ドラマ「無痛 第10話」(最終回)あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 伊原忠輝(中村蒼)は、早瀬順一郎(伊藤淳史)刑事に腕を撃たれるも、行方不明となっていた。警察は伊原の行方を探すが、為頼英介(西島秀俊)は、「伊原君は、白神院長に新薬を過剰投与され、操られただけだ」と早瀬刑事に言う。

2) 白神陽児(伊藤英明)は、マスコミの報道加熱を避けるようにして、行方をくらませていた。そんな中、早瀬刑事は、白神と一家四人殺人事件の石川家との関連性を探る。

3) 為頼は、白神に呼び出される。白神は、為頼に海外で研究を続けないかと誘う。そこに早瀬刑事が現れ、「白神の弟は、石川教諭の妻と付き合っていたが、強引に奪われてしまい、自ら死を選んだ。そのことを許せず、白神は伊原に新薬を過剰投与し、石川一家を殺害させたのだ」と指摘する。

4) 白神は、弟の幸せを奪っておきながら、新聞に自らが幸せだと知らしめるような記事を掲載させたことが許せなかったのだった。そこに伊原が現れ、伊原は白神に体当たりし、窓を突き破って白神もろとも地面に落下し、死亡する。

5) 白神は1人旅に出て、その旅に発つ前、早瀬刑事に「犯因症が出てもなお、刑事を続けるのか?」と問う。早瀬刑事は、「それでも、刑事を続けます」と言うのだった。

起:伊原の行方

橋の上で伊原忠輝(中村蒼)は、早瀬順一郎(伊藤淳史)刑事に腕を撃たれ、川に落ちる。警察は、行方不明となった伊原を捜索する。

診療所に戻った為頼英介(西島秀俊)は、伊原が撃たれたことを高島菜見子(石橋杏奈)、井上和枝(浅田美代子)に話す。伊原の生死は不明であり、行方知れずとなっていることを南サトミ(浜辺美波)は知ってしまい、動揺する。サトミは、玄関から飛び出そうとし、和枝たちは必死に抑える。

マスコミに取り囲まれた白神メディカルクリニックは、診療を続けることはできず、患者の転院などが進められていた。秘書の横井清美(宮本真希)は、白神陽児(伊藤英明)が姿を消しているのを知り、携帯に電話をかけるも、繋がらなかった。

伊原を撃ったことを責める為頼に、早瀬刑事は、「伊原を殺すしかないんだ」と口走る。そこで、為頼は、伊原の治験データを早瀬に見せ、「伊原君は、白神院長によって処方された薬を過剰投与され、一家殺害を命じられた可能性がある」と指摘。新薬・ドロールは、過剰投与によって記憶喪失、凶暴性を増す副作用があった。

伊原は、一命を取り留めて川から這い出ていた。だが、左腕には銃痕があり、撃たれたショックに伊原は咆哮する。

承:白神の虚像

菜見子は、殺害された一家四人殺人事件の被害者・石川教諭が、サトミを生徒とともにイジメていたことから、「どんな立派な先生にも、人には分からない部分があるのかもしれませんね」と言う。

サトミは、自ら早瀬刑事に話をする。「石川先生の家を見つけたんです。そこで、小学校のことを思い出して。…先生の家から、楽しい笑い声が聞こえて、殺したいと思った。そしたら…」と、伊原が一家を殺害したのだと明かす。

だが、「あの人は、そんな人じゃない。あの人は優しい人。私を助けてくれた…あの人のこと、殺さなきゃいけないんですか?」と、早瀬刑事を責める。その言葉に、早瀬刑事は苦悩する。

為頼は、早瀬刑事に「白神は、無痛治療を放って逃げ出したりしないはずだ」と、白神の行方を探すべきであると話す。

横井秘書が、為頼診療所を訪れる。為頼は不在であり、菜見子は横井秘書に「院長は、あなたたちが来てから変わってしまった。返してくださる?」と言われる。だが、菜見子は「完璧な人なんていません。白神先生を、そうだと思い込んでいただけなのではないでしょうか?」と言う。

その言葉に反応し、横井秘書はメスを取り出し、菜見子に襲いかかる。為頼が帰宅し、取り押さえることができたが、その横井の顔には、犯因症が現れていた。為頼は警察に通報し、横井は逮捕された。

転:白神との対峙

白神と殺害された石川一家のつながりを早瀬刑事は探り、ついに関連を見つけ出す。一方、為頼は白神に呼び出されて、白神メディカルセンターへと呼びだされていた。

白神は、「この病院は畳みます」と言う。為頼は、「あなたは先天性無痛症の伊原君を使って人体実験を行っていたんだ」と責める。

だが、白神は、「この国を一緒に出ませんか?メルボルンの研究所で、無痛症の研究をしましょう」と言う。為頼は断るが、白神は「あなたは断れないはずだ。奥さんを苦痛の内に亡くしたあなたは、断れない」と、なおも誘う。

為頼は、「あなたも弟さんを亡くした。そして、弟の心臓を移植した。心臓が動き続ける限り、ずっとその亡霊に囚われ続けているのではないか」と言う。

そこに、早瀬刑事が現れる。そして、白神の弟は、石川教諭の妻を強引に奪われ、そのショックで死を選んだ。結果、脳死状態となって白神は心臓移植を受けることになった。ところが、白神は弟を悲しませ、死に至らしめたことが許せず、伊原に「悪いヤツらだ」と吹き込んで殺害させたのだった。

結:白神の動機

早瀬刑事は、子供まで巻き込んだことを責めるが、「とびきり理不尽な死に方をさせたかった。怜児が死ななければならないなんて、理不尽じゃないか」と白神は言う。

そして、新聞記事を読んで「弟の幸せを踏みにじった一方、自らが幸せだと言いふらすかのような詩を新聞に掲載させた…それが許せなかった」のだと復讐した動機について語る。

為頼は、「痛みは私だ…」と、恩師の言葉を引用し、痛みも抱え、幸せばかりではなく、苦しみも含めて人は人なんだ、と言い、白神医師の目指した無痛治療は誤りであると指摘する。

早瀬刑事は、白神に発砲するが、外す。混乱の中、伊原が現れる。伊原の顔には犯因症が現れていた。伊原は為頼に「今までありがとうございました」と言い、白神に体当たりし、院長室の窓ガラスを破ってともに落下する。

為頼は、早瀬刑事に応急処置をするよう言われるが、呆然として動くことはできなかった。

後日、為頼は診療所を休診し、1人旅に出かける。旅立つ前、為頼は早瀬刑事に「犯因症が現れる過剰なエネルギーは、犯人だけではなく、それを抑えようと自らにも向けられる。その苦しみを抱えながら、刑事を続けるのか?」と尋ねる。そんな為頼に、早瀬刑事は「それでも刑事を続けます」と言い切る。

為頼は、早瀬刑事の肩を叩き、無言で旅に出る。為頼は、電車に揺られながら、赤ん坊の泣き声を聞いていた。傍らにあるカバンには、妻の指輪がチェーンで付けられ、揺れていた。

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