えたぎらせる。そんな彼は、梓に「一つお願いがあるんだ。君には高田家を守って欲しい。だから、家庭に入ったら仕事を辞めて欲しい」と言う。躊躇う梓に、隆一は「本当はどっちなんだ?君がこのプロジェクトにこだわるのは、家庭に入りたくないからなのか?優と一緒にいたいからなのか?」と言う。梓は、複雑な思いを抱え、1人で仕事を行う優のもとを訊ねる。泣きながら優を後ろから抱きしめるのだった。
詳細なあらすじ
高田優(山田涼介)は、兄・隆一(桐谷健太)がバンコクの提携企業での債務が膨れ上がっており、破綻回避のために100億円を用立てる必要があったことを知る。100億円を用意することもできず、さらには誰にも頼ることができなかった隆一は、別荘に雲隠れしてしまっていた。
優は、隆一のため、黒沢幸助(竹中直人)に融資を依頼する。隆一は、優が水面下で動いていたとも知らず、「俺は奇跡を起こした」などと悦に浸っていた。その様子を見た矢作梓(倉科カナ)に、優が融資話を取り付けたと知らされ、隆一は優を殴りつけ、さらには「助けたつもりか…なんで黒沢に出資を頼んだ?陰で俺を助けていい気分ってわけか?」と屈辱に満ちた表情で、優の胸ぐらをつかむ。
貴行(高嶋政伸)は、隆一に出資を行ったのが黒沢だと知り、「よりによって…」とつぶやく。姉・桃子(南果歩)のフィアンセだと紹介された際、貴行は最初から黒沢を「カネ目当て」と決めつけ、冷淡な態度をとっていたのだった。
翌朝、隆一は、優を無視して出社する。貴行は、宗一郎(寺尾聰)に「バンコクの件は、隆一が1人で解決しました」と報告する。堅実な跡取りとして隆一を育てているという貴行に、宗一郎は「リスクを避け続ける経営者に未来はない」と言う。
その直後、現れた隆一は「リスクを最小限に留めるために、黒沢に融資を依頼しました」と言う。隆一が立ち去った後、宗一郎は「完璧なリスク回避だな」と言って笑う。
梓は、自分のせいで優が殴られてしまったため、彼女は謝罪する。「何も知らずにはしゃぐ彼が、悲しく見えて…」と、優が実は手を貸していたことを明かした理由を梓は語る。さらに、「優君が頑張ったこと、誰も知らないなんて許せなかったの」と言う。
隆一は、「自分の不甲斐なさに腹が立ったんだ。すまない」と梓に謝る。さらに、「これからは梓との時間を作る」と言う。
貴行は、桃子に黒沢からの融資話について礼を言う。そこで、優が出資話をとりつけたのだと知り、貴行は驚く。桃子はさらに、「優という男に100億出資したの」と言う。
貴行は、優に「お前が黒沢に出資を頼んだのか?」と訊ねる。優は、「みんな困ってたから、試しに頼んでみたっていうか」と言う。貴行は「黒沢を怪しいと思わなかったのか?」と言うが、優は「じゃあ、他に100億作る方法はあったんですか?リスクを背負うなら
今だと思ったんです」と言う。
その時、貴行の脳裏には、宗一郎の「リスクを避け続ける経営者に未来はない」という言葉が浮かんでいた。リスクを避けようとする隆一、そしてリスクを背負ってでも高田の未来を考える優。後継者としてどちらがふさわしいのか、と貴行は考え始める。
貴行は、優を呼び、「今夜、私と一緒に来なさい。ドレイモンドリゾートと会食だ。お前も高田の人間だ。これくらいのことは覚悟しておけ」と言う。そして、優に似合うスーツを一緒に新調しに行く。
梓に、桃子が会いに行く。桃子は、「優がやったと貴行に言ったの」と明かす。梓は、「隆一さんと優君って、子供の頃、どうだったんですか?」と訊く。隆一は繊細で優しい子、優は突拍子もないことをいきなりするような子なのだという。桃子は、「隆一のこと、大変だろうけど、頼むわね」と言う。
隆一は、梓を食事に誘う。だが、貴行が優を連れて会食しに行くと知り、隆一は動揺する。隆一は、梓と食事に行くが、気が気ではない。梓は、隆一が次々に結婚に向けて準備を進めて行くことに、違和感を感じる。
貴行は、リゾート計画について、「お前に任せる」と言う。プロジェクトメンバーの人選などについても一任され、優は喜ぶ。
貴行は、役員会で、国内新規事業の話を行う。ドレイモンドホテルのリゾート施設についての計画であり、優を責任者とすると紹介する。優は黒髪にしており、「精一杯頑張ります」と言う。拍手が起こる中、隆一は動揺を隠せなかった。
会議が終わると、隆一は貴行に詰め寄る。「優にはまだ早いと思います。私がやります」と言う隆一に、貴行は「お前は働きすぎだ。…この件は、優に任せる。バンコクのプロジェクトに専念しろ。結婚のこともあるからな。それも大事な仕事だからな」と言う。
優は、ドレイモンドホテルのリゾート施設計画に、梓をメンバーの1人に入って欲しい、と頼む。梓は快諾し、「こちらこそよろしくお願いします」と言う。優は、その答えに大喜びする。さらに、団衛(木下ほうか)本部長らが迎えられ、優はリーダーとして就任する。
柴田ひかり(山崎紘菜)は、どんどんと遠くに行ってしまいそうな優に、いつ告白しようかと悩んでいた。優は早朝に出勤するなど、気合を入れてプロジェクトに挑む。
一方、隆一は梓とともに結婚式場を見に行く。そこで、「カインとアベル」という、神の愛を巡って仲違いした兄弟の話を神父から聞かされる。
隆一は、梓に「一つお願いがあるんだ。君には高田家を守って欲しい。だから、家庭に入ったら仕事を辞めて欲しい」と言う。梓は、「辞令も出たばかりだし…」と戸惑う。隆一は、「あのプロジェクトはそもそも、将来性が不透明だ。優にはまだ早い。優にはリーダーとしての資質はない」と言う。
「あのプロジェクトからは外れて欲しい」と言う隆一に、梓は「私はあのプロジェクトをやりたいの。それに、バンコクの件も、優君がいたから…」と反論する。
隆一は、「本当はどっちなんだ?君がこのプロジェクトにこだわるのは、家庭に入りたくないからなのか?優と一緒にいたいからなのか?」と訊ねる。梓は、「何を言ってるの…」と呆れる。
優は、休日出勤で深夜まで仕事を行っていた。そんな優の様子を、梓は見ていた。梓は、優を後ろから抱きしめる。泣き出す梓に、「兄貴と何かあった?」と優は訊ねる。梓は「分からない…」とつぶやくのだった。