花澤昭栄(品川徹)は深夜に1人、「さらば、花澤家」とつぶやいて出て行く。ただらなぬ事態が起こった原因は、1週間前に遡る。
大道寺保(遠藤憲一)に、姉・留美子(秋野暢子)が「一週間泊めてほしい」と電話をかける。留美子は、戸惑う保に構わず家を訪れ、部屋の前に徹夜明けで眠りこけていた美蘭(蓮佛美沙子)と鉢合わせする。
留美子は、2人が結婚するつもりと知り、あまりの年齢差などに驚く。美蘭のことを「まるで柴犬みたい」「貧相」などと留美子は毒づく。保は、「お義父さんにも気に入られて、我が社に引き抜きたいとまで言われている」とウソをつく。
留美子は、「美蘭さんを家に送るついでに、ご両親に挨拶する」と言い出し、美蘭と保は困る。不在のはずの花澤紀一郎(渡部篤郎)がおり、保が紀一郎に煙たがられていると知り、留美子は怒り出す。紀一郎も、留美子の憎まれ口に怒りだしてしまう。保は、部下の八千草千代(伊藤修子)に相談し、”天敵”の2人は会わせない方が良いとアドバイスされる。
紀一郎の会社では、資源安による急激な業績悪化が問題となっていた。副社長の責任が問われ、副社長の派閥である紀一郎は、「次の経営会議までに、根回しを行え」と命じられる。
紀一郎が、根回しに奔走する中、父・昭栄がいなくなったと妻・静香(和久井映見)から連絡を受ける。昭栄は、留美子に一目ぼれしており、保の家を訪れていたのだった。静香は、次女・真理乃(新川優愛)に連れ戻しに行って欲しいと頼むが、真理乃までもが帰ってこないという事態に陥る。
仕事が終わった保と美蘭が部屋に駆けつけると、留美子と昭栄が和気あいあいと飲んでいた。真理乃が作った料理をつまみに、留美子は、昭栄とともに保の学生時代などについて話す。
留美子は、現れた美蘭の前で、あからさまに真理乃を褒める。「綺麗だし、お料理も作れる。…妹さんの方がよっぽどいいじゃない」と言い放つ留美子に、ついに美蘭は怒り出し、「私だって料理くらいできる!」と言って料理をしようとして、止められる。
紀一郎は、徹夜で資料作りを行い、会社に向かう。一方、保は留美子が夫とケンカして家を出てきたと知り、帰るように言うが、留美子は拒否する。
副社長は、「急な出張で経営会議に出られなくなった」と言われる。副社長が責任を紀一郎に押し付けているのは明白で、紀一郎は、経営会議を1人で切り抜けなければならなくなった。紀一郎は、定例経営会議で、資源安による700億円という減損について、厳しい追求を受ける。
保は、留美子が花澤家を訪れていることを聞き、血相を変えて花澤家に向かう。留美子を必死に帰らせようとするが、揉み合いになって保はぎっくり腰になってしまう。
紀一郎が経営会議を終えて帰ると、ぎっくり腰で横になっていた保が玄関にいて驚く。さらに、留美子が、昭栄から紀一郎の話を聞いていた。昭栄は、紀一郎の会社が700億円の損失を出したという記事や、紀一郎の悪評が書かれた雑誌を広げ、「へーこらしてれば出世するんだから、気楽な商売だよな」などと紀一郎のことを言う。
昭栄の不動産投資での失敗などで苦労をかけられた紀一郎は、経営会議での心身ともに疲労困憊であり、「文句があるなら、出ていけ!」と昭栄に言う。昭栄は、「もう行く先は決めてあるんだ」と言い、出て行ってしまう。
気まずい空気の中、留美子も帰る。留美子は紀一郎に、「娘さん、良い子たちですね。特に美蘭ちゃん。頑固ですぐに気持ちが顔に出る。でも、素直で良い子。この家で育ったからかな。保のために、がめ煮を作ってくれて。…みーちゃんは、ウチの保が幸せにします。だから、よろしくお願いします」と言って帰る。そんな留美子の言葉を、保・美蘭は聞いていた。
保は、紀一郎に「お父さんのこと、許してあげませんか?ウチの親父、俺が28歳の時に亡くなってるんです。ある日、ぽっくりと。親孝行なんか、これっぽっちもしてやれませんでした。今だったら、酒の一杯、旅行の一つでも行かせてあげられるのになぁって。だから、あなたのこと羨ましくて仕方ないですよ。あんなに元気なお父さんいるんだから。元気でいるだけで、ありがたいじゃないですか」と言う。
紀一郎の悪評が書かれた記事についても、「あなたのこと、心配だからおじいちゃん、この雑誌を買ってきたんじゃないですか?」と、保は言う。
保や紀一郎は、手分けして昭栄を探しに行く。だが、昭栄は留美子の気を引くために町内会を一周しただけで、家に帰ってきており、一同、ほっと胸を撫で下ろす。
一方、保の家では、留美子がアロマキャンドルの火をつけっぱなしで出て行ってしまったため、ボヤ騒ぎが起きていた。壁が燃えただけで済んだが、消火のために床が水浸しだった。仕方なく、保は花澤家に身を寄せることにする。
FOD(フジテレビオンデマンド)ならすぐに放送済みエピソードが観られます。
次話:「お義父さんと呼ばせて 第7話」あらすじ・ネタバレ