簡単なあらすじ
1) 桜井信一(阿部サダヲ)と佳織(山田美紅羽)は、寝る間も惜しんで勉強を続けていた。だが、佳織はすぐに覚えたことを忘れてしまい、つい信一はなかなか成績が上がらないことに苛立ってしまう。
2) 信一は、ストレスで自分のことをコントロールできなくなってしまい、診療内科に受診する。信一は、処方された薬を内服するようになる。そんな中、信一は勉強中、ストレスにより動悸とめまいがして、倒れてしまう。
3) 佳織は、禁じられていた体育の授業で、ついドッジボールに参加してしまう。結果、右手を突き指して鉛筆を握れなくなってしまう。信一はついに「受験なんかやめてしまおう」と言いだす。だが、佳織は信一に涙ながらに謝り、「佳織を見捨てないで」と言う。佳織の思いを受け、信一は再び受験に向けて勉強を続ける。一夫(小林薫)は、自宅を売って受験のための資金を作ろうと考えるのだった。
4) 信一は、直康に「麻理亜と私は血が繋がってない」と聞かされる。その直後、信一は激しい腹痛で倒れてしまうのだった。そして、救急搬送されてしまう。救急車の中で、「中学受験は命がけだ」と信一は思うのだった。
詳細なあらすじ
桜井信一(阿部サダヲ)と佳織(山田美紅羽)は、寝る間も惜しんで勉強を続けていた。さらに、信一は家事の上にバイトで受験費用も捻出しようとしていた。
だが、佳織は何度も同じ間違いをしてしまい、信一は苛立つ。「できて欲しい」と願うほど、できない我が子に苛立ってしまうのだった。そして、佳織や香夏子(深田恭子)に当たってしまう。自分で自分をコントロールできず、「なんとかしなくては」と信一は思う。
香夏子や佳織は、信一が無理をしていると心配していた。佳織は「麻理亜ちゃんのようにはなれないのかな…」と落ち込む。そんな娘を、香夏子は元気づける。
信一は、診療内科を受診し、「イライラを抑える薬をください」と言う。朝比奈医師(佐野史郎)に「どのような問題を抱えてるんですか?」と言われ、「夫婦仲が上手く行ってない」と言う。
クリニックには、徳川直康(要潤)がいた。トクガワ建設の経営に暗雲が立ち込めており、直康も落ち込んでいたのだった。
香夏子は、一夫(小林薫)に信一が切羽詰まっていると相談し、さらにはなかなか自分の売り上げが上がらないと愚痴る。一夫は、香夏子の上司・長谷川(手塚とおる)に相談する。「俺の家を売ろうと思って」と一夫は言い出す。
信一は、隠れて処方された薬を飲んでいた。一方、佳織は体育で跳び箱を飛んだと言い、信一は「突き指したら大変だ」と、やめるように言う。
信一は勉強中、ストレスにより動悸とめまいがして、倒れてしまう。さらに、信一は学校で体育教師に「体育をやめさせて欲しい」と言いに行く。だが、途中で興奮してしまい、信一は話を中座する。信一は、「俺も、自分の思いを押し付けているだけなのかな…」とつぶやく。
佳織は、体育を見学していた。だが、途中でドッジボールに参加する。そこで、右手を突き指してしまうのだった。鉛筆が握れず、信一は「何度も言ったじゃねえかよ。体育なんかしなくてもいい」と言う。
信一は、「本気でやる気あるのか?…じゃあなんでお父さんの言うこと聞けないんだ」と言う。さらに、「受験、やめようか」と提案する。「香夏子を仕事で悩ませ、佳織も友達と会えない。俺は、薬ばっかり飲んでる…それなのに成績はちっとも上がらない」と言い、「もう勉強なんかしなくていいぞ」と言って信一は家を出る。
香夏子が電話に出ているすきに、佳織は家を出てしまう。佳織は、信一を探しに家を出たのだった。父の姿を見つけた佳織は、追いかける。そして、その2人を一夫、香夏子が追っていた。
信一は、神社を訪れていた。佳織は、「一緒に帰ろう」と声をかける。信一は、「お父さん、もう疲れちゃったよ。やっぱり無理なんだよ」とつぶやく。「やっぱり、夢は夢なんだよ…佳織のせいじゃない。覚えてられないのも、遺伝だから」などと言うのだが、信一は「すぐに忘れないように」「算数ができるようになりますように」「お父さんがイライラしませんように」と、佳織が書いた様々な絵馬があるのを見つける。
「同じ間違いばっかりしてごめんなさい」「偏差値が上がらなくてごめんなさい」と佳織は謝り、「佳織を見捨てないで」と言う。信一は、「見捨てるわけないじゃないかよ。俺の娘だぞ」と言い、佳織を抱きしめる。
一夫は、「もうカネの心配は要らない」と言う。自宅を売って受験や生活資金を手にしようと考えていたのだった。
佳織は、麻理亜とともに全国模試を受ける。だが、結果発表当日、プレッシャーに耐えきれなくなっていた信一は、朝比奈クリニックを受診し、総合病院の胃カメラを予約してもらう。佳織は、麻理亜とともに結果を聞きに行く。
香夏子は、一夫に「家を売るって聞きました…それって、私のせいですよね?」と言う。思い出の家を売ることをやめさせようとするが、「思い出が辛くなる時もあるんだ」と言う。「時代が変わるのはとめられない。変えられるのは、自分だけだ…信一は今、娘のために変わろうとしている。俺にはそれはできなかった。だから、少しぐらい俺も力になりたいと思って」と言う。
信一は、直康に「麻理亜と私は血が繋がってない」と聞かされる。その直後、信一は激しい腹痛で倒れてしまうのだった。そして、救急搬送されてしまう。救急車の中で、「中学受験は命がけだ」と信一は思うのだった。