簡単なあらすじ
1) 松田純一という人物が、バットで殴殺される。事件現場には、「六五」という文字が残されていた。さらに、現場に落ちていたバットには、鈴木将也という既に死亡した人物の指紋がついていた。そして、松田は鈴木が死亡した事件で、見張り役をしていたことが明らかとなる。
2) 鈴木は、同じグループのメンバー・佐野祐介という人物に殺害されていた。佐野は、鈴木をバットで殴殺していた。松田、前畑という2人は見張り役をしており、怖くなって翌日、自首。鈴木を殺害した佐野は逮捕され、服役していた。
3) 佐野は仮出所しており、松田、前畑は「復讐される」と怯えていた。そんな中、前畑もまた、同様に殺害される。現場には、バットとともに「六七」というメッセージが残されていた。警察は、佐野が逆恨みで2人を殺害したものと考える。
4) だが、犯人は鈴木将也の弟・夏輝だった。兄を殺害され、家族が不幸となった考える夏輝は、事件に関わった人々に復讐を果たそうとしていたのだった。そんな彼に、青山年雄(加藤シゲアキ)は「その考え、明確に否定します。あなたは、もっと今、ここを生きるべきだった。全て過去のせいにするべきではない」と言う。
5) 蘭子の弟・悠真は、佐野に暴力を振るわれており、そんな佐野に鈴木は注意していた。そこで佐野は、鈴木を殺害しようとしたのだった。そこで、夏輝は刑事である悠真の父親に助けてもらおうとしたが、悠真の父は現れなかった。そこで、夏輝は悠真も手にかけようとしていた。
6) 夏輝に指紋転写などを指南した人物は、チャットルームに現れた「メシア」なる人物だった。さらに、現場に残された暗号を解読すると、「メシア」になった。そのことに気づいた後、青山は呼び出され、ナイフにより刺されてその場に倒れる。
詳細なあらすじ
庵堂蘭子(香里奈)は、弟の悠真に、父親が使っていた腕時計を渡す。「お父さんが帰ってくるまで、悠真が持っていて」と蘭子は言う。
医療機器メーカーの営業マン・松田純一が、バットで頭部を殴打されて殺害された。現場の壁には、赤いスプレーで「六五」というメッセージが書かれていた。近くには、凶器と思しき血液のついたバットが落ちていた。
凶器のバットに付着した指紋は、15年前に殺害された中学生の鈴木将也のものと同一であった。しかも、バットは5年前に製造されたもので、鈴木の指紋が付くことはありえなかった。バットには、片手でしっかり握られた痕もあり、偽装も困難であった。
また、15年前に鈴木を殺害した加害者の一人が、松田であることが判明し、青山年雄(加藤シゲアキ)は「死者からの復讐」とつぶやく。
松田は、有名な不良グループの一員だった。だが、鈴木死亡をきっかけにグループは解散。主犯格は佐野祐介、松田と前畑透は見張りを担当していた。佐野は、当時20歳であり、17年の懲役刑を受け服役中だった。松田と前畑は、「何者かに命を狙われている」と前畑に知らせていた。
青山は、大文字哲人(椎名桔平)に「六五」の解釈を訊ねる。周囲の人々の注目を集めるため、手っ取り早く”悪くあろうとする”という「安直な優越性の追求」を行う人々がいる、と大文字は指摘する。そこでアドラーは「普通である勇気を持つ必要がある」と説いていると、大文字は語る。
蘭子は、鈴木の実家を訪れる。母親に、鈴木の遺品を見せてほしいと頼むのだが、「次男の夏輝(高杉真宙)が全て捨ててしまった」と話す。そして、母親はグループの素行が悪くなっていったため、「雅也はグループを抜けようとしていた」と明かす。
不良グループの中に弟の悠真がいた。そのことを青山に指摘されると、「この課題は、私の問題です。私の課題に、土足で踏み込まないでください」と蘭子は言う。
佐野は、仮出所していた。松田と前畑は、事件の翌日、怖くなって自首していた。それで、佐野は逮捕され、佐野は松田と前畑を疑っていた。
前畑は、松田と同様に殺害され、壁には「六七」と書かれていた。防犯カメラ映像で、スプレー缶を持った悠真が映っていた。蘭子は、半田陽介(升毅)に呼び出される。そこで、父親の失踪した原因が、蘭子の誘拐事件と関係しているという噂が流れている、と言う。さらに、「この事件と、お前の過去は関係あるのか?」と訊ねるのだが、蘭子は「関係ありません」と言う。
蘭子は、悠真に会いに行く。「なんで事件現場にいたの?」と訊ねるのだが、悠真は小宮山正明(戸次重幸)らの姿を見て逃げ出す。
大文字は、「特別な存在になれなかった人の人生は失敗ですか?…アドラーは、『過去にとらわれず、未来に怯えない。たとえ普通であっても、今、ここを生きる』と言っています」と青山に言う。そして、「庵堂君は、過去に向き合う必要がある。それは、過酷なことです」と言う。
現場からは、佐野の指紋も、悠真の指紋も検出されなかった。一方、ネット掲示板で佐野の居場所が判明する。クラブに佐野はいたのだが、小宮山たちの姿を見て逃げ出す。
悠真は、蘭子に渡された紙の場所へと向かう。そこで、悠真は「2人を殺したのは佐野さんだ。僕は、スプレーで指定時刻に数字を書くように命令されていたんだ…言うとおりにすれば、お父さんの居場所を教えるって言われたんだ」と言う。
悠真は、両親の離婚後、一人ぼっちになってしまい、その時に声をかけてきたのが佐野だった。佐野は、悠真に命じて万引きなどをさせていたのだという。そこで鈴木は注意し、リンチを受けた。悠真は、父親に連絡して助けを求めた。だが、鈴木は殺害され、父親の行方も分からなくなってしまったのだった。
悠真は、「僕のせいでお父さんは…」と自分を責めていた。蘭子は、佐野が父親のことを何か知っていると考え、「私が捕まえて聞き出す」と言う。そんな中、悠真に「六一」という数字を書くようにと指示するメールが送られてきた。悠真は、「次に殺されるのは僕だ」と言う。
被害者は、両手でバットを振り抜いていた。だが、指紋は片手しかついていなかった。そこで、青山は「指紋を転写する方法」を考え始める。そこで、「過去のものを復元できる何かがあれば」と考え、過去の鈴木の写真から復元できるのではないか、と思い至る。
鈴木が死亡した現場で、「六一」とスプレーで書く人物がいた。だが、それは蘭子だった。襲ってきた犯人を、蘭子は青山とともに捕らえる。覆面を外すと、犯人は夏輝だった。
夏輝は、「殺されて当然だろ!家族をどん底に突き落としたんだからな」と言う。「俺はこんなに苦労してるのに、楽しそうに暮らしてやがる」と言う。悠真も手にかけようとしたのは、「こいつの父親に、助けてくれるよう頼んだんだ。でも、助けてはくれなかった。こいつの父親は来なかったんだ」と言う。
復讐して当然の権利がある、と夏輝は言うのだが、青山は「その考え、明確に否定します。あなたは、もっと今、ここを生きるべきだった。全て過去のせいにするべきではない」と言う。
蘭子は、「まだ事件は終わってません」と言う。青山は、夏輝の尋問を行う。夏輝は、写真から指紋を採取するといった方法を指南した人物がいた、と明かす。
送られてきた「招待状」に書かれたURLに、アクセスしたチャットルームに「メシア」と名乗る人物がおり、その人物が「佐野に罪を着せられる。だから、好きなだけ殺せ」と言ったのだという。さらに、悠真にメールを送った人物と、招待状を送ってきた人物は同一であると考えられた。
大文字の研究室で、青山は上杉暗号について書かれた本を手に取る。それによると、事件現場に書かれた数字は、「メシア」と解読できるのだった。
青山は、呼び出される。その場で彼は、ナイフで刺されて倒れる。地面には、血液が水たまりのように広がった。
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