簡単なあらすじ
1) 文具メーカー・REPELの執行役員・市川尚道が会社のビルから落下して死亡する。何者かに撲殺され、突き落とされたと考えられた。市川が落下した部屋では、1年前に同じ会社の社員・真島成美が自殺していた。
2) 一課は、市川と以前から口論を繰り返していた稲葉が犯人と考え、任意同行をかけるが、逮捕には至らなかった。そんな中、蘭子は成美の同期・大村絵実華(大後寿々花)に、「あなたは市川さんと不倫関係に以前あった。証拠が出れば、あなたを逮捕します」と宣言する。
3) その翌日、市川を撲殺したトロフィーが稲葉のデスクから出てくる。稲葉は再び事情聴取を受けるが、犯行を強く否定する。一方、蘭子は成美が死亡し、「呪われた部屋」と噂された部屋を訪れ、そこで壁にREPELの開発した「消えないペン」で書かれた「ぺいちゃんごめん もう無理」という成美の遺書を発見する。
4) 犯人は、成美と交際していた竹内純平(笠原秀幸)だった。成美は、自ら開発した「消えないペン」の手柄を市川に奪われ、自殺した。竹内は、市川に復讐するために、成美が死亡した部屋で市川を殺害したのだった。「成美の弔いだ」と言う竹内に、蘭子は「その考え、明確に否定します。殺人を美談に仕立て上げないでください」と言うのだった。
ここがポイント
蘭子の「この会社の人たちは、変わらないという結論を下しています」「人は経験の中から、目的に適うものを見つけ出す。引きこもりの男は、外に出たくないという目的のため、外に恐怖感を抱くものを作り出すんです。人は、『このままの私』でいることが楽だと感じるんです」と、いわゆる「ブラック企業」であってもやめられない人たちの心理について語る。
過労死の末、死を選んでしまう人々が実際にいる現代、「死ぬくらいなら、嫌われる勇気を持てばよかったんです」という言葉はとても重い。
詳細なあらすじ
青山年雄(加藤シゲアキ)は、庵堂蘭子(香里奈)に「あなたは刑事に向いていない」と言われたことに傷つく。帝都大学心理学科の教授・大文字哲人(椎名桔平)は、怒った青山に「感情とは、出し入れ自由なもの。目的を達成するためのものでもある。アドラー曰く、人はなんらかの目的のために生きている」と言う。
文具メーカー・REPELの執行役員・市川尚道が会社のビルから落下して死亡していた。飛び降りた部屋は、警備員が入るまで密室状態であったことなどから、浦部義孝(丸山智己)は自殺だと断定する。
だが、蘭子は「犯人が机の脇に隠れていた」と指摘する。「転落時、誰かがこの部屋にいた…なら、犯人は警備員の巡回時間などを知る人物」と青山は言い、蘭子は「犯人は、この会社の社員です」と推理する。
遺体を司法解剖した相馬めい子(相楽樹)は、脚に骨折の痕がなかったため、他殺の可能性が高い、と指摘する。さらには、鈍器で殴られたような痕もあり、何者かに殴殺された後、突き落とされたと考えられた。
市川が率いていた商品開発部には、大村絵実華(大後寿々花)や竹内純平(笠原秀幸)ら10名ほどの社員がいた。市川は、「絶対に消えないペン」などをヒットさせた有名社員だったのだという。
消えないペンに関する広報発表が行われる予定だったが、それが中止となったのだという。また、「もう一人、同じ部屋で商品開発部の社員・真島成美が自殺した」ことが明らかとなる。その社員は、ナイフで手首を切って死亡したのだという。
市川の上司としての評判は悪かった。市川は、尋常じゃない量の仕事を振ってくるのだという。だが、商品開発部は花形であり、多少きつくても我慢するのだった。
警備員の話では、市川と稲葉が口論しているのを見かけたのだという。稲葉は、市川の元上司だったが、今では立場が逆転していた。
大文字は、蘭子の「この会社の人たちは、変わらないという結論を下しています」という言葉について、「人は経験の中から、目的に適うものを見つけ出す。引きこもりの男は、外に出たくないという目的のため、外に恐怖感を抱くものを作り出すんです。人は、『このままの私』でいることが楽だと感じるんです」と説明する。
蘭子は、REPEL社員の飲み会で、「成美という社員と、市川さんは同じ部屋で亡くなった。しかも、同じ5時に」という噂を聞く。
「絶対に消えないペン」は、自主回収する予定であったという。その件で、稲葉と市川は連日口論していたのだという。
市川の銀行口座から、稲葉の銀行口座に100万円振り込まれていた。そのため、稲葉は任意同行の上、事情聴取を受ける。市川は、絵実華と不倫関係にあり、そのネタにより稲葉は市川を強請っていたのだという。
蘭子は、絵実華に「市川さんと不倫関係にありましたよね?今後、決定的な証拠が出次第、あなたを逮捕します」と面と向かって言う。
稲葉のデスクに、市川を殴ったトロフィーが発見される。そのトロフィーが凶器であることは間違いなかった。だが、事件当夜、市川は絵実華とバーで飲んでおり、絵実華は復縁を迫られていたことが判明する。「断ったら、別の部に異動させることもできる」と絵実華は言われていたのだった。
蘭子は、青木に「呪われた部屋に張り込みに行きましょうか」と誘う。張り込み中、蘭子は「私は昔、誘拐されたことがあります」と明かす。誘拐されて一週間経って、無事に発見されました。その後、学校に行ったら、菊の花が花瓶に刺され、私の机に置かれていました。その花を私は、教壇の花瓶に移し替えました。私は常に、前向きな生き方を選んでいます」と言う。
5時を迎え、前島成美が死亡した場所を調べなおす。近くの壁紙を剥がすと、「ぺいちゃん、ごめんね。もう限界です」というメッセージが現れた。それは、成美の遺書だった。
蘭子は、社員たちの前で「この部屋が呪われているという噂は、市川さんが意図的に流したんです」と話す。消えないペンで書かれた遺書であり、「ぺいちゃん」とは竹内純平のことであった。
「私は、市川さんを殺害した犯人は、成美さんと深い関係にあった人物だと思っていました。あのメッセージを見て、ようやく確信が持てました。市川さんを殺したのは、あなたです」と言う。
部屋の足跡痕を調べると、市川と竹内の足跡が窓へと向かっていた。さらに、蘭子はわざと絵実華が犯人であるかのように発言し、結果、同期をかばおうとした竹内が動き、トロフィーを稲葉のデスクに置いたのだった。
成美は、消えないペンを開発した。だが、その手柄を市川は奪ったのだった。結果、成美は死を選んだのだった。「成美の弔いだ」と言う竹内に、蘭子は「人殺しを美談に仕立てあげないでください」と反論する。さらに、絵実華に対しても、「あなたも同罪です。黙っていて、彼女に手を差し伸べなかった」と言う。
青山もまた、「変わりたくないという目的のために、『市川さんに嫌われたくない』という理由を持ち出したにすぎない」と言う。蘭子はその言葉を受け、「死ぬくらいなら、嫌われる勇気を持てばよかったんです」と言う。
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