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池井戸潤「下町ロケット ゴースト」あらすじ・ネタバレ・結末

   

佃製作所は、取引先のヤマタニから突如として、農機具用のエンジン受注を打ち切られてしまう。ヤマタニは品質よりも安さを重視しているダイダロス社に乗り換えるのだという。

そんな中、経理部長の殿村直弘の父親が心筋梗塞で倒れる。殿村は見舞いと家業の農業のため、実家へと戻る。その家を訪れた佃航平社長は、殿村の運転するトラクターを見ていて、高性能トランスミッション開発に活路を見出そうとする。

一方、帝国重工は社長の辞任に伴い、宇宙開発事業部門が大幅に縮小されようとしていた。それに伴い、佃製作所のエンジンバルブ受注もなくなり、宇宙航空部の財前道生も他部署への異動話が持ち上がっていた。

佃は、トランスミッション開発へ乗り出すのにあたり、ベンチャー企業のギアゴーストと手を組みたいと考えていた。ギアゴーストは、製造拠点を持たず、部品製造から組み立てまで外注で全てをまかなう、「ファブレス」で売上を上げていた。営業戦略を担当する伊丹大社長、天才的なエンジニアである島津裕副社長の2人は、帝国重工の元社員だった。

ギアゴーストは、コンペによりトランスミッションの部品の受注先を決めようとしていた。そこで佃製作所もコンペに参加することにする。佃製作所の立花洋介、加納アキの2人は、先輩の軽部真樹男とともにバルブを作製し、コンペに応募する。

結果、ライバル企業の大森バルブよりもコスト面で配慮した佃製作所は勝利し、ギアゴーストのトランスミッションに採用される。そんな中、トランスミッションメーカーのケーマシナリーから、特許侵害をしていると指摘され、顧問弁護士の中川京一らから内容証明がギアゴーストに届く。

事前の特許調査では該当がなく、なおかつ島津は「既存技術の応用」である設計と考えていたため、特許申請をしていなかった。裁判になれば敗訴する可能性が濃厚であり、伊丹社長は和解を申し入れる。だが、中川弁護士は和解金15億円を要求し、ベンチャー企業のギアゴーストは、それに応じることができなかった。

別の企業の傘下に入り、和解金を支払ってもらうしかないと考えた伊丹は、複数の企業に相談した後、佃製作所に相談する。佃は、知財に詳しい顧問弁護士・神谷修一を紹介する。

神谷弁護士は、ギアゴーストの顧問弁護士である末長がリバースエンジニアリングなど必要な手立てについて提案を一切していないことに疑問を持つ。そのため、末長弁護士とケーマシナリーの中川弁護士が裏で通じているのではないかと考える。

中川弁護士は、末長弁護士に「顧問をしているギアゴーストの機密情報をケーマシナリーに渡して欲しい」と持ちかけた。多額の報酬に目がくらんだ末長弁護士は、トランスミッションの設計を中川弁護士に渡し、ケーマシナリーはその設計で特許申請を行ったのだった。

伊丹と島津は、末長弁護士に中川弁護士と通じていることを指摘する。慌てた末長弁護士は、伊丹たちが退席した後、中川弁護士に電話をかける。だが、島津はその末長弁護士の電話内容をボイスレコーダーで録音していたのだった。

ギアゴーストとケーマシナリーの裁判となり、そこで神谷弁護士は「特許申請が行われたトランスミッションの設計は、すでに論文で発表されたものである」と指摘する。その設計は、すでに島津の恩師である大学教授が論文に記載していたものであり、特許は無効であった。さらには、ボイスレコーダーの録音音声を流し、中川弁護士の不正も明らかにするのだった。結果、特許は無効という判決が下され、ギアゴーストの勝利に裁判は終わる。

佃は、ギアゴーストが敗訴の後、買収することもできるがそうはしなかった。良好な提携関係を築けると思われたが、そんな中、伊丹にダイダロスの重田登志行が接触する。

重田の父親は、帝国重工の下請けをしていた。だが、コストカットに応じなかったため、重田の父親の会社は倒産した。そのコストカットに加担していたため、重田は伊丹も恨んでおり、ギアゴーストを買収しようとしていた。さらには、「お前は、上司である的場俊一に閑職に追いやられた」と明かされる。

的場は、今や帝国重工の新社長候補だった。伊丹は強い憤りを感じ、ダイタロスと資本提携を結び、帝国重工に復讐を果たそうとするのだった。そんな過去のしがらみに囚われてしまった伊丹に、島津はついていくことはできず、ギアゴーストを退社するのだった。

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