本能寺の変で織田信長(吉田鋼太郎)が討たれ、騒乱の中の安土城から、信繁(堺雅人)は姉・松(木村佳乃)を救い出し、信濃へ帰ろうとしていた。だが、そこで明智光秀(岩下尚史)の兵に見つかってしまう。
信繁、佐助(藤井隆)らは、戦って松たちを助けようとするが、崖に追い詰められた松は、身投げしてしまう。松の夫・小山田茂誠(高木渉)は、松が亡くなった地にとどまると言う。そんな茂誠に、信繁は「生きていてこそです」と言い、分かれを告げる。
真田の郷では、昌幸(草刈正雄)が身の振り方を考えていた。信幸(大泉洋)は、「信長公のあだを討つべきです」と主張する。昌幸は、滝川一益(段田安則)に「明智を討ってくだされ」と言い、滝川は松を人質に出すよう要求し、昌幸はその要求を飲む。
信繁は、松を救えずに後悔していた。だが、矢沢三十郎頼幸(迫田孝也)に「あなた様は、真田を支える責務があります」と、気を強く持つように言う。道中、出浦昌相(寺島進)に会い、出浦は「一度家臣になると決めたからには、最後まで我らは筋を通す」と言う。出浦は、織田家家臣・森長可(谷田歩)の護衛を行っていた。
昌幸は、滝川に付く、と国衆に言う。だが、室賀正武(西村雅彦)は反対。北条につくべきであると主張し、昌幸はその意見を受け入れるしかなかった。真田信尹(栗原英雄)は、「攻めこまぬよう、お願いしたい」と言い、北条氏政(高嶋政伸)は、「攻めこまぬと約束しよう」と言うが、氏政は信濃に狙いを定めていた。
本多忠勝(藤岡弘)は、家康に「明智を討伐しましょう」と進言されるが、家康は「信長は主君ではないわ」と言い、兵を出さないと言う。
信繁は、昌幸に松が亡くなったことを告げる。昌幸は、「人質に差し出すということは、永久の別れとなることもあるからな…」と悲しむが、「この話は、以上だ」と、次に打つ手を考え始める。信幸は、「乱世のこの世で、ただひとつ確かなことがある。今、北条が攻めてきたら真田は終わりだ」と信繁に告げる。
きり(長澤まさみ)は、信繁に「みんなに『あなたのせいじゃない』と言って欲しいんでしょ?でも、私は言いませんからね」と、図星を指すようなことを言われてしまう。
信繁は、梅(黒木華)に「私は兄より才があると思っていた。その才で兄を助けることが私の使命であると思っていた。でも、私の才など、いざとなっては役に立たなかった。思い上がりだった」と心の内を明かす。そんな信繁に、梅は「私は信繁様が帰ってきてくれて嬉しかった。何か真田の郷にございましたら、私をお救いください」と言う。
松は、生き延びていた。だが、記憶を失い、どこから来たのかも分からない様子だった。一方、松が亡くなったと思っている昌幸は、母・とり(草笛光子)に滝川の人質となってもらうこととなった。
明智は、羽柴秀吉(小日向文世)に討たれた。明智を討ってのし上がると考えていた滝川は、その目論見が外れてしまう。昌幸はそのことで落胆していた。
昌幸は信繁に「力が欲しい。織田や北条と渡り合える力が」と嘆くが、信繁は「どこに付こうとも、この信濃の山は変わらない。人の争いを笑っているかのようです。私は、この景色が好きです。信濃は日本国の真ん中ですから。私は、信濃に生まれたことを誇りに思います。父上の子として生まれたことを誇りに思います」と言う。そんな信繁に、昌幸は「よき息子じゃ、よき息子じゃ…」と繰り返す。
北条は、大挙して上野に進行する。滝川は、真田に兵を出すよう要求するが、昌幸は兵は出さないと言いだす。「これより真田は、誰の下にも付かん。信濃は東と西の要となる地。だからこそ皆、この地を欲しがる。その利を用いて奴らを操ってみせる」と、昌幸は滝川が攻めこまれている最中に沼田城を奪還すると、戦を開始する。
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