簡単なあらすじ
1) 明辺悠五(沢村一樹)は、署名した離婚届を置いて妻・紫乃(稲森いずみ)のもとから離れ、家を出る。さらに、膀胱癌の手術を受けた後、退職を考えていたレンタル救世主に社員として戻ることを決意する。
2) イカソリッシュ社長・城崎千太郎(小出恵介)は、レンタル救世主に代わるサービスを担うアプリ「ヘルプール」をリリースする。困った人を救うことによって代金を得ることができるというそのアプリは、利用者2千万人を超えた。善意に世界が満ち溢れる中、千太郎は、その善意によって起こる問題も見越していた。そこで、ヘルプールの悪用や弊害を取り除くため、まずは横浜市長になる必要があると考えていた。
3) 悠五は、自分を騙して1億円の借金を負わせた柿本に、「余命1年なんだ。死ぬまでにやりたいことを、叶えさせてくれ」と頼まれる。悠五は怒りを抱えながらも、柿本の依頼を叶え、本当に柿本が望んでいた、元妻との再会を果たさせる。
4) 千太郎の妻で、黒宇の娘・幸子は、重病であったが、珍しい血液型であるが故に、手術できなかった。そこで、黒宇はヘルプールを利用して、輸血提供者を募る。だが、善意により集まった人々により、提供者が病院に現れることができなかった。ヘルプールによる弊害に、「善意とはなにか」と黒宇は悩むようになる。裏切った黒宇に対しても、悠五は「困っていることがあれば、社長でも助けます」とLINEを送る。
5) 零子はイカソリッシュの社長に就任し、千太郎は市長選に打って出る。一方、悠五は胃癌で余命3ヶ月と診断・宣告されてしまう。
詳細なあらすじ
明辺悠五(沢村一樹)は、署名した離婚届を置いて妻・紫乃(稲森いずみ)のもとから離れ、家を出る。悠五は、主治医・金城(堀部圭亮)に膀胱癌と診断され、病院で手術を受けることになった。手術同意書に、紫乃の名前はなかった。
悠五は、手術台の上に横たわり、多額の借金を背負い、レンタル救世主で働き始めていたことを思い出していた。
レンタル救世主を潰そうとする城崎千太郎(小出恵介)と手を組んだ黒宇(大杉漣)の裏切りにより、葵伝二郎(藤井流星)、秦野いろは(中村アン)、紀伊ロイ(勝地涼)は逮捕されてしまう。レンタル救世主の評判は地に落ち、葉石りさ子(福原遥)らは無罪を訴え、署名活動を行っていた。
零子1人のレンタル救世主のオフィスに、「余命1年と宣告された」という、柿本(梶原善)がやってくる。柿本は、明辺に詐欺の投資話を持ちかけ、1億円の借金を背負わせた張本人だった。
柿本は、「死ぬ前にやりたい5つのことをレンタル救世主に手伝ってほしい」と、零子に依頼する。
千太郎は、レンタル救世主の代わりとなるアプリ「ヘルプール」をリリースする。「人々に思いやりの精神を広める」という千太郎のプレゼンにより、ヘルプールの利用者は2千万人を超えた。
千太郎は、零子に「特定の人物が善行を行っていると、いつしか後ろ指をさされることになる。だが、誰もが同じ思いを持っていれば、そのようなことはない…私は、人間の善意を信じているが、使い方を誤る人間が出てくる。それを防ぐため、ヘルプールの悪用を禁じる条例を作る」と言う。
零子は、会社を継ぐ条件として、レンタル救世主のメンバーたちの釈放を千太郎に願い出る。結果、葵やいろはたちは釈放されるが、零子への態度は冷淡だった。零子は、「まだ私はレンタル救世主です。仕事があるんです」と言うが、いろはたちは立ち去ろうとする。
そんないろはたちに、「これから、黒宇さんが来て説明します」と零子は彼女たちを引き止める。手術を終えた悠五にも、「これから黒宇さんが来ます」というLINEが届いた。
レンタル救世主のオフィスに、社員たちが集う。現れた黒宇は、「君たちが経営統合の話に乗ってくれれば、今、ヘルプールの広告塔になれたのに。でも、断ったから悪者として存在してもらうことにしました」と言う。
そして、黒宇は最初から千太郎と組んでおり、「世界中を善意で満たそうとしたが、偽善者と言われた…そこで、誰かを救うためには理由が必要だと気づいた。だから、ヘルプールと同じ哲学を同じレンタル救世主を立ち上げた」と言う。
そして、「目立ちたい」「自分の居場所が欲しいから」「借金」などの動機でメンバーが集められたことを明かす。さらには「ヘルプールがリリースされた今、君たちは用済みです」と言う。
悠五は、「まだ依頼人がいるんです」と言うが、黒宇は「レンタル救世主がヘルプールに勝っている点はなんですか?…ゼロですよ」と言う。だが、悠五は「依頼人がいるなら、目の前に困っている人がいれば助ける。それだけなんです。俺には、仕事しかない、レンタル救世主しかないんです」と言う。
葵は、レンタル救世主を愛する零子のためにも依頼を引き受けると言う。悠五は、柿本が依頼人と知り、激怒する。余命1年となった柿本は、悠五に謝罪する。さらに、「どうしてもやり残したことがある」という柿本の依頼を引き受ける。
やり残したことの一つというのは、「ラップで誰かをディスりたい」ということであり、それは零子が教えたのだという。二つ目は、「ビデオに向かって夢を語りたい」であり、それもすぐに叶う。三つ目は、「世界一の美女を抱きたい」であり、保留。四つ目は「笑顔の練習をしたい」というものであり、いろはが教える。
悠五は、柿本と食事に行く。そこで、柿本が離婚したことなどを知る。「俺は、ひどい旦那だと思うよ。バチが当たったんだ」と言う。そこで、悠五は柿本の「やりたいことリスト」のほとんどが、離婚した妻のためであると気づく。
悠五は、「柿本を元奥さんに会わせてあげたい」と考えるようになる。黒宇の娘で、千太郎の妻・幸子は、病気で入院していた。彼女は手術が必要だったが、珍しい血液型であり、輸血する血液を用意する必要があった。黒宇は、ヘルプールで輸血してくれる人物を募る。だが、千太郎は「賛同しかねます。ですが、ご自由に」と言う。
柿本の「やりたいことリスト」の五つ目は、飼いネコの新たな飼い主を見つけたいというものだった。柿本は、元妻にネコを預けたいと考えていた。「元妻に返したい」という柿本だったが、会いにいくことは拒んだ。
悠五はそこで、あることをひらめく。柿本のもとへネコを返し、「ネコちゃんがいなくなって」と言う。結果、柿本も元妻のもとへ行くことを承諾する。元妻は、すでに再婚しており、新たな家族を作っていた。
「妻の幸せそうな顔を見れてよかった」という柿本は、再び悠五にネコを預ける。柿本は零子に、「俺はアイツのこと、友達と思ってるんで。別れが辛いから、このままいなくなります」と言って立ち去ろうとする。
そこで、元妻は柿本に声をかけられる。元妻は、「余命1年って、どういうこと?どうしてそんな大事なこと言ってくれないかな。格好つけてるつもり?全然格好よくない…どうしてよ、どうして死んじゃうわけ?」と言う。
「どうしてこう上手くいかないんだろう…」とつぶやく元妻に、柿本は練習した笑顔を見せる。そして、「バチが当たったんだよ。こんな最低な男だから」と言う柿本に、元妻は頬を叩く。だが、その直後、泣き出しそうな元妻は、柿本を抱きしめるのだった。
「幸せになれよ」と言う柿本の言葉に、元妻・アキコは、「あなたと結婚してた頃から幸せだった」と言う。柿本は、「いい冥土の土産ができた」と言い、喜ぶ。「世界一の美女を抱く」という条件も満たし、柿本は「やりたいことリスト」をすべてやり終え、彼は故郷に戻るのだった。
悠五は、「レンタル救世主は、助けてと言えない人、そんな人でも、お節介で助けてあげられる。それがヘルプールより優れているところだ」と気づく。そのことを悠五は黒宇に告げ、「社長も助けますよ」と言う。
黒宇の娘が急変し、手術が必要になる。彼はヘルプールで「今日中に必要です」と書き加える。ついに提供者が現れるが、病院に大挙して「彼女を助けよう」とプラカードなどをかかげた人々が押しかけ、混乱に陥ってしまう。
黒宇は病院の玄関近くで提供者を探すが、見つからない。手術が行われ、「輸血がない中で、できうることはしました」と主治医は言う。ヘルプールが仇となってしまったことを、黒宇は気づくのだった。
黒宇は、千太郎に「善意とはなにか、分からなくなってしまったよ」と言う。だが、千太郎は「想定内です」と言い、黒宇は愕然とする。
千太郎は、市長選に立候補する。そして、零子はイカソリッシュの社長に就任する。いろはたちは、零子に誕生日プレゼントを用意する。24歳の誕生日を迎え、彼女は社長に就任することを葵たちは覚えていたのだった。中には、いろはとおそろいの服が入っており、喜ぶ。
悠五は、金城に呼び出され、「胃癌かもしれない…」と告知される。すでに大きくなっており、「根治は難しいかもしれない」と言われ、「あとどれくらいもちますか?」との質問に、金城は「3ヶ月」と言う。
一方、ロイは子供を手助けしようとして、「いくら払えばいい?」と言われて困惑する。いろはは、老人を助けようとして、別の人物に「俺が助けるんだよ!横取りするな」などと言われてしまう。
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前話:「レンタル救世主 第8話」あらすじ・ネタバレ