百地零子(志田未来)は、コインランドリーで同じ格好をした女装男・薫(稲葉友)に会う。そんな中、突如訪れた男たちに、2人はさらわれてしまう。
一方、明辺悠五(沢村一樹)は、勤めていた会社の元同僚・柿本信也(梶原善)に「大根おろし専門店を作ろう」と騙され、連帯保証人になって1億円以上の借金を背負ってしまう。さらに、柿本は会社の顧客情報を盗んでおり、「会社からは詐欺の片棒を担いだ」と誤解され、懲戒解雇されてしまう。
悠五は、そのことを妻や娘に告げようとするが、なかなか切り出すことができなかった。デキ婚であったため、ようやく子供も大きくなったため、ハワイで挙式することになっていたのだった。
「これは自己責任です。家族には言えません。とりあえず、ハワイで挙式したんです。そのためなら、働こうと思いました」と言う。ハローワークで、「年齢不問、年収1千万円も夢じゃない」とのチラシを見て、「レンタル救世主」という職種の会社で面接を受けることにしたのだった。
悠五は、採用されることになり、「レンタル救世主とは、何をするんでしょうか?」と黒宇幹太(大杉漣)社長に訊ねる。社長は、「レンタル救世主はね…」と説明を行う。
拉致された女装男・薫は、レンタル救世主に連絡をする。葵伝二郎(藤井流星)は、会社に連絡し、かけてきた電話番号の位置情報を探らせる。
悠五は、「報酬200万」と聞かされ、さっそく人質救出に向かわされる。防弾チョッキを着込み、悠五は人質が拉致された場所へと向かう。そこには、零子と薫、覆面をした犯人たちがいた。
悠五は、さっそく捕まってしまう。亀甲縛りされた上で、悠五は叩かれ続けてしまう。薫は「助けて!誰か助けてよ!」と叫ぶ。そこに伝二郎が現れ、犯人たちをなぎ倒す。
零子は助けられるが、「なんで助けたのよ…」とつぶやき、1人で帰ってしまう。悠五は目を覚ますと、レンタル救世主の会社にいた。伝二郎が運んだのだという。
悠五は、「こんなにいつも危ないことをするんですか?」と言う。だが、入社の際に「明辺悠五、残りの人生をかけて、なんでもやらせていただきます!」という言質をとられていることや、借金のこともあり、悠五は働かざるを得ない。
伝二郎は、「借金は、別の仕事で返そうよ」と、退社することを勧める。家に帰ると、付箋の多く貼られたハワイの本や、娘の「お父さんは私のヒーロー」という作文を見て、悠五はレンタル救世主を続けることにする。黒宇社長は、悠五の債権を買取る。
悠五は、「家族のため」と言い、仕事に精を出す。草むしりと聞き、安心した悠五は張り切る。他にも、ゴミ屋敷の清掃やセール品を代わりに購入する仕事を行う。セール品を販売していたデパートには、零子が勤務していた。
悠五は、犬の散歩代行で、犬の抜け毛が気になる。ストレス性の病気があるのではないか、と飼い主に伝えようとするが、伝二郎はそれを止める。伝二郎は、「レンタル救世主は、言われたことだけをすればいい」と言う。そんな伝二郎に、悠五は「何のために救世主をやってるの?」と訊くと、「俺、スポットライト症候群なんだ。自分にスポットライトが当たっているのがたまらなく好きなの」と言う。
伝二郎は、ジャスティン・ビーバーを目指してYouTubeに自らの動画を公開していた。だが、動画再生回数はたった8回であった。その動画を見ていて、人質であった零子のことを思い出す。
葉石りさ子(福原遥)は、伝二郎が持っていた零子の携帯電話を見て、零子のものだと見抜く。零子は同じ軽音楽部の先輩であり、何も言葉を発しない「地蔵ちゃん」とあだ名がつけられていたことを明かす。零子の両親は大金持ちであり、兄もIT系で大成功しているのだという。
零子は、デパートのお客様センターで働いており、クレーマーの客に土下座を強要される。さらに、支配人からセクハラを受けていた。家に帰ると、兄からのメッセージが届いていた。零子は、「IT系の会社で秘書をしている」と嘘をついていた。
コインランドリーに行くと、そこに薫がいた。零子は、「お会いしたかったです。謝りたくて…あの男の人たちは、私を誘拐したかったんです。巻き込んでしまってすみませんでした」と謝罪する。
薫は、「なんで救出されても嬉しそうじゃなかったの?」と訊ねる。そして、警察にも知らせていなかったため、薫は驚く。その会話を聞いていた誘拐犯たちは、零子を再び誘拐する計画を立てる。そして、零子の家のドアに「逃げても無駄」などという張り紙をするのだった。
伝二郎と悠五は、薫に会いに行く。悠五は、「おせっかいだと思いますけど、あなたのことを調べさせていただきました」と言う。零子は、優秀な家族の中で居場所を失って、「IT系の会社で秘書をしている」と嘘をついて家を出たのだった。伝二郎は、「何かあったら悲鳴を上げて」と言う。
悠五もまた、「助けてほしかったら、言って」と言う。だが、零子は「自分のことは自分でできます。私に付きまとわないでください」と言われてしまう。悠五は、「助けてほしくても、そう言えない人もいる」と、自分の身の上を重ねて、零子のことを放っておくことができなかったのだった。
悠五は、意を決して妻に告白しようとする。だが、紫乃(稲森いずみ)に「私、いつでも働きに行けるよ。ハワイも延期していいの」と優しくされ、ますます言いだせなくなってしまう。
零子は、レンタル救世主のオフィスを訪れようとしてやめる。悠五は、そんな彼女を追いかける。伝二郎は、零子が連れ去られる悲鳴を聞く。
悠五は、零子が乗せられたバンを追いかけるが、引き離されてしまう。そこで悠五はオフィスに戻り、「百地零子を救ってください!」と自ら依頼する。「助けてと言えない子の気持ちが分かるの。あの子は、俺なの。だから、助けて!」と言う。
携帯で位置情報を割り出し、監禁場所は割り出される。さらには防弾チョッキを手渡され、悠五は1人で乗り込む。悠五は、おもむろに近づいていくが、すぐに背後からブロックで殴られてしまう。殴ったのは、零子のセクハラ上司だった。
悠五は誘拐犯たちに、耳をそがれそうになってしまう。セクハラ上司は、「君の耳を、百地君の耳として家族に送る」と言い、命令する。零子は、「なんでこんなことになるの…」と泣き出す。
セクハラ上司は、「『何か困ってることはない?』と僕、言ったよね。なんで僕を頼らないんだ?」と言う。そこで悠五は、「困ってても助けてと言えない人がいる。君は、自分の不幸に誰かを巻き込みたくないと思ってる。だから、『助けて』なんて言えないんだ」と言う。
「本当に、俺のことを言ってるみたいだ。正直、辛い。本当に辛かったら、助けてと言えばいい。そう言われて嬉しい人間もいるんだ。俺を助けるため、叫んでくれてもいい。そうすれば救世主はやってくる…叫ぶんだ!」と言う。
だが、零子は「助けてくれなんて叫べない。助けなんかこない。もう家族も誰も頼らない。…ずっと1人でいれば迷惑かけないから。生きてるだけで邪魔くさい」と話す。話しだすと、いつの間にかラップになっていた。
最後には、「こんな私でもいいなら助けて!救世主がいるなら助けて!」と叫ぶ。すると伝二郎は現れ、誘拐犯たちを再びなぎ倒す。セクハラ上司は、「出番だ!」と元プロレスラーの男を登場させる。だが、伝二郎は自らの父親が「日本に誇る覆面レスラーなんだ!」と言い、その男も倒す。
零子は、「なんで私なんかのために泣いてくれるんですか?」と訊ねる。悠五は、「君の思いが伝わったんだ。ありがとう」と言う。すると零子は、「助けてもらったのは私なので、私が払います。…私もやってみたいんです。救世主」と、働いて返すと言う。その言葉に、黒宇社長は「いいね!その感じ」と言い、即採用する。
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次話:「レンタル救世主 第2話」あらすじ・ネタバレ