簡単なあらすじ
1) 望月真理亜(木村佳乃)は、鯨井有希(キムラ緑子)に腹部を刺され、瀕死の状態となっていた。和樹(高橋一生)と有希により、真理亜が本当に誘拐されたことを知り、幸平(伊藤英明)は彼女の居場所を探し始める。
2) 和樹は、真理亜の携帯電話を使用し、杏南(相武紗季)からカネを奪う。杏南は、警察にそのことを伝え、相馬誠一郎(佐藤隆太)刑事たちは、緊急配備を敷いて和樹・有希の行方を探しだす。
3) 真理亜の生存を知らせる動画から、幸平は真理亜の居場所を突き止める。幸平は自宅に向かうと、そこで有希が灯油を撒いて、自殺しようとしていた。和樹はそれを阻止するが、真理亜にナイフを向け、幸平は真理亜を助けようとして刺されてしまう。
4) 真理亜は、そこで和樹と有希に取り引きを持ちかける。和樹は、有希のことを愛していた。「2億円を持っていっていいわ。『2人は家にいる』と言って、逃がしてあげる。でも、救急車を呼んで、私たち2人を玄関まで運んで助けて」と言い、和樹は取り引きに応じる。
5) 真理亜はイタリア留学の際、彼女の両親が誘拐保険に加入していた。両親は既に他界しており、16億円という巨額な保険金が真理亜の夫・幸平に下りることになった。契約書にサインする際、「N31」と書かれた項目があることに気づく。
6) 「これが、本当の意味のN31なのか…」と幸平は疑心暗鬼になる。さらには、初めての結婚記念日に訪れた際にも、真理亜が思い出のワインを取り出したことについて、「16億円のために、俺を殺そうとしているのか…」と疑い始める。だが、幸平は以前のように真理亜のことを嫌悪したりすることはなかった。「こんなに面白い妻はいない」と思い、真理亜の異常性すら愛しているかのようだった。
起:誘拐された真理亜
望月真理亜(木村佳乃)は、鯨井有希(キムラ緑子)に腹部を刺され、瀕死の状態となっていた。真理亜は、たった10日間で全てが変わってしまったことについて、「どこで道を間違ったのだろうか…」と思っていた。
真理亜は、有希に緒方(眞島秀和)殺しの罪を認めさせ、警察に出頭することを勧めたのだが、有希は逆上して真理亜を刺したのだった。
望月幸平(伊藤英明)は、自宅で真理亜に怒りを募らせて叫んでいた。そんな中、幸平には「妻を誘拐した。2億円を用意しろ。さもなければ妻の命はない」というメモが用意されていた。
自宅に、相馬誠一郎(佐藤隆太)刑事がやってくる。相馬刑事は、緒方殺しが有希によるものだと気づいていた。そのことを幸平に伝え、相馬刑事はインターホン越しに有希がどこにいるのかを尋ねる。その時、鯨井和樹(高橋一生)が幸平の喉元にナイフを当て、「海外に行った」と伝えさせる。
和樹は、幸平を脅して2億円がどこにあるのか案内させる。だが、クルマのトランクにはカネがなかった。幸平は、杏南(相武紗季)がカネを奪ったのだと考え、連絡をとるが、杏南は電話に出ない。幸平は、和樹の虚を突いて逃げ出す。
承:小暮と真理亜
横路正道(宮迫博之)は、杏南に小暮久雄(佐々木蔵之介)と真理亜の関係を伝える。恋人や不倫関係にあったわけではなく、真理亜が学生時代、小暮が留学を勧めたため、小暮は解雇されただけであった。
小暮は、幸平を店に呼び出し、真理亜が「最初から最後まで、君のことを信じていた」と言う。真理亜が狂言誘拐を行った際、「N31」という差出人名を使っていたが、N31とは、小暮の前に経営していた店であり、なおかつ幸平が真理亜にプロポーズした店であった。
小暮は、「そのことに気づいていれば、こんなことにならなかった…」と言う。「君になら、彼女を救えるんじゃないか?」と言われ、幸平は真理亜を救出に向かう。
幸平は、「真理亜が無事な証拠を見せろ。3分以内に送らなければ、警察に電話する」と真理亜の携帯電話にメッセージを送る。動画が送られてきて、真理亜は「騙してごめんね」と謝っていた。その左手薬指には、真理亜の指輪とともに、幸平の指輪が嵌められていた。幸平は、怒りに任せて自宅に指輪を投げ捨てていた。それを真理亜は拾っており、「自分は自宅にいる」と知らせたのだった。
さらに、幸平は杏南に「2億円を貸してくれ。必ず返すから。このままでは、真理亜が殺されてしまう」と言う。一方、杏南は真理亜の携帯電話でメールが送られてきて、真理亜に呼び出されたと思い、店にいた。だが、それは罠であり、和樹がそこに現れ、2億円を奪う。幸平は、腕を傷つけられた杏南を発見する。
幸平を逃がした上で、杏南は現れた相馬刑事に「鯨井和樹に2億円をとられました」と言う。和樹に対し、緊急配備が敷かれることになった。和樹は、杏南に足を刺され、速く移動することはできなかった。
和樹は、2億円を奪ったことを有希に伝える。だが、有希は「それを持って逃げて。そのカネは退職金よ」と言う。有希の不穏な様子に、和樹は何をしでかすのか、と恐怖する。有希は、真理亜の自宅に灯油を撒く。
転:真理亜のもとへ
幸平は、真理亜の映った動画を再び見て、真理亜が自分の指輪をしていることに気づき、真理亜は自宅にいるのだと分かる。
自暴自棄となった有希に、真理亜は「和樹さん、ここに戻ってきますよ。気づいてるんじゃないですか?和樹さんの気持ち」と言う。だが、有希は「私は緒方を殺して、あなたを刺した。もう終わりよ。ここで死ぬわ」と言う。
有希は、「アンタの本音を聞かせて。どうしてあの男のために、誘拐の振りしたり、爪を剥いだの?」と質問する。真理亜は、「それは、夫婦だから」と答えるのだった。「紙切れのためだけに、無理して夫婦を演じていただけなんでしょ」と言う有希に、真理亜は「それって、まるで有希さんみたいですね」と言う。
そこに、幸平がやってくる。有希は、「この男に、愛してないって言ってやりなさい」と言うが、真理亜は現れた幸平を愛おしそうに見つめる。騙し合いを続けることを異常だと言う有希に対し、幸平は「お前に何が分かる!色々あっても、俺たち夫婦はここまでやってきたんだ」と言う。
真理亜は、「あなたに一つだけ言いたいことがあるの…脱いだ靴は、自分で靴箱に入れて」と幸平に伝える。幸平は、玄関に行くと、靴箱に消火器があることに気づく。その消火器を持ってリビングに戻ろうとするが、そこで和樹にナイフを突き付けられてしまう。
和樹は、有希にカネを渡して逃がそうとする。だが、有希は「カズちゃんがいなければ、意味ない」と言い、火のついたタバコを灯油に落とそうとする。和樹は、その吸い殻が落ちる前に拾う。
だが、次に有希はナイフで真理亜を刺そうとする。そんな真理亜を庇い、幸平は腹部を刺されてしまう。意識を失った幸平を見て、真理亜は取り乱す。その中で、テーブルがひっくり返り、キャンドルが床に落ちる。
結:取り引き
自宅は全焼し、真理亜は救急搬送された。入院してリハビリを続けた後、真理亜は幸平の実家に戻る。そこには幸平もおり、無事だったことが分かる。一方、回復した真理亜に、相馬刑事は「あなたが救急搬送された際、『2人は自宅にいる』と言った。そのことで初動が遅れ、2人は逃げた。あなたは2人を逃がしたんじゃないですか?」と指摘する。
真理亜はあの晩、和樹に取り引きを持ちかけた。「2億円を持っていっていいわ。『2人は家にいる』と言って、逃がしてあげる。でも、救急車を呼んで、私たち2人を玄関まで運んで助けて」と真理亜は言ったのだった。
結果、和樹と有希は2億円を持って逃亡していた。居場所を転々としつつ、警察の手から逃げ続けていたのだった。
そんな中、真理亜は長谷川法律事務所からの封書を受け取る。長谷川弁護士にあった真理亜と幸平は、真理亜がイタリア留学の際、彼女の両親が誘拐保険に加入していた。両親は既に他界しており、16億円という巨額な保険金が真理亜の夫・幸平に下りることになった。
その契約書にサインする際、「N31」と書かれた項目があることに気づく。「これが、本当の意味のN31なのか…」と幸平は疑心暗鬼になる。さらには、初めての結婚記念日に訪れた際にも、真理亜が思い出のワインを取り出したことについて、「16億円のために、俺を殺そうとしているのか…」と疑い始める。
だが、幸平は以前のように真理亜のことを嫌悪したりすることはなかった。「こんなに面白い妻はいない」と思い、真理亜の異常性すら愛しているかのようだった。
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